同期や先輩との小さな衝突と和解
翌朝、結衣はいつも通り元気いっぱいに病棟へ向かった。茶髪にハイライトの髪を揺らし、ネイルも光る。昨日の患者対応で少しだけ認められたとはいえ、病棟の空気は相変わらず緊張感が漂っている。
「おはよーございまーす♡」
結衣の明るい声に、先輩ナースの高木は軽くため息をついた。
「…今日も元気ね」
佐藤は軽く目を細めながら、結衣に話しかけた。
「結衣、ちょっといいか。朝の申し送りはちゃんと確認してほしい」
「えー、でも昨日は大丈夫だったじゃん!」
結衣はいつものノリで答えるが、佐藤の真剣な顔を見て、少し反省する。
その直後、病棟に呼ばれた急患対応で小さな衝突が起きた。
高木先輩は指示を出すが、結衣は少し独断で動いてしまったのだ。
「ちょっと!勝手に動かないで!」
高木の声に、結衣はびくっとした。
「でも、あのままだと患者さんが危なかったんです!私、対応します!」
派手な言い方に、病棟の空気が一瞬ピリッとした。
同期の佐藤も冷静に声をかける。
「結衣、落ち着け。先輩の指示を無視するのはダメだ。けど…判断自体は悪くなかった」
結衣は少し胸の中で葛藤した。派手な見た目で軽く見られたくない、でもナースとして患者は守りたい…その間で揺れる。
結衣は深呼吸して、冷静に状況を整理した。
「わかりました、高木先輩。次はちゃんと報告します。でも、患者さんの安全は守ります」
高木は一瞬固まった後、少し笑みを浮かべた。
「…そう。判断力は認めるわ。次からは手順を守ること」
昼休み、結衣は後輩の森下杏奈と話していた。
「結衣先輩、すごかったです!怒られたけど、ちゃんと患者さん守ってて…かっこいいです♡」
結衣は少し照れながらも、笑顔で答えた。
「ありがと〜♡でもね、やっぱ仕事はチームプレイが大事だよ。私も先輩にちゃんと報告しながら動かないと」
午後、再び患者対応。昨日よりも落ち着いて行動する結衣の姿に、高木先輩も佐藤も少し感心する。結衣は派手な見た目と元気なノリを維持しつつ、チームとしての動きも意識するようになっていた。
その日の終わり、病棟の休憩室で結衣は小さな達成感に浸る。
「ふふ〜♡初日よりはマシにできたかな?あげ〜⤴︎︎⤴︎︎」
佐藤が軽く笑う。
「まあ、あんたらしい初章って感じだな」
高木先輩も微笑む。
「結衣さん…やっぱりただの派手ギャルじゃなかったわね」
こうして、結衣は同期や先輩との小さな衝突を経て、少しずつ信頼を積み重ねていく。ギャルのノリと有能さ、その両方を持つ新人ナースとして、病棟での存在感を確立し始めたのだった。




