嫌い
軍は城の外でずっと待ち続けている。勝利の希望はまだあるのか?彼は考え続けたが、これが最後の希望だった。
あの日起き、運命を捨ててから、人生は腐臭を放つものに変わった。
人生に意味不明な汚物を次々と加えてくる。あの神もそうだ。神を信じるって、こんなものなのか?
コヌクス、お前は一体どんな神だ。こんなにも崇拝したのに、結果はこんな惨めなものか。
「ロー、なぜ俺なんかに付き合うんだ…」
ジョンは無感情に言った。この自分が傷つけた男が、今も生きる理由を与えてくれている。なのに、俺は彼を散々虐げてきた。それでも彼は残ってくれた。彼はあんなにも強く、王国でも指折りの騎士に匹敵する才能を持っている。本来なら、こんな身分を捨てれば、もっと素晴らしい未来が待っていたはずなのに…。
だが、彼はいつもこう言う。
「殿下、俺はあなたの従者だからです。」
何度この言葉を聞いたか、ジョンももう数えられない。どんな悪事を働いても、ローはいつもそばにいた。
止めることも、諭すこともせず、ただ最後にジョンの後始末をしてくれる。誰も知らないが、彼は裏でどれだけ罵倒されてきたことか。
「ナイシャを生き返らせてくれないか…」
ジョンは絶対に叶わない願いを口にした。まるでローの限界を試すかのように。最も望むが、決して起こり得ないこと。
「……それはできません…」
予想通りの答えだった。当然だ。こんな突拍子もない要求は、王になっても叶えられない。夢の中でしか実現しないだろう。だが、彼はもう一つの要求を口にした。
「なら、この計画を実行した奴を殺してくれないか…」
同じ答えが返ってくると思っていた。だが、ローの表情は苦しげだった。彼は頭を下げ、しばらく考え込んだ後、ジョンを見た。目に浮かぶのは惜しみと別れのような感情だった。
「できます…しかし…」
この答えは全く予想外だった。ジョンが考えもしなかったことだ。まさかこの要求を受け入れるなんて。だが、なぜそんな顔をするんだ?
「しかし、なんだ?」
その「しかし」には何が込められているのか。ジョンは好奇心から軽く尋ねた。報酬が欲しいのか、何か要求があるのか?だが、ローはそんなものを求める男ではないと知っていた。
「この戦いが終わったら、実行します。でも今は、まず殿下の安全を守らなければなりません。」
ローらしい、いつも通りの率直さだった。昔から彼は何も求めず、ただ自分の役割を果たしてきた。彼に望みがあるようにすら見えない。そんな不思議な男だった。
「最低な奴…本当に嫌いだよ、お前…」
「はい。」




