「美しい夢」
「どうして失敗したんだ、ナクト?」
「ごめんなさい…」
私はそう謝った。失敗したからだ。十分に努力しなかったから、こんな罰を受けたんだ。
「怖がらなくていいよ。俺はお前をすごく愛してるんだ。失敗したのは残念だけど、よく頑張ったよ~」
私が尊敬する人はそう言って、満面の笑みを浮かべていた。彼は心からそう言っている。私のことを本当に愛してくれている、よね?
「失敗する奴なんて、たくさんいるよ。みんなくそくらえの失敗者だろ?」
「え?うん…」
その質問にどう答えたらいいかわからなかった。失敗する人がたくさんいる?みんなあんなに強いのに。試合で負けたのは私だ。
でも、なぜ私を罰しないんだろう。彼が私を愛しているから?
「ナクト、お前はいい子だ。このプレゼントをやるよ。これからもっと頑張るようにってな~」
私は手を伸ばし、その「大切な」プレゼントを受け取った。でも、触れた瞬間、手が震えた。
「震えるなよ。成功したら震えなくていいんだ。この素晴らしいプレゼントを見てみろよ。」
プレゼントを見ると、何かにぼやけたように見えて、はっきりしない。でも、背筋が凍るような感覚がした。
「ありがとう、"あなた"のプレゼント。でも、私…これ、要らないです…」
欲しくなかった。声が震えながら、プレゼントを返そうと、慎重にその卑屈な願いを口にした。
でも、顔を上げると、あれ、彼はどこに?
「うっ!」
腹部を強く蹴られた。痛い!すごく痛い!腹を抱え、唾液が止まらず流れ、目を細めると、彼の笑顔が上から見下ろしていた。
「どうして要らないんだ、俺のいい子。このプレゼントは俺がやったものだぞ?」
彼は優しく笑いながら尋ねた。目は穏やかだったが、どこか軽蔑が混じっていた。
「ごめんなさい…ちゃんと受け取ります…」
私は素直にそのプレゼントを受け取り、彼は満足したようにうなずいた。
装備を整えたけど、こんなものが私の身についていていいのか?そんなことを考えていた。
突然、彼が私の髪をつかみ、強く引っ張った。これは痛み?
いや、これは愛だよ、ナクト――
「ナクト、俺のこと愛してるか~?」
髪を引っ張られ、引き上げられて、その「優しい」視線と向き合った。彼は心からそう尋ねていた。
「はい…すごく愛してます、"あなた"を…」
そう、私はもちろん彼を愛してる。彼はいつも「世話」してくれる人だ。これは私への愛だよね。
「は~、本当に俺のいい子だ~。さあ、いつものようにやろうな~」
「はい…」
ナクトは突然目を覚ました。苦しそうに頭を抱え、口の中で何かを呟いていた。
「この夢は…なんでこんなにぼやけてるんだ…」
夢の内容を思い出そうとしたが、吐き気を催すような感覚がした。特にあの「プレゼント」は、本能的に拒絶したくなるものだった。
思い出したくなくても、いつも現れる。この洗い流せない夢は、あの「愛」と同じだ。
「うっ…痛い」
突然、腰に痛みが走った。触ると、虫が飛び込んできて噛んでいた。ナクトは虫をつかんで地面に投げ、踏み潰した。
腰の痛みはまだ続いていたが、どうすることもできず、ただ眠るしかなかった。ヘンリーをちらりと見ると、彼は幸せそうに笑いながら眠っていた。きっと良い夢を見ているんだろう。
ナクトは外の雨を眺めた。どうしてこんなに長く降り続けるんだろう。そう思いながら、毛布をかぶって再び眠りについた。




