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タワマン制限で勘違いされがちのこと

 神戸都心即ち三ノ宮に於ける街の特徴と言われて何を思い浮かべるであろうか?再開発などが好きな人は真っ先にタワマン制限を思いつくであろう。神戸都心でタワマン制限がかかっていることはこの手の内容に多少でも興味があれば知っている代物だと思う。

 しかしこの制限について勘違いされがちなことがある。それは「完全に」タワマンを立てられなくなったわけではないのだ。

 勿論駅周辺のごく狭いエリアは完全に禁止されている。しかしそのエリアは元よりマンションなど存在せず再開発でもそういう案が上がらないほどの駅前なのでそれは除外する。

 しかし規制のかかる神戸駅から新神戸駅にかかる広大なエリアはそうではないのだ。そのエリアでは完全にマンションが建てられない訳ではなく容積率が400%までなだけなのだ。容積率とは敷地面積に対する床面積の割合を示す。例えば、建物の面積が敷地面積の半分で、建物が1階から最上階まで全て同じ面積の場合、この容積率400%だと8階が上限となる。勿論敷地面積が広大で、建物の面積が狭ければタワマンは建てられるだろうが、百万都市の神戸都心では現実的ではない。その為、神戸では事実上タワマンを建てられないと言われているのだ。

 しかしここにはからくりがある。容積率400%は「住居部の」容積率なのである。つまり住居部ではない、オフィスやホテルなどの超高層ビルの上部にちょろっとある、麻布台ヒルズのような形式での超高層レジデンスは認められているのだ。

 だが、このタイプのレジデンスを建てるには条件が二つある。一つは広域の再開発を要する地域であること。幾ら上層部の数階だけとはいえ床面積は大きいに越したことはない。そもそも、ある程度敷地がなければ超高層ビル自体建てられない。もう一つは好立地であること。アクセスの悪い土地に建てても行く末は廃墟である。

 この条件を満たす神戸都心の土地は二ヶ所ある。一つ目はセンタープラザ西館・グレース神戸ビルである。この二つの建物はセンター街の西端部に位置しており、どちらも築半世紀程度で旧耐震の要再開発のビルで合計すると敷地面積は5000㎡以上、延床面積は4.6万㎡の大規模商業施設である。同じセンター街の大規模な古いビルでもでもセンタープラザとさんプラザは完全に建てられないエリアに位置しているが何故かこっちは建てられるようになっている。センタープラザには19階の高層オフィスがあり、この地域を一体的に再開発するならばそこのテナントを丸々飲み込め、そもそも三ノ宮駅から徒歩数分圏内の繁華街に位置している為需要も十二分にある。ただしここに超高層ビルを建てるとなると問題が2つあり、1つはセンター街のアーケードを跨いでその上に超高層ビルを建てなければならないという非常に複雑な構造になるということである。もう1つは地権者が非常に多くそもそも再開発が必要と分かっていながらも一向に再開発を行う目処が立っていないことである。これを纏めるのは森ビルが得意としていそうなことではある。最も、個人的に森ビルはあまり好きではないのだが。

 二つ目は兵庫県庁である。兵庫県庁舎は老朽化で再開発を要しているのだが、井戸前県知事から斉藤県知事に入れ替わり方向がコロコロ変わったことで有名である。井戸前県知事は1000億円をかけた超高額の案で斉藤県知事は当初ただの緑地にしてしまうという0か100かという極端な両案だったのだが、500億円くらいで庁舎を建て替えるという妥当なところに行き着いている。額面は定まったとはいえ、どのような建物にするか全く定まっていない為、ここにレジデンスをねじ込むことも可能なのである。県庁舎にマンション?と思うかもしれないが神戸市役所二号館の新庁舎は大部分がホテルであったり官民融合が増えつつある為そこまで無理はないように思える。肝心の敷地面積は2万㎡を超え、容積率400%で計算すると10万㎡弱もありそもそも敷地内にタワマン一棟建てれる程である。

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