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ドアをノックして中に入ると、奈々ちゃんはまだベッドで眠っていた。
でも今日は珍しく、きちんと毛布をかぶって真っ直ぐな姿勢で眠っている。
土曜日に俺が、『キスして起こす』って言ったこと、忘れちゃったのかなぁ?
『絶対起きる』って宣言してたのに…
まさか、今日もまだ寝てるとは思わなかったから、調子が狂う。
そう思いながら、俺は彼女のベッドに近づいた。
奈々ちゃんは、全然起きる気配がない。
「……………奈々ちゃん?
起きないと、マジでキスしちゃうよ?」
呼びかけてみるが、奈々ちゃんの瞳は閉じられたままだ。
これって、もしかして………
一つの考えが浮かんで、俺は、彼女をじっと見つめた。
………やっぱり。
微かにまつげが震えている。
これって、もしかして…狸寝入り?
奈々ちゃん………。
いいの………?
彼女の狸寝入りが意味することを推測して、嬉しくて心が震えた。
キス……しても、いいんだよね?
胸がドキドキして、同時に体温が上がった気がする。
俺は、彼女の気持ちを確認するように、ゆっくりと、彼女の頭の横に手をついた。
ギシッとベッドが音を立てる。
俺は彼女の顔をすぐ上から眺めながら、顔を近づけた。
彼女の唇まで、あと数センチ………
俺はそこで一旦動きを止めると、奈々ちゃんをじっと見つめる。
「奈々ちゃん、好きだよ……」
優しく呼びかけると、奈々ちゃんはそ~っと瞳を開いて、恥ずかしそうに俺を見つめた。
「央太………私も。好き」
俺は微笑むと、あと数センチの距離を一気に縮めて、奈々ちゃんの唇に優しく触れるだけのキスをした。
目を開けた俺の視界には、うっすら頬を染めて俺を見つめる奈々ちゃんの顔が映る。
瞳が揺れて、ものすごく可愛い。
俺の胸のドキドキはもう、どっくんどっくんに変わっている。
頭にカーッと血が上り、体が熱くてしょうがなかった。
俺はもう一度、今度はもう少し長く、奈々ちゃんの唇に自分のを重ねた。
たっぷり3秒たってから、ゆっくりと唇を離す。
「~~~~央太ぁ~………」
はっと気づくと、奈々ちゃんは、瞳に涙をためて、今にも泣き出しそうだ。
「わぁっ!ごめん!!」
めったに泣かない彼女の涙に、俺は焦ってしまう。
我を忘れて、つい、夢中になりすぎた!
「ごめんね!
そんなに嫌だった?
もうしなから……」
「やだ」
「え?」
「もっとして」
「うっ!」
今のは………
真下から、奈々ちゃんのウルウルの瞳に上目遣いで見つめられて、暴走しそうだ。
落ち着け俺……。
肩で大きく息をする。
すぅ~~~はぁ~~~~
「……央太?」
奈々ちゃんが俺の様子を心配して、かわいい声で俺の名前を呼ぶ。
奈々ちゃん……
君は、天使の顔をした悪魔なのかもしれないね。
でも君になら、俺は魂を抜かれてもいい。
俺は一つ息を吐くと、ベッドに寝ている奈々ちゃんをぎゅっと抱きしめた。
大好きな彼女が、俺の腕の中にいることに、言い表せないほどの喜びを感じる。
俺は、奈々ちゃんのかわいい唇に飽きることなくキスを繰り返す。
俺の腕の中の彼女は、頬を染めて、天使のような顔で無邪気に微笑んだ。
END
~あとがき~
最後まで読んでくださって、ありがとうございます
今回は、『私の隣』の央太くんが主人公、
奈々ちゃんと央太くんのその後のお話でした。
恋人同士になった二人の初デートを書こうと思ったんですが、なんかキスがメインだったような…。
央太くんは、奈々ちゃんの行動に一喜一憂する、かわいい男の子をイメージして書いたんですが、Sだね…と言われてしまいました。
みなさんは、どんな男の子を想像されましたか?
いつものことですが、今回は特に、最後のページをまとめるのに時間がかかってしまいました。
もっと言葉を勉強しないといけませんね(;^_^A
この二人のお話は、まだまだ続いていくと思いますので、続編がでた時は、よろしくお願いします!
感想や応援など頂けると、とても嬉しいです。
それでは、次のお話もぜひ見にきてくださいね。
H22.10.10 さやぽこ
R24.8.22 転記




