気まずい告白
ヘンリーは目を大きく見開き、手に持っていた食べ物を食べる動作を止めた。なぜ知っているのか、心にそんな疑問が浮かんだ。明らかに直接話したことはなく、ただあの夜、彼が寝ているときにこっそり呟いただけだった。
だが、突然何かを思い出した彼は、恥ずかしさと衝撃を込めてナクトを見つめた。目には信じられないという表情が浮かんでいた。
「その夜…お前、寝てなかったのか!!!」
驚愕が込められた語気は、彼の気持ちを完全に表していた。自分はただ独り言を呟いただけだと思っていたのに、それがナクトに聞こえていた。それを今になって知り、心の中は恥ずかしさと気まずさでいっぱいだった。
ナクトはその夜を思い出し、優しい口調で言った。
「その夜は雷が鳴っていて、俺はまだそれを克服できていなかったんだ。まだそんなに早く成長できなくて、殿下の期待に応えられなくて申し訳ないよ。」
「いや…お前はもう十分だ。俺なんかよりずっと…」
ヘンリーの声にはわずかな悔しさが滲んでいた。ナクトに自分の本心を知られ、しかも慰められ、さらに自分の部下の将軍たちすら制御できない自分に、内心は最悪な気分だった。
そんな彼を見て、ナクトは膝を屈し、片膝をついて跪いた。彼が仕えるこの君主、彼の「殿下」を見つめ、隠していた行動を詫びた。
「それでも、俺が意識的に隠れて盗み聞きしたことについて謝罪します。本当に申し訳ありませんでした。殿下、どうか罰を与えてください。」
ヘンリーは彼を見た。少し不満を感じつつも、どこかほっとした気分だった。これは寛大さでも赦免でもなく、ナクトだけに対する特別な「包容」だった。どんなことがあっても、彼を信頼していた。 「ナクト、俺はお前を信頼している。不満は少しあるが、俺がお前を罰しないことはわかっているだろう?」
ヘンリーはいつものようにそう言った。ナクトを罰することはない。しかし、今回はナクトがいつもと違い、これまでのヘンリーに対する軽い遊び心のある口調を収め、真剣に罰を求めた。
「いいえ、殿下、どうか必ず俺を罰してください。」
その要求にヘンリーは困惑した。これまでは笑って済ませていたのに、なぜ今回はこんなに頑ななのか。すでに許したのに、なぜそんな要求をするのか。
「なぜ必ず罰を受けなければならないんだ?」
「それは、ヘンリー、あなたが王としての『威厳』を持つためです。」




