バンケット⑷
ヘンロも少し休憩するために腰を下ろした。ナクトがやってきて赤ワインを差し出し、彼はグラスを受け取って飲み始めた。このワインは少し苦味が強く、今の彼の心情と重なるようだった。
「殿下…姫様は大丈夫でしょうか?」ナクトが小さな声で言った。
「大丈夫だと思うが…これ以上聞くと、ちょっと踏み込みすぎな気がするな…」
二人ともパーマシャ姫の方を眺め、彼女を少し心配そうに見つめた。ヘンロはワインを飲みながら、今日の演説のことを思い出していた。(本当に俺、衝動的すぎたのか…あんな場所を攻めようだなんて…本当に海を越えて攻められるのか…)その時、ナクトの言葉が彼の思考を遮った。
「殿下、ヘンサー陛下は本当に許可したんでしょうか…陛下はずっとあそこで酒を飲んで、時折大臣たちと話してるだけで…今日の殿下の発言にも特に反応を示してないみたいです。」
「うん…どうせ俺はあの人とあまり話さないし、何を考えてるのかも分からない。いつもああなんだ。」
(どうせ小さい頃からずっとこうだ…俺には全く理解できない。たぶん王兄と母上以外、誰もあの人を理解できないんだろうな。)ヘンロは遠くに座る父親を眺めながら考えた。
「殿下、それで、どこに行きたいんですか?」
「は? 何の話だ? 行くところなんてないだろ、ここに座ってるだけだ。」
「でも、なんだか陛下のところに行きたいような目をしてますよ。」
ヘンロはこの自分の心を見透かす相手にため息をつき、やや無力な表情で横目で彼を見た。
「なんでお前、なんでも分かるんだよ…」
「だって、長い付き合いですから。殿下の目は全部読めますよ。」ナクトは手を口に当てて小さく笑った。
「じゃあ…ちょっと父上のところに行ってくる。ついてこなくていいぞ。」
「了解しました。」
ヘンロは立ち上がり、父王のいる方へ向かった。しかし、実際に目の前に立つと緊張が押し寄せてきた。彼は父に礼をしてから、何か尋ねようと口を開き、しばらくしてから慎重に言葉を紡いだ。
「父、父上…今日の私の発言について、どのようにお考えでしょうか。あまりにも過激すぎましたか?」
「少しな。」ヘンサーはワイングラスを揺らし、ヘンロの方を見ずに答えた。
その言葉を聞いた瞬間、ヘンロはすぐに膝をついた。父を怒らせてしまったのではないかと恐れ、頭を下げ、手が震え、目を大きく見開き、額からは冷や汗が止まらず、心は混乱で思考が止まった。しかし、その時、ヘンサーが口を開いた。
「それがどうした? それはお前が自分で選んだ道だ。もう取り消すこともできない。行ってこい。」
ヘンロはこの言葉を聞いて一瞬顔を上げた。父が自分を責めると思っていたのに、こんなことを言うとは思わなかった。一瞬、父が本当に自分に権限をくれたのか、褒めているのかとさえ思った。しかし、よく考えれば、貴族や大臣の前で発言してしまった以上、取り返しがつかないから行かせているだけなのかもしれない。それでも彼はすぐに感謝の言葉を口にした。
「父上の支持に感謝します! 必ずあの場所を落とし、わが国の尊厳を取り戻します!」
「うむ。」
立ち上がったヘンロは父の目を見た。なぜかそこにはかすかな憂いがあったが、彼はそれ以上深く考えることはなかった。父が反対しなかった、それだけで十分だった。