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央太くんが主人公。二人のデートのお話です。
よかったら読んでください。
土曜日の朝。
俺は、隣に住む幼なじみの家を訪ねた。
といっても、ただの幼なじみだったのはつい昨日までのことで、今は奈々ちゃんは俺の彼女だ。
今日は高校は休みだけど、奈々ちゃんがどこかに出かけたいというので、俺はこうして朝早くからやってきた。
いつものように、奈々ちゃんの家の玄関のドアを開けて、大きな声であいさつをする。
「おはようございま~す」
「あら、央ちゃんおはよ~。
奈々ならまだ寝てるから、お願いね~」
リビングから、奈々ちゃんのお母さんの声が聞こえた。
毎朝起こしにくるので、奈々ちゃんの家の玄関は、顔パスならぬ声パスだ。
俺はそのまま二階へ階段を上り、奈々ちゃんの部屋のドアをノックした。
こんこん。
予想通り、返事はない。
ドアを開けて中に入ると、奈々ちゃんはベッドに仰向けになって、軽く万歳をしたポーズで眠っていた。
無防備な彼女の寝姿など、これまで何回みたことか…。
なのに、今さら見慣れているはずの奈々ちゃんの寝姿を見て、自分が赤くなっているのを自覚した。
自分の彼女だから、変な気分になるのかな……
何をしても許されるような……
いや、そんなことはないだろうけどさ。
一人でつっこみを入れてしまう。
奈々ちゃんは寝相が悪いから、いつも毛布はほとんど床に落ちている。
さらに今日は、水色の水玉柄のパジャマが、かなり上までめくれて、奈々ちゃんの白いお腹が見えていた…。
「……………………」
俺は、なんとも無防備な彼女の寝姿を、ちょっとだけ堪能した。
その後で、そっとパジャマの乱れを直してあげる。
「…寒いのに、お腹出してると風邪引くよ。」
すると、奈々ちゃんがもぞもぞと寝返りを打った。
あ、起きたかな?
「ん~…お~たぁ~……すきぃ~…」
奈々ちゃんは、甘えたような舌っ足らずな声で寝言を言うと、体を横にむけてまた眠ってしまった。
…………………。
そのセリフは反則だよ…奈々ちゃん…
胸が、ドキドキしている。
「……そんなに無防備に寝てていいの?」
目の前で、自分の彼女が眠っていて、しかもかわいい寝言まで言ってくれて…。
こんな状況で、なにもしないでいられる男がいるんだろうか?
俺には………無理。
俺は、彼女に手を伸ばしたい衝動を抑えることができなかった。