プロローグ
異世界に憧れる凡人及び陰キャの高校生・村山俊。
漫画やライトノベルなどを数々の異世界ジャンルを読みつくしたが、何も起こらずして3年が過ぎてしまい、何もかもどうでもよくなった彼のもとに空から一人の少女が現れた。
少女との出遭いにより、彼の運命の異世界への扉が開く。(笑)
俺の名前は、村山 敏 (むらやま しゅん)。
東京都 練馬区在住 公立高校2年B組 17歳。
ドアノブを回し、重い鉄扉を開けて広い屋上へ出て、すぐ側のベンチに座る。
今日の、快晴。日差しが眩しくて、少し暑い。だが、その分だけ春の風が、心地よく吹いていた。
「こういう日は、外出て昼飯食うに限るな。さてと...」
購買で買った今日の昼飯が入っているビニール袋を膝の上に置き、ポケットからスマホを取り出す。
電子書籍アプリを開いて、先日買ったライトノベルを表示する。
食べる前の読書ーーそれは高校入学から続いている俺の日課だった。
コレを約100ページぐらい読んだ後の昼メシは、なぜか美味しくなるから不思議だ。
ちなみに今日読むラノベのタイトルはーーーーー。
『異世界に導かれたオレは、ラッキースキルを使ったらいつの間にかハーレム無双するハメに!?』
「…......買ってから思ったけど。なんだこの無駄に長くてふざけたタイトル」
【あらすじ】
冴えない上に運が悪い主人公。
ある日、憧れの女子やクラスメイト、教師たちまで異世界へ召喚される。
全世界を支配しようと目論む大魔王を討伐する"勇者“として、それぞれ強力なレアスキルや魔法アイテムを与えられる中、主人公だけが授かったのは、"幸運スキル“。
戦力外として外され、一人で旅することになってしまうが、そのスキルによって数々の奇跡を起こした。
エルフの女戦士、魔族の少女、王様の妾の娘など、次々と仲間になり。さらに、憧れの女子や苦手な幼馴染ギャル、美人女教師までも加わり、気づけば周囲は、ハーレム状態のパーティ。
個性豊かな少女達に振り回されながらも、幸運スキルを駆使して異世界を大冒険していくーー。
「.......なんだこれ。こんなふざけた内容。都合よすぎだろ」
思わずツッコミが漏れてしまった。てか、ほとんど俺と同じ立場のハズなのに.....。
なんで都合よくチートを貰える?
なんで可愛い女の子ばっか仲間になる?
なんで俺が欲しいものを、あいつらは簡単に手に入れる?
なんで"ツイてない"と言いながら、こんなに楽しそうなんだ?
「まぁでも…異世界転移モノなんて、こんなの定番中の定番だし」
こういう展開が"お約束”だってことくらい。よくあること。
よくある......ことなのに......それが........。
「.....なんでこんなのが、映画化までしてんだよ」
漫画化、アニメ化、そして映画化。今や社会現象レベルの人気作。どうなってんだ?
「異世界モノって、そんな儲かるか?にしても、テンプレ展開ばっかじゃねぇか。よく飽きないよな....」
そう悪態をつきながら、俺はページをめくる。『羨ましい』という気持ちを抑え込みながら。
ーー本当は分かってる。あぁ分かってるさ。
だから読むのをやめられない。
こういう作品は、読まなくても大体の展開は分かる。
それでも読まずにはいられない理由が、俺にはあった。
ーー3年前の夏の休み。
「お兄、今日友達と勉強会するから外行って」
当時中学二年だった俺は、妹に追い出された。
仕方なく街をぶらついていたら、最近オープンしたばかりの漫画喫茶を見つけた。
暇つぶしにはちょうどいいと思い、何気なく入店した。
何百・何千も並べられてる本棚から俺は、ある一冊の本を手に取った。
それがーー運命の出会いがだった。
異世界・冒険ファンタジーのライトノベル。
学校でも会社でも地味で冴えず、人生に絶望していた主人公。
だが交通事故をきっかけに異世界に転生し、世界を救う勇者として選ばれる。
そして仲間と共に冒険していくーーそんな物語だった。
自分とどこか似ている主人公に、俺は強く惹かれ、そして気づけば夢中になって読んでいた。
神か、仏様か、あるいは女神様が、灰色だった俺の人生に、初めて色が差し込んだ気がした。
それから俺は、お年玉やお小遣いを使って異世界系ラノベや漫画を買い漁った。
バカみたい。根拠なんてない。ただの妄想。そんなのは、自分が一番よく分かってる。
それでもーー信じたかった。
読めば読むほど心の何処かで、自分もいつか異世界へ行けるんじゃないかって。
そこへ行けば、自分の人生が変わるんじゃないからって。
いやーー絶対に変わる!!!
秘めたる力=チート能力が覚醒して、最強になって。
仲間に囲まれて、ハーレムだってでて。
現実じゃ何者でもない俺でも、"主人公”になれる。
そんな夢を、何度も何度も....何度も思い描いた。
気づけば部屋は本で埋まり、読書は完全に習慣になっていた。
いつか、自分にも胸躍る冒険が始まる。
そんな日を夢見ながらーー。
「だったのになぁ〜〜〜」
そんな天変地異の前触れを期待してーー早3年。
何も起こらない。起こる気配すらない。
そもそも、あんな都合のいい展開が現実に起こるはずもなかったのだ。
あの時、まばゆく輝いていた光はも、今ではすっかり灰色に戻ってしまった。
いや.....心なしか前より濃くもなっている気さえする。
「分かってる。あぁー分かっているとも。読者の俺でも分かっているさ。こんな都合のいい展開が、起こるわけないってな」
それでも、今もなお読み続けている。
気持ちを切り替えて、普通に楽しめばいい。
そう思ってるのに、それができない。
いや、しようとしない。
無駄に意地を張って、夢を見続ける俺の名はーー村山敏!!
「って、なに意味不明にカッコつけようとしてんだよ俺......」
スマホから目を離し、俺はふと屋上を見回した。
昼休みの屋上は、俺以外の全員が、思い思いに青春を満喫している。
・楽しげにおしゃべりするカップルたち。(リア充)
・男女混合でバレーボールに興じ、はしゃぎ回るグループ。(リア充)
・ゲームや推しアニメの話題で盛り上がるオタク連中。(リア充)
・弁当を広げ、黄色い声でガールズトークに花を咲かせる女子たち。(リア充)
「ていうか、見渡す限り.....どいつもこいつもリア充じゃねぇか。クソォ....あ!!」
妬みとも羨望ともつかない感情を抱えながら視線を流していると、
その女子グループの中にはーー俺の憧れのクラスメイトの姿があった。
彼女の名は、天沢 心春
成績優秀。運動神経抜群。
天真爛漫で社交的。友達も多い。
セミロングヘアが、よく似合うスタイル抜群の美少女だ。
剣道部に所属しており、最近では都大会で優勝まで果たした。
まさに部のエース。
才色兼備ーーそんな言葉がこれ以上なく似合う彼女に、俺いつしか嫉妬より先に好意を抱いていた。
......まぁ実際は、彼女とは、ほとんどどころか、一度も会話したことすらないけど。
生まれつき、俺にはないものを山ほど持っている彼女。
そんな彼女に対して、俺は足元すら及ばない、まるで正反対の存在だった。
成績は中の下。運動神経も微妙。
おまけに身長だって天沢より低い。
部活も何をやっても長続きせず、最終的には帰宅部。
これといった趣味も、友達もいない。
みんなの前で堂々と誇れるものなんて、一つもなかった。
「ホント、世の中って不公平すぎる.....いや、一つだけあったな」
今どき誰もやらない90年代のファミコンゲームを、たった二日で完全クリアできるという超レアスキル。そういえば中二の時に、こんな二つ名があった。
“無限無双・神の手決闘者シュバイツァー”
「.......ダッッッサ!!!」
インフィニティ?ゴッドフィンガー??なにそれ??
完全に90年代の中二病丸出しじゃねぇか!
そもそも俺、一回も誰かと対戦したことないし、相手する友達だっていない。
もちろん大会に出たことすらもないのに.........。
なんでこんな名前付けた!?
なんで今になって中学時代の黒歴史を掘り起こした!?
俺はタダの凡人陰キャ男子高校生、村山 敏だぞ!!
「あ~~~っ、もう。.........もう!!」
自分にボケて、自分でツッコむ。虚しい自問自答。
マジでバカみたい。
マジで穴があったら入りたい。
マジで惨めすぎて涙が出る。
なんででこんな面白味の無い人間に生まれてしまったんだろう。
だったら俺は、生まれる世界を間違えたんだ。
その証拠に異世界へ導くイベント展開がないのだから。(てっ、何意味不明なこと言ってんだ?)
「はぁぁあぁぁあぁぁぁあああぁぁ〜〜〜〜〜......」
今日一番深い溜息をつきながら、俺は空を見上げた。
「今日はいい天気だ。雲一つねぇ」
どこまでも広がる青空。まさに快晴ーーそして。
白い雲が、降ってきた。
「.......は?」
いや、よく見れば雲じゃない?!白い服を着た.....人間だ!??
「長い髪。どう見ても女の子....てか、え!?」
ものすごい勢いで俺たちのいる屋上へ落下しようとしてないか!!?
このままじゃ危ない!!!
「お、おい。あれ....」「人?人だよな....」「つーか、こっちに落ちてこねぇか?」
「おい、ヤベェぞ!!」「きやぁぁあああーーーー」
突然の出来事に、周囲のみんなが呆然・パニックになった。
そんな中、俺はベンチから立ち上がると、一目散に駆け出した。
「うおあおぉぉぉおおおーーーー」
落ちてくる女の子へ向かって、両手を伸ばす。
そしてーーキャッチした。
ドゴオオオオォォォォォォォォォォォォォォン!!!
次の瞬間、凄まじい衝撃とともに、俺は女の子をだき抱えたまま盛大に吹き飛んだ。
「いっっってぇぇぇぇぇぇ~~~っ.......」
受け身を取れなかったせいで、激痛が走る。背中が痛い。
しばらく起き上がれないほどのダメージだった。
だが、助けた女の子は無事だったらしい。
彼女はすぐに立ち上がると、仰向けになっている俺を見下ろしながら、何かを話しかけてきた。
「〇×△☆彡☆彡◆◆☆◆◆◆◆〇×△☆彡☆彡」
「.....は?なんて?? 」
少なくとも、『助けてくれてありがとう』とか、『大丈夫ですか?』みたいなことを言っているのは、なんとなくわかる。
でも、彼女の言葉は日本語じゃない。
英語とも違うーー聞いたこともない言語だった。
そして改めて彼女を見た瞬間、俺は息を呑んだ。
長いブロンドの髪。透き通るような白い肌。宝石みたいに澄んだ青い瞳。
年齢は、たぶん俺と同いじくらい。
真っ白な美しいドレスに包まれたその姿は、まるで物語から飛び出してきたお姫様みたいだった。
だが、一番目を引いたのはーー耳。
細く長く尖ったその耳には、美しいピアスが揺れ、彼女の美しさを一層引き立てている。
「尖った.....耳?」
その特徴に、俺の脳裏にある種族の名前が浮かぶ。
人間嫌いで、プライドが高く、不老長寿の美男美女。
神秘の森に住み、高度な魔法を操る異世界ファンタジーに欠かさない存在。
その名はーー。
「君…もしかして、エルフ!?」
「☆彡◆☆◆?」
女の子は、キョトンと首傾げてた。
どうやら、何を言っているのかわからないらしい。
まあ....当然か。
向こうの言葉がわからないんだから、俺の日本語だって通じるわけがない。
それでも、その無垢な仕草は破壊力抜群だった。
いや待て。天沢も十分かわいい。かわいいんだけど.....。
この子….めちゃくちゃ可愛くないか!?
そんな俺の内心など知る由もなく、エルフの少女はすっと立ち上がった。
そして両手を合わせると、まるで呪文のような言葉を唱え始める。
その直後ーー…上空に、巨大な光の紋様が現れた。
校舎全体を覆うほど巨大な円形。
複雑な模様と、びっしり刻まれた文字列。
「これって、まさか……魔法陣!?」
俺が目を見開いた瞬間、魔法陣が眩い光を放つ。
すると、俺と天沢、そして屋上にいた全員の身体が、まるで無重力みたいにふわりと浮かび上がった。
「え!? ちょ、なにコレ!?」、「な、なんのイリュージョン!?」、「だ、誰かあぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!」
みんなが悲鳴を上げる中、俺たちの身体は竜巻のような勢いで魔法陣へ吸い込まれていく。
なのに、不思議と俺は落ち着いていた。
この得体の知れない光が、なぜか優しくて温かく感じたからだ。
包み込まれるような安心感。
その光に身を委ねながら、俺はゆっくりと目を閉じた。
そしてーー
「もしもし・・・・ねぇ君、大丈夫?」
誰かの呼ぶ声がした。
優しくて、それでいて芯のある女の子の声。聞き覚えがある。
ぼやけていた視界がはっきりしていき、俺はゆっくり目を開けた。
「え・・・あ・・・・えぇっ―――――!?」
思わず叫びそうになる口を、慌てて押さえる。
なぜなら―――。
俺の頭を柔らかい太ももに乗せ、心配そうにこちらを覗き込んでいるしている天沢がいたからだ。
「え、何.....え??どゆこと???」
この状況は一体なんなんだ???
こんなの、漫画の世界でしか存在しない嬉しい出来事じゃないか!?
俺は興奮しそうになる気持をどうにか抑え、すぐに起き上がった。
「あっ、だ‥大丈夫でござるる。ありがとうございましたでありありありありりまぁーーーーー」
そして俺は、すぐに彼女へ向かって堂々と土下座した。
「.............」
「.............」
あっ、しまった。
せっかく助けてくれたのに...。
せっかく心配しくれたのに...。
よりによって、なんでこんな意味不明な敬語でお礼を言っちまうんだ!!
土下座だけなら、まだしも何焦ってんだ。失礼にも程がある。.......カッコ悪。
「.....」
恐る遅る、ゆっくりと体を起こしてみると、天沢が驚いたように目をパチクリさせていた。
あっ、ほらね。
コレ終わったわー。絶対ドン引......。
「よかった~~~」
「…え??」
「怪我が治ったと思ったら、全然起き上がらないから心配したよ」
心配??天沢が……俺のことを?!!
俺の土下座&意味不明なお礼にドン引くどころか、本気で…嬉しそうに安堵している。
「あの……もしかしてだけど。俺のこと心配していた??」
「当たり前じゃない」
ーー困っている人を助けるのは助けるのが当たり前。
そんな言葉が、俺の頭をよぎった。
陰キャで、どうしようもない俺に、天沢は手を差し伸べてくれた。
彼女にとって、それは当たり前の行動なのかもしれない。
けど俺にとっては、まさに救いの天使…ーーー。
「.....?!」
あまりの嬉しさに感動しかけた時、俺はある違和感を覚えた。
「.......!!」
その違和感に気づいた俺は、天沢へ問いかける。
「あのう...つかぬ事をお尋ねしますけど」
「え?何?」
「今さっき、俺の怪我が治ったとかどうとか....」
「....?ええ。そうよ。言ったわ」
ハッキリと答える天沢の言葉に、俺は改めて自分の体を見た。
服は・・・・・汚れてない!??
そういえば、天沢から離れた時、普通に土下座できた。
試しに立ち上がってみるとーー普通に立てる!!?
「うそ...ありえない」
あれだけの激痛だったんだ。
しばらくは起き上がれない状態だったはず。
まさかと思うけど、あのエルフ....ーーー。
「な、なんだ??今度はなんだよ、ここ??」「ついさっきまで、屋上にいた筈なのに....」
「あの女といい、変な光といい、分けわかんねぇ」「何よコレ??なんなの???」
「どう見ても手品とか、じゃねぇよな」
不安と怯えの声が、嵐のような声が飛び交う。
ーーーそうだった。
あの光に吸い込まれたのは、何も俺と天沢だけじゃない。
屋上にいるみんなも一緒だった。
てかいうか、よく見ると校舎にいた他の生徒や教師たちまでもいる。
しかも周りをよく見回せば、俺たちがいるのは屋上ではなくーー豪華絢爛な大広間だった。
「ようこそ。我らの世界、我が国へ」
「「「「「「「「!!!!!!!!」」」」」」」」
突然の声に、俺含め全員が一斉に振り向く。
声の主は男だった。
しかも、ただの男じゃない。
中世ヨーロッパのような立派な服装。
立派な口髭。
丁寧に整えられた、肩にかかりそうな美しい銀髪。
威厳に満ちた大柄な体躯と顔つき。
日本人ではないことは明らかだった。
何より、一際目を引くのはーー派手すぎず、地味すぎず、気品に満ち溢れた冠。
どう見ても、どこかの国の偉い人ーーつまり王様なのは、一目瞭然だった。
そして、王様の隣には、ニッコリと微笑む女の子がいた。
よく見れば俺が、さっき助けたエルフじゃないか。
「歓迎します。異界に導かれし勇者たち」
......あれ?
普通に日本語で喋った!?......翻訳魔法?!
「おぉおーー、勇者…勇者様だああぁぁぁぁぁああーーー!!」
「しかも…こんなにたくさん!!う、うぅ…うおおぉおぉぉぉーーー」
「あぁ神様…..神様……」「この世界に希望が、生まれたぞぉぉおおおーー!!」
西洋甲冑のような鎧を纏った騎士や、神官めいた服装の者たちが、大歓声と共にどこからともなく現れた。
ある者は涙を流し、ある者は祈るように何かを唱え、またある者は聞き取れない言語を早口でまくしたてながら、一人ひとりと握手を交わしていく。ブツブツ言う人や何の躊躇もなく日本語じゃない言葉を早口に喋って一人一人と握手する人たち等々。
「「「「「「「「「「??????????????????????????????」」」」」」」」」」
突然始まった謎の歓迎の嵐。
まるで幻覚を見せられたように、クラス全員がフリーズしたように固まっていた。
ーーこの状況を理解できる、俺を除いて。
俺は"ある物"を探すため、広間を見回した。
「よし、あった」
目的の物ーー窓を見つけた俺は、すぐさま駆け寄る。
「え?!嘘でしょ…なに、コレ!?」
「っ!?」
気づけば、いつの間にか天沢が俺のすぐに立っていた。
二度も不意打ちに驚かされるとは。
…いや、嬉しいけど。だが、天沢も無理はない。
窓の向こうには、木造と石造りが織りなす、ヨーロッパ風の美しい街並の光景が広がっていた。
ーーただし、"普通の街”ではない。
宙に浮く島々。
箒や絨毯に乗って飛んでいる人々。
上空を飛び交う"鳥ではない何か"。
俺も目の前の光景に驚いていた。
「あ…あぁ…」
エルフ。王様。騎士。神官。
そして陽光に照らされた、幻想的すぎる景色。
これまで揃えば、答える一つしかない。
こんな世界観、日本中ーーいや、世界中を探したって存在しない。
「あぁ…俺は…ついに…」
込み上げる感情で、うまく言葉が出てこない。
涙まで滲んでくる。気持ちが溢れてくる。
言葉が出てこない。それどころか、涙さえ出てくる。
ありえない出来事が、ありえた。
一生叶わないと思っていた、"本当に生きたかった世界”が、今ここにある。
そして、始まるのだ。
ファンタジーではない。
本物の大冒険が。
俺だけの物語が、ついに幕を開ける。
剣と魔法が存在する、異なる世界。
その名も――――――。
「異世界!!…だったらいいのになァ」
ここまでが、プロローグ終了。
いかがだったでしょうか?
このあと、村山敏は思いもよらない行動をとります。
彼の今後の活躍は、また後ほど
それでは、本編へーーーー。




