良い知らせ
「将軍、ヘンリー陛下からまた伝言が来ました。攻城に協力してほしいそうです」
「またか?しつこいな、まったく」
ホブムは再びヘンリーからの伝言を受け取り、攻城の協力を求められたが、彼は全く協力する気などなかった。面倒を避けるため、適当に500の兵力をヘンリーに送ることにした。
「これで十分だろ。あの小国の王はほんと面倒くさいな」
彼はぶつぶつと不満を漏らした。もしヘンリーが攻城にこだわるなら、元々計画していた包囲作戦を変更せざるを得なくなる。
「ヘンサー王が次男を王に据えるなんてな。ヘック殿下が惜しいよ。でなきゃ、王位は間違いなく彼のものだったろうに」
「じゃあ、伝言を伝えに行きますか?」
「カト、お前が行ってくれ」
カトは将軍の命令を受け、ヘンリーに伝言を伝えるために出発した。一方、ヘンリーはテントの中で、ナクトとどう話すべきか悩んでいた。
「やれやれ、ナクトはまだ怒ってるかな…謝った方がいい?いや、それじゃ彼は自分のせいだと思うだけか…」
その時、兵士がテントに入ってきて、将軍の使者が伝言を持って来たことを報告した。ヘンリーはすぐにカトを呼び入れるよう命じた。
「陛下、初めまして。私はホブム将軍の副官、カトと申します。将軍の伝言をお伝えに来ました」
「将軍は何と言っている?」
「将軍は陛下の軍に500の兵力を支援する意向です」
ヘンリーはこの知らせに大いに喜んだ。これで攻城のための兵力が増える。しかし、将軍の今後の計画がどうなるのか、少し心配でもあった。彼は軽く尋ねてみた。
「それで、将軍の計画は変更されるのか?」
カトは少し考えたが、ヘンリーに正確な答えを返すことはできなかった。将軍は確かに戦略を変更するつもりかもしれないが、まだ具体的に話していない。
「どうでしょう…将軍は考えてるかもしれませんが、今のところその後の計画は私も知らないので、はっきりお答えできず、申し訳ありません」
「そうか。それなら、まずは将軍の500の兵力に感謝するよ」
その時、ナクトがテントに入ってきた。他にもヘンリーと話し合うことがあったが、カトを見て、自分が話を遮ってしまったことに気づいた。
「カト様?お話を邪魔してしまい、申し訳ありません。いらっしゃるとは知らず…」
「ヘンリー陛下の従者の方ですね。私はただ伝言を伝えに来ただけなので、気にしないでください」
ヘンリーは二人のやり取りを見て少し不思議に思った。まさか二人が知り合いだとは。
「ナクト、この人と知り合いなのか?」
「はい、以前、将軍の陣営でカト様に案内してもらったんです」
「なるほど、だからか」
ヘンリーがナクトに、将軍が500の兵力を支援してくれると話すと、ナクトは少し驚いた。ホブムのこれまでの態度を思い返すと、今になって兵を出すなんて、疑念を抱かずにはいられなかった。
「カト様、将軍は何かの刺激を受けたんですか?」
ナクトの言葉に、カトは思わず笑い、手を振って答えた。
「ハハハ――ナクト様、ユーモアがありますね。いやいや、ただ、陛下が攻城を強行するなら、包囲作戦は通じないですよね。それに、陛下の計画は時間も短い。将軍も一歩譲ったってだけですよ」
ナクトは少し考え、疑う必要もないと感じた。自分が考えすぎだった。将軍は軍事に関しては嘘をつかないし、そもそも目標は同じだ。ヘンリーの計画が将軍のものより早く進むなら、調整するのは当然のことだ。
「カト様は正直な方ですね。私が考えすぎでした」




