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ランクチェス王記  作者: 北川 零
第一章 ヨハン親王
27/114

「紅の莎」⑴

「ジョン、見て!これ、私が家から持ってきた服だよ~かっこいいでしょ!」

ネッサが持ってきた服はどれも精巧で、他の王国のものも含め、専属の職人が作ったものだった。ジョンは白い礼服を着てみた。金糸で縫われた花模様が施され、豪華な雰囲気を漂わせていた。白い手袋には金のユリの模様があり、最後にメイドたちが白い長靴を履かせてくれた。ジョンに着せた服はぴったりで、王家の気品を放っていた。全身白の装いは、まるで絵本から出てきた王子そのものだった。見識の広いネッサでさえ、思わず見とれてしまった。


「ど…どうかな…似合ってる?なんで何も言わないの…僕に似合ってない?」

ジョンは少し不安そうに、ぼうっとしているネッサに尋ねた。彼女はジョンのこの姿に驚き、こんなに似合うとは思っていなかった。


「ジョン、めっちゃかっこいい!!全然似合ってないなんてことないよ!!!」


「ほんと?騙してないよね…」


褒められてジョンは顔を赤らめ、心から嬉しく思った。こんな風に褒められるとは思っていなかったのだ。


「本当だよ!ジョン、今夜うちで夕飯食べない?父上と母上にもこの礼服のジョンを見せてあげたいな!」


隣で聞いていたローの表情が微妙に変わった。何か言いたそうだったが、結局口には出さなかった。一方、ジョンはそれを聞いて大喜びした。


「いいの!?ネッサの家に行きたい!!」


彼はローを見た。ローも一緒でないと行けないからだ。ローはただ頷いたが、どこか憂いのある表情で、何か起こりそうな予感がした。

「ローもOKって!じゃあ今夜、ネッサの家に行くね!!ネッサの両親にも久しぶりに会いたい!!」

「二人ともきっとジョンに会いたがってるよ!」


それは変わるだろう。ジョンの人生を変える選択だ。この選択によって、彼はこの年頃では見るべきでないものを見てしまうかもしれない。それを見せないようにすればいい。できる限り避けなければ。


宮殿の外では馬車がすでに用意されていた。ネッサとジョンは嬉しそうに門の外の馬車に駆け寄った。メイドたちはその様子を見て、転ばないかと心配し、大声で注意した。


「殿下、お嬢様!!気をつけて、転ばないでくださいね!!!」


ローはメイドたちと一緒に馬車に向かい、ジョンが脱いだ服を抱え、ネッサの荷物も持っていた。荷物が多くて前が見えないほどだった。メイドの何人かが手伝おうとした。


「ロー様、私が少し荷物を持ちますよ」

「いや、大丈夫だ。君たちは殿下とお嬢様を見ててくれ。これくらいなら僕が持つよ」

「了解です。お疲れ様です」


メイドたちは急いでジョンたちに追いついた。彼らが転んだらメイドたちは大変なことになり、罰を受けるかもしれない。使用人たちが馬車のドアを開け、二人を乗せた。メイドたちはそれを見てほっと一息ついた。ローはゆっくりと後から続き、服を馬車の後ろに置いた。馬車の中では二人が楽しそうに話していた。


「ロー、ありがとう!」

「うん…」


服を整理して置いた後、ローは後ろの馬に乗り、馬車についてネッサの家に向かった。道中、空には虹がかかり、小鳥が飛び、湖畔は夕陽に照らされて星のような光を放っていた。まるで七色のガラスのように輝いていた。


「ジョン、見て!虹だよ!めっちゃ綺麗!」

ネッサは窓に寄りかかり、美しい虹を見ていた。夕陽の赤い光が彼女の顔に映り、なんて美しいことか。白いロングドレスを着て、頭には銀の孔雀の飾りをつけ、ジョンの白い礼服とまるで天から与えられた一対のようだった。馬車の中の二人はまるで結婚式の新郎新婦のように、完璧に調和していた。


ジョンも窓の外を見た。確かに外の景色は美しかったが、彼の目はネッサに注がれていた。

なんて綺麗なんだ…ネッサは本当に僕の未来の妻になるのか…

彼女はきっと僕の人生で唯一好きな人だ…


「ネッサ!」


ジョンが突然大声で呼ぶと、ネッサは驚いて体を震わせ、すぐに振り返ってジョンを見た。

「ジョン、なに!?」

言葉を終える前に、彼女が見たのは真っ赤な顔のジョンだった。ジョンは突然彼女の手を握り、純粋な目でしっかりと彼女を見つめた。


「ジョン…どうしたの?」


「ネッサ!僕…僕…大好きだよ!!めっちゃ好き!!ずっと一緒にいようね!!!いいよね!!!」


恥ずかしがりながらも顔を真っ赤にして勇敢に告白するジョンを見て、彼女も応えた。もう片方の手でジョンの手を握り、天使のような甘い笑顔を見せた。

「もちろんよ、絶対一緒にいるよ。ずっとそばにいるから!ジョンは私のジョンだよ!永遠に!」


夕陽の余韻が馬車の中を照らし、二人がつけていたブレスレットも光を浴びてきらめいた。宝石は輝き、まるで二人を祝福しているようだった。互いに愛し合う心は、どんなに若くても、この約束を守るだろう。


結婚するまで――

共に老いるまで――

永遠に――


二人は笑顔で互いの愛を受け入れ、それはとても純粋な愛、純真な両想いだった。世俗の要素は一切なく、ただ二人だけの感情がそこにあった。これは運命が結びつけた恋だった。


きっと神もこの二人を祝福するだろう。そして運命は必ず「応え」をもたらす。

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