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神戸のラストフロンティアの考察

 神戸市は震災後急速な復旧を成し遂げたが、その復旧は大いなる代償を伴っており、他の主要都市に比べ再開発が四半世紀ほど遅れていた。2021年竣工のEKIZOを皮切りにJR三ノ宮駅ビル、雲井通のバスターミナルのタワー、神戸市役所二号館の140〜160mの超高層ビルが2020年代後半に竣工します。また、もう一棟の雲井通バスターミナルタワー(ツインタワーとなる予定である)、神戸阪急百貨店西館(旧そごう)、三宮本通ビルの再開発も規模こそ不明なもののそれに続くことが分かっている。


 しかし未ださんセンタープラザ及びグレース神戸ビルの再開発の目処は全く立っている。築50年前後で、阪神淡路大震災でも一部崩落した為再開発は急を要する事案でありながら400人という膨大な数の地権者で成り立っている為一向に意見が纏まらないのである。これらの敷地面積の合計は2万㎡弱、延べ床面積は14万㎡にも及ぶ超巨大施設でそこは「神戸のラストフロンティア」と呼べる。


 ここの再開発は非常に大きなポテンシャルを持っている。一つ目は施設そのものである。ここはアニメイト、駿河屋やジュンク堂など、サブカル文化の店舗が集積し、関西では日本橋に次ぐ「オタク街」を形成している。地下にはレトロな飲食店街も広がっている。観光人気が関西で唯一ない神戸にとっては、再整備でインバウンド需要を呼び込めるチャンスなのだ。


 二つ目は立地の良さである。神戸の中心の三ノ宮に位置していることは勿論、神戸空港の国際化とそれに伴い地下鉄の新線を建設することが検討されており、その際地下鉄の駅を併設可能な土地なのである。


ここでこれらをまとめ、この巨大再開発の理想的な概要を考察していこうと思う。まず上限の延べ床面積からだが、グレース神戸ビルの容積率の上限が800%、さんセンタープラザの上限が900%である。ここから導かれる延べ床面積の上限は16万〜17万㎡となっている。何故曖昧な数字なのかというと、地下では容積率が地上の2/3で済み、地下の床面積次第で上限が変わるからという理由である。


 まず最初にそこから前回扱ったレジデンス部分を2万㎡組み込む。この時点で残り15万㎡。次に現在センタープラザに入っているオフィスを、少し拡張した2万㎡にして盛り込む。上限は13万㎡。ここからが難しいのである。


 13万㎡という規模は、現在の商業施設部分と殆ど変わらない。地下鉄の駅を盛り込むことを考えると、寧ろ現在より商業施設部分は狭くなる。


 現在のプラザ内は通路が現代の大型商業施設に比べ狭く、それを拡張したり、観光客向けにちょっとしたホテルやライブホール、展示場を盛り込もうとすると少し足りない。現在上層階を中心に空きテナントがよく見られ、さらに駐車場もある。それが無くなるならそんなもんと思うかもしれないが、それでも上記のものを満たすにはやっぱり狭すぎる。そもそも、再開発をすれば多少は需要が増える。となればレジデンス部分を捨てるか、取捨選択を迫られることとなってしまうだろう。


 次に高さだ。あのエリアでは高さ160mちょっとまでしか建てられない。それに収めようと思えば出来るだろうが、神戸のエンタメの中心となる存在としては、近くに190mのタワマンが立っていることもありやはり少し足りない気がする。


現在の規制に沿えば上記が限界なのだろうが、やはりもう一息欲しいところである。容積率高さ制限ともに国や空港によるどうしようもない規制であったならともかく、これらの制限の決定権は神戸市にある。完全に撤廃する必要はないと思うがせめて当該地区に関しては特例で、容積率1000%及び建築上限200mくらいにはして欲しいものである。

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