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落語【声劇台本書き起こし】

落語声劇「青菜」

作者: 霧夜シオン
掲載日:2024/06/25


落語声劇「青菜(あおな)」


台本化:霧夜(きりや)シオン@吟囁亭喃咄(ぎんじょうていなんとつ)


所要時間:約35分


必要演者数:最低3名

      (0:0:3)

      (3:0:0)

      (2:1:0)【性別準拠人数比率】

      (1:2:0)

      (0:3:0)


※当台本は落語を声劇台本として書き起こしたものです。

よって、性別は全て不問とさせていただきます。

(創作落語や合作などの落語声劇台本はその限りではありません。)


●登場人物


植木屋(うえきや):裕福なお屋敷に出入りしている植木屋さん。


ご隠居(いんきょ):裕福なお屋敷の主。植木屋さんを雇(やと)っている。


隠居奥:ご隠居の奥様。三つ指ついてお出迎え。


植木屋(うえきや)妻:植木屋の妻。ざっくばらんな性格。


辰公(たつこう):植木屋の友人の大工。



●配役例

植木屋:

ご隠居・辰公:

隠居奥・植木屋妻:


※枕は誰かが兼ねて下さい。



枕:最近の夏はことのほか暑いですね。年々平均気温が上がって来てます

  。物価も上がって来てます。税金も公共料金も上がってます。

  上がるのは給料所得だけにしてほしいもんですな。

  夏の暑さにも我々人間と同じで名前がついてます。

  猛暑、酷暑(こくしょ)、大暑(たいしょ)…ちょいと耳慣れないものだと、激暑(げきしょ)、厳暑(げんしょ)、炎暑(えんしょ)

  …どっちにしてもあまり聞きたくない名前ですな。

  まあそんな事を言っていじめだと思われて暑さを怒らせてもいけませ

  んからそのくらいにしておきましょう。

  江戸時代は小さな氷河期、つまり小氷期(しょうひょうき)と呼ばれる時代でもありまし

  たが、夏が冷夏(れいか)ばかりだったかというと決してそうではなかったよう

  です。

  ドイツのシーボルト、医師にして博物学者で有名な方ですな。

  彼が1861年に江戸に滞在(たいざい)していた頃、温度計観測の結果こんな言

  葉を残してます。

  「七月と八月、江戸湾と江戸および周辺では高温。ときには木陰(こかげ)でも

  摂氏(せっし)約三四・四度まで達することがある。絶えず南と南東の風が吹く

  。」だそうです。

  現代に匹敵(ひってき)する恐ろしい暑さですね。

  勿論(もちろん)、自然の気候変動が大きな原因であったことは言うまでもない事

  かと思いますが、その他にも意外な人為(じんい)的原因があったんだそうで。

  さきのシーボルトさんはこう続けてます。

  「原因として、この風は地表(ちひょう)の空気が、黒くて厚い屋根瓦(やねがわら)によって

  異常なほど暖められた当然の結果である。この黒い屋根瓦(やねがわら)は巨大なる

  都市の数マイルにも及ぶ面積を覆(おお)っている。」

  …。

  確かに黒いものは熱を吸収しますが、まさかの原因でしたね。

  それに幕末の江戸の人口密度は現代よりも密集していたんだとか。

  その人口が日に数度、かまどを使って火を起こして…と考えると、

  空恐(そらおそ)ろしいものがありますな。

  さて、そんな江戸の昔、ある裕福なお屋敷で仕事をしている植木屋(うえきや)が

  いまして。


ご隠居:植木屋(うえきや)さん、ご精(せい)が出ますな。


植木屋:おっ、どうも旦那(だんな)ですか!

    いやあ、そこで旦那が涼(すず)んでらっしゃるのを気づきませんで、

    どうも失礼をしました。


ご隠居:貴方(あなた)がこのところ、毎日毎日うちに来て仕事をしてくださる。

    誠(まこと)に心持(こころも)ちが良い。

    それにまた、貴方(あなた)が水を撒(ま)いて下さると、これがまたとても良い

    。

    うちの女どもに任せますとね、水たまりばかりこしらえて、

    どうも思うように水が行きわたらない。

    貴方(あなた)が水を撒(ま)くと、まるで夕立が過ぎた後のように

    庭じゅうくまなく行きわたる。

    青い葉から雫(しずく)が落ちて、そこを通してくる風は涼しいですな。

    

植木屋:いえいえそんな!

    あっしもこうやってお屋敷で仕事させていただいておりますから

    涼しさのご相伴(しょうばん)にあずかっているようなもので。

    うちの家なんて、風が時々しか来ないもんですからしんどいんで

    すよ。

    何しろ住んでる所が長屋(ながや)の一番奥の更に突き当たりですから、

    たとえ風が吹いたって長屋(ながや)の羽目(はめ)に引(ひ)っ擦(こす)り、

    板塀(いたべい)越して曲がりくねったあげくにやっと届くんです。    

    そんなだから風がうちのとこに御免(ごめん)くださいする頃には、

    もうすっかり生暖かくなってますからね。

    こういう風が吹くようじゃ、今晩あたり化け猫でも出るんじゃね

    えかって思うような、そんな風になりますよ。


ご隠居:化け猫が出る風と言うのは面白いですな。

    時に植木屋(うえきや)さん、貴方(あなた)はご酒(しゅ)はお好きですかな?


植木屋:へっ? ご酒(しゅ)ってぇと、酒(さけ)ですか?

    あっしぁ酒ときたらもう、あるってぇとあるだけ呑(の)んじまうんで

    すよ。


ご隠居:ほう、何ですかな、そのあるだけ吞(の)むというのは。


植木屋:えぇですからね、一両あったら一両呑(いちりょうの)んじまう。

    二両持ってたら二両吞(にりょうの)んじまう。

    十文(じゅうもん)しか無(ね)えってなったら、何とか酒屋に無理矢理(むりやり)頼み込んで、

    一滴(いってき)でもいいから売ってもらおうってなるんです。


ご隠居:なるほど…それは本当にお好きなんですな。

    実は今、こうやって庭を眺(なが)めながら涼んで、一杯やっていたとこ

    でね。


植木屋:一杯? あぁそうですかぁ!

    するってぇと旦那(だんな)も酒がよほどお好きな方で?


ご隠居:いやいや、よほど好きと言うほどの事もありませんな。

    こんな風情(ふぜい)で庭を眺(なが)めながら…ちょいと舐(な)めるなどというのは、

    乙(おつ)なもんですからな。

    どうです? 私が一口(ひとくち)付けただけですが、もし失礼でなかったら

    、あとは貴方(あなた)が片付けて下さらんかな?


植木屋:えっ?

    片付けてってぇと、あっしにご馳走(ちそう)して下さるんですか?

    いえね、そりゃあ好きですから、勧(すす)められて断った事はないんで

    すけどね。

    それに、今日の分はそろそろ終わろうかなと思っちゃあいたんで

    すが、まだ仕事中ですからね。

    お断りします、って立派に言ってのけてえんですが、

    あっしがいくら言ったって、肚(はら)ん中が黙ってねえんですよ。

    お断りしますって言った途端(とたん)に肚(はら)ん中から「いただいておきなさ

    い」なんて声が聞こえるってェと揉(も)め事の元になりますからね。

    ここは素直(すなお)に頂戴致(ちょうだいいた)しやす。


ご隠居:そうですか、そうしてくだすった方が私も嬉(うれ)しい。

    さあさあどうぞこちらへ、遠慮(えんりょ)なくお掛けになって、

    そのガラスのコップでおあがんなさい。


植木屋:えっ、ガラスのコップ?

    これやっぱりガラスのコップでいいんですか?

    コップって言うのかな、それとも猪口(ちょこ)って言うのかな、

    どっちかなって思ったんですが、そうですか。

    じゃ、この洒落(しゃれ)たので頂戴(ちょうだい)させていただきます。


ご隠居:それは上方(かみがた)の友人から届いた、柳蔭(やなぎかげ)という酒でね。


植木屋:柳蔭(やなぎかげ)、へぇ…柳蔭(やなぎかげ)ってぇとあれですね、

    なんだか幽霊が出て来そうですね。

    じゃ、頂戴(ちょうだい)いたしやす。


    【一口飲む】


    旦那(だんな)、これ 直(なお)しじゃありませんか?


ご隠居:そうですな、こちらの方では直(なお)しと言いますが、

    上方(かみがた)では柳蔭(やなぎかげ)と言っております。


植木屋:はぁはぁはぁ、一つの物が所が変わると呼び名が変わるってのは

    よくありますね。

    難波(なにわ)の葦(あし)も伊勢(いせ)では浜荻(はまおぎ)なんて言いますが、その口ですね。

    へえ…そうですかぁ。

    だけど旦那(だんな)、なんですね。

    こういう時にこういうものもなかなか乙(おつ)なもんですね、これ。

    驚きました。

    さっぱりしてていいですよ。

    【一口飲んでつぶやく】

    うめぇや、これ。

    それによく冷えてますね。


ご隠居:いやいや、さほど冷えていると言うほどの事もないんだが、

    貴方(あなた)は今まで日向(ひなた)で仕事をしていたので、口の中に熱がある。

    それで、そんなものでも冷えて冷たいと感じるのでしょうな。


植木屋:あぁ~なるほど。

    そういやそうですね。日向(ひなた)で仕事をしていたから口の中に熱が、

    あ、そういやなんだかね、口の中がねばねばねばねばしてますか

    らね、ええ。

    【一口飲んで】

    旦那、これ美味(うま)い酒ですよ。こりゃあうめえや。


ご隠居:そうそう、そこに鯉(こい)の洗いがあるから、おあがんなさい。


植木屋:へ? 鯉(こい)の…?

    これ、鯉(こい)の洗いですか?

    いえさっきからね、なんかあるなって思ってたんですけどね。

    面目(めんぼく)ねえんですが、あっしはこの年になるまで鯉(こい)の洗いってもの

    は頂戴(ちょうだい)したことがねえんですよ。

    なにぶん、初めてなんで食い方がよく分からねえんですが、

    その、どうするんで?


ご隠居:ああ、そこの味噌(みそ)に付けていただくんですよ。


植木屋:あ、これに…。

    あっしは今まで、鯉(こい)ってのは黒いもんだとばかり思ってました。

    ずいぶん白くなりましたねこれ。

    何でしょうね、これだけ洗うにはずいぶん石鹸(せっけん)を使ったんじゃな

    いですかね?


ご隠居:いやいや、洗いと言っても、別に洗濯をしたわけじゃありません

    から。

    黒いのは皮だけで、身は白いんですよ。

    ま、外套(がいとう)のようなものですな。


植木屋:あ、皮ですか!

    いやあどうも、知らねえってのはだらしねえもんですな!

    鯉(こい)のが外套(がいとう)ならウナギは紋付(もんつき)の袴(はかま)ってやつですかね!

    じゃ、頂戴(ちょうだい)いたしやす。

    さっそくこれを、味噌(みそ)に付けて…

    【一切れ食べる】

    【三拍】

    へぇ…旦那(だんな)、これシャキシャキしてて美味(うま)いもんですねぇ。

    

ご隠居:いやいや、美味(うま)いと言うほどの事もないでしょうが、

    それはもうごく淡泊(たんぱく)なもので。


植木屋:あ、たんぱくね。

    そうですねぇ。

    あの、すいませんが旦那(だんな)、このたんぱくをもう一切れいただ

    きたいんですが、よござんすか?


ご隠居:ええ、遠慮なくおあがんなさい。


植木屋:じゃ、頂戴(ちょうだい)いたしやす。

    【もう一切れ食べる】

    こらうめえわ。

    旦那(だんな)、これもよく冷えてますね。


ご隠居:ああ、それならご覧なさい。

    下に氷がしいてあって、その上に乗っているからですな。


植木屋:えっ、氷ですか!?

    ちいと行儀(ぎょうぎ)悪(わり)いんですが失礼して…あ、ほんとだ!

    へえぇ驚きましたねぇ!

    自慢じゃねえですが、氷なんてものはひと夏(なつ)のうちにあっしの

    口の中に一度入るか二度入るか分からねえぐれえのもんですよ。

    下手するとね、お目にかからねえうちに夏が通り過ぎちまいます

    からね。

    それがこうやって、ちょいと氷が欲しいなって思った時にスッと

    出てくるってのは、いやあ、やっぱりお屋敷ですねえ…さすがだ

    なあ。

    ぁそうだ、あの…旦那(だんな)?

    その…餓鬼(がき)みてえだって笑わねえでもらいてえんですが、どうで

    すかね、この氷をひとっかけ、頬張(ほおば)ってみてもよござんすか?


ご隠居:えぇどうぞどうぞ。


植木屋:よござんすか!?

    じゃ、その失礼して…

    【氷を口に入れる】

    !!!

    くぉーっ!

    くぅーっ!

    【慣れない冷たさにしきりに頬や後頭部を叩いている・三拍】

    くはぁーっ。

    旦那(だんな)、この氷は冷えてますねぇ!


ご隠居:氷が冷えているというのは面白いですな。

    しかし、貴方(あなた)のようにそうやって出すもの出すもの、

    何でも美味(おい)しいと言ってもらえると誠(まこと)に心持(こころも)ちが良い。

    時に植木屋(うえきや)さん、貴方(あなた)は菜(な)がお好きですかな?


植木屋:えっ?


ご隠居:菜(な)のお浸(ひた)しはお好きですかな?


植木屋:あぁ! 菜(な)のお浸(ひた)しって、青菜(あおな)!

    あっしはもう菜(な)とくるってぇと、でぇ好きで!!


ご隠居:?でぇすき?


植木屋:ぇっ、ぁあいや…大好き、で…。


ご隠居:ははは、別に言い直さんでもよろしいが、そうですか。

    それではさっそく台所からこちらに取り寄せて…


植木屋:いやいやいや、わざわざ取り寄せてもらわなくたって

    あっしは勝手口(かってぐち)がわかってますから、ぐるっと回ってね、

    向こう行って女中(じょちゅう)さんからいただきますから!


ご隠居:そんな事をしては酒の味が落ちますよ。

    まあちょっとお待ちなさい。いま取り寄せましょう。


    【ゆっくり手を二回叩く】

    これよ。


    【ゆっくり手を二回叩く】

    奥(おく)や。

    

隠居奥:【ふすまを開けて三つ指ついて礼】

    旦那(だんな)様、お呼びでございますか?


ご隠居:あぁ奥(おく)や、植木屋(うえきや)さんが菜(な)を好きだとおっしゃるから、

    かつ節(ぶし)をたっぷりかけてこちらに持ってきてあげなさい。


隠居奥:…旦那(だんな)様。


ご隠居:?なんだね?


隠居奥:鞍馬(くらま)から牛若丸(うしわかまる)が出(い)でまして、その名を九郎判官(くろうほうがん)。


ご隠居:!…あぁ、そうか。

    じゃあ、義経(よしつね)にしておきなさい。

    …植木屋(うえきや)さん、どうもすまん事をした。

    勝手(かって)ごとが分からんと言うのが男のだらしがないところで、

    まだあると思っていた菜(な)がみんなになってしまったそうだ。

    まあひとつ、お許しいただきたい。


植木屋:いぃえいえ、許すも許さねえもねえんですよ。

    あっしははなっから菜(な)がねえと思いやそれで済むんですから。

    それよりもあの、どなたかお客さんがお見えになったようですか

    ら、どうぞそちらへおいで下せぇ。


ご隠居:?別に誰も来ませんよ?


植木屋:えっ、でもいま奥さんが…。


ご隠居:?奥(おく)は、もう菜(な)がみんなになってしまった、

    無くなってしまったと、そう言っただけですが。


植木屋:【しばらくぽかんとして】

    ……そういう話は出てなかったような気がするんですがねえ。

    どなたか、おいでになってるんですよね?

    いいんですよ、あっしに気は…使わねえでしょうけども、

    遠慮…遠慮もしねえでしょうけども、

    どうぞどうぞ、あちらにおいでになって下せぇ。


ご隠居:いえ? 誰も来てませんよ。


植木屋:え、いやだって、先ほど奥様(おくさま)がそうおっしゃってましたよね。

    鞍馬(くらま)さんとか、牛若(うしわか)さんがおいでになったとか。


ご隠居:! あぁあぁ、あれですか。

    ははは……まぁ貴方(あなた)はうちへ出入りされている方だから、

    お話してもよろしいでしょう。

    あれは私と奥(おく)との、隠し言葉というやつで。

    仮に来客の折(おり)、奥(おく)がそういったものは無い、とか、

    もう食べてしまった、支度(したく)できない、などと言うと私も気まず

    い思いをするし、お客様も白(しら)けてしまう。

    そこで隠し言葉の出番です。


    「鞍馬(くらま)から牛若丸(うしわかまる)が出でまして、その名を九郎判官(くろうほうがん)。」

    その菜(な)は食べてしまったからもうないと言う事で、その菜(な)を喰(く)ろ

    う。

    それじゃ仕方がないから止(よ)しにしておきなさい、と言う事で、

    「義経(よしつね)にしておきなさい。」

    つまり、九郎判官義経(くろうほうがんよしつね)の洒落(しゃれ)で私と奥(おく)の隠し言葉というわけです

    な。

    こうすれば、人様(ひとさま)に知れる事もない。


植木屋:はあぁなるほどなぁ…いや驚きましたねえ!

    確かにそうすればうちの中の恥(はじ)が表(おもて)へ知れねえで済むって話です

    よね!

    いやぁほんと違うなぁ…。

    うちのかかあなんて、家の中でも知らなくてもいいような事を

    わざわざ表へ向かって言うんですよ!

    さっきの青菜(あおな)の話じゃありませんけど、かかあに持ってこいって

    言ったら大変ですよ。

    三日前に買ったつまみ菜(な)がいつまであると思ってんだい!って。

    あともう何も言えなくなっちゃうんですからね、あっしは。

    しかも朝から晩まで、イワシが冷めちゃうイワシが冷めちゃう、

    ってのべつまくなしに言われたら、あっしが朝昼晩とイワシを

    食ってんのが長屋(ながや)じゅうに知れ渡っちゃうじゃありませんか。

    いや、そりゃ確かに食ってるから知れたっていいですけど、

    わざわざ人に教えるってのはねぇ…。

    【一口飲む】

    【つぶやく】

    鞍馬(くらま)から牛若丸(うしわかまる)が…その名を九郎判官(くろうほうがん)、ねぇ…

    【酒を注ごうとしてお銚子(ちょうし)が空になってることに気づく】

    旦那(だんな)…柳蔭(やなぎかげ)が義経(よしつね)になりました。


ご隠居:ああ、これはとんだ失礼をしましたな。

    では、代わりを——


植木屋:【↑の語尾に喰い気味に】

    いえいえいえ、別に催促(さいそく)したわけじゃねえんです。

    あっしも何か言ってみてえなって思っただけですからね。

    これぁ旦那(だんな)とあっしの隠し言葉ってやつで、へへへ。

    もうね、いや、本当に結構(けっこう)です。

    じゅうぶんに頂戴(ちょうだい)いたしましたんで。  

    また明日早くにうかがいやすから、今日はこれでしめえに致(いた)しや

    す。

    どうも、ご馳走(ちそう)様でした、ありがとうございやした!


    【帰り道で独り言】

    どうだい、違うねえ…これだもんねぇ…。

    鞍馬(くらま)から牛若丸(うしわかまる)が出(い)でまして、その名を九郎判官(くろうほうがん)。

    旦那(だんな)が義経(よしつね)にしておけ、か…。

    お屋敷ってのはねぇ…どっか違うと思ってたけど、そういうとこ

    まで違うからねぇ…ほんと。

    俺だってよ、そういう事いっぺんぐれぇさぁ…——


植木屋妻:ちょいと、何をぐずぐずぐずぐず言いながら帰って来てんだい

     !

     イワシが冷めちゃうよ、イワシがさ!!


植木屋:…始まりやがったな、こんちくしょう。

    ええ?おうおうおう、イワシを焼くのはいいけどよ、

    なんでぇその焼き方は。ちゃんと焼けちゃんと!

    頭ぐれぇ取ったらどうだ! ちゃんと頭(あたま)取って焼けよ!


植木屋妻:贅沢(ぜいたく)な事言うんじゃないよ。

     こういうところに滋養(じよう)があるんだよ!

     カルシウ~~ムってのがあんの、カルシウ~~ムっていうのが

     !

     こういうところ食べとくと体を壊さないんだよ!

     だからごらん。犬は風邪ひかないだろ?


植木屋:こンの野郎…犬と俺を並べる奴があるかよ!


植木屋妻:当たり前だよ、お前さんと犬は一緒にならないよ。


植木屋:そうだろう?


植木屋妻:そうさ、良い犬は高く売れるもの。


植木屋:こンの野郎、隙(すき)を見て俺を売る気になってやんな!?

    あぶねえ野郎だなこいつは。

    それよりもな、俺ぁ今日ぐれえこんなに馬鹿に感心しちまった事

    はねえんだ。

    いや驚いたよ。


植木屋妻:何言ってんだい。

     二言目(ふたことめ)には感心した感心したって、首かしげて帰って来てさ。

     いったい今日は何を感心したってんだい?


植木屋:おう、お屋敷でな、なんだか気が乗らねえからもう仕事を片付け

    ちまおうと思ってたところよ、後ろで旦那(だんな)が涼んでらしたんだな

    。

    植木屋(うえきや)さん、ご精(せい)が出ますね、なんて言われて俺ァ、ドキッとし

    て、肚(はら)ん中を見透(みす)かされちまったかと思っちまったよ。

    そしたら旦那(だんな)が召し上がっていた酒を片付けてくれって飲まして

    くれたんだよ。

    それじゃあいただきますって飲んだその酒が、柳蔭(やなぎかげ)ってんだ。

    柳蔭(やなぎかげ)ったって、幽霊が出てくるような酒じゃねえぞ。

    

植木屋妻:そんなことお前さんに言われなくたって分かってるよ。


植木屋:お前はそんな事言うけどよ、

    何も知らねえから俺がこうやって一つ一つ教えてんだから、

    そのたんびにちゃんと覚えろよ。

    柳蔭(やなぎかげ)ってのはな、上方(かみがた)での呼び名なんだ。


植木屋妻:知ってるよ、そのくらいの事は。

     当たり前じゃないか。


植木屋:~~お前な、どうしてそうやって人の話に、当たり前だぁ、

    そんな事分かり切ってるよぅ、としか返さねえんだ。

    そんな事ばっかり言ってたら話が先へ進まねえんだよ!

    お前(め)ぇいっぺんでもあ、そうなの、とかへえ、そうだねとか

    言ったことあるか!?

    たとえ分かっててもそういう風(ふう)に相槌(あいづち)を打つもんだよ!

    おめぇは何でも俺の話を聞くと、あったりめえだぁ、

    んなこと決まってらぁっ、ってよぅ……!

    まぁいいや、んで、その柳蔭(やなぎかげ)はこっちじゃあ直(なお)しって——


植木屋妻:【↑の語尾をさえぎるように】

     そんな事は分かってるよ。


植木屋:【間髪入れずに】

    分かってねえから言ってんだよちゃんと聞け!

    それで俺がうめえうめえって呑んでたら、鯉(こい)の洗いってのを

    ご馳走(ちそう)してくれたんだ。

    鯉(こい)ったって中身は黒くねえんだ、白ぇんだぞ!


植木屋妻:当たり前じゃないかそんな事は。

     黒いのは皮だけだよ。


植木屋:あ、知ってんの…ま、知ってんのならいいけどよ。

    んで、んめぇんめぇって食ってたら、俺があんまり喜ぶから

    旦那(だんな)も嬉しくなっちゃったんだろうな。

    植木屋(うえきや)さん、菜(な)のお浸(ひた)しはお好きかな、

    って言うから俺ァでぇ好きだって言ったら、すぐに取り寄せてや

    ろうってな、

    【目の前で両手をすり合わせる】

    こうやってよ、


植木屋妻:何やってんだいそれ。

     なんか乗り移ったの?


植木屋:乗り移ったんじゃねえよ!

    これから手を叩くんだ。

    【手をゆっくり二回叩く】

    【ご隠居の真似をしているが若干棒読み】

    これよ。

    【手をゆっくり二回叩く】

    【ご隠居の真似をしているが若干棒読み】

    奥や。


    ってやると、ふすまをスッと開けて隣から奥様がよ、

    【三つ指つくが、妻の様子に気づく】

    …?

    おいっ…おい、こっち見ろよこっちを!

    俺が話をしてるってのに、そうやって横向いてたばこ飲み始める

    んじゃねえよ!

    たまにはちゃんと聞け!

    この形を見ろこの形を!

    

植木屋妻:どの形? あぁその形。

     そういう蛙(かえる)が出ると雨が降るね。


植木屋:ハァ!?

    俺ぁ蛙(かえる)の話をしてるんじゃねえんだ!

    こういう形で奥様が三(み)つ指(ゆび)つくんだよ!

    【ご隠居奥の真似をして】

    旦那(だんな)様。


    【ご隠居の真似をして】

    なんだい。


    【ご隠居奥の真似をして】

    旦那(だんな)様。

    右や左の…じゃなかった、

    およびでございますか。


    【ご隠居の真似をして】

    植木屋(うえきや)さんが菜(な)をお好きだとおっしゃるから、かつ節(ぶし)をたっぷり

    かけてお出ししなさい。


    【ご隠居奥の真似をして】

    旦那(だんな)様。


    【ご隠居の真似をして】

    なんだい。


    【ご隠居奥の真似をして】

    鞍馬(くらま)から牛若丸(うしわかまる)が出(い)でまして、その名を九郎判官(くろうほうがん)。


    てぇと旦那(だんな)が、

    【ご隠居の真似をして】

    ほう…じゃ、義経(よしつね)にしておけ。


    どうだよおい、これがおめぇに分かるか?


植木屋妻:分かるよそのくらいは。

     火傷(やけど)のまじないだろ?


植木屋:や、火傷(やけど)のまじない!?

    かーっ、おめえなんかそのくらいのもんだよ!

    そうじゃねえんだ、いいか?

    これはつまり奥様と旦那(だんな)の隠し言葉ってやつだ。

    仮におめぇ、らくらいの折(おり)によ——


植木屋妻:え? なんだって?


植木屋:らくらいの折(おり)によ——


植木屋妻:雷が落ちんの?


植木屋:客が来るんだよ。


植木屋妻:そりゃ来客だろ。


植木屋:っあぁそうだ来客来客。

    来客の折(おり)によ、無い、とか食べちゃった、とかお互いに恥(はじ)をかく

    ってもんだ。だから表(おもて)へ知れないようにってんで隠し言葉の出番

    よ。

    鞍馬(くらま)から牛若丸(うしわかまる)が出(い)でまして、と来て、

    その菜(な)を喰(く)ろうとしたが食べちゃってもう無い。

    それで、その名を九郎判官(くろうほうがん)。

    じゃ、仕方(しかた)がない、止(よ)しにしようってんで、

    義経(よしつね)にしておけ、だ。

    ええ、どうだい? おめぇにこれだけの事が言えるか?


植木屋妻:言えるよ。


植木屋:言えるぅ!?

    じゃ今言ったの覚えたのか?


植木屋妻:覚えたよ。

     でもすぐ忘れるね。


植木屋:ぅおぉいおい、忘れちゃいけねえよ!

    それよりもおめぇ、覚えたって言ったな?

    じゃあちょっと見ろ。

    あれァ…大工(だいく)の辰公(たつこう)だ、長屋(ながや)の路地(ろじ)戻ってくらァ。

    どっかへ出かけてやがったんだな。

    いま呼ぶからよ、さっきのやってもらおうじゃねえか。

    ちょっとそこの酒持ってこい。


植木屋妻:ええ? 一合(いちごう)しか入ってないよ。


植木屋:いいから早く持ってこいってんだよ!


植木屋妻:はいはい。


植木屋:それからその魚、魚もこっちへ持ってこい。


植木屋妻:魚? このイワシでいいのかい?


植木屋:そうだよ! その塩焼きでいいから持ってこい!

    早くしねえと辰公(たつこう)来ちまうだろうが!


植木屋妻:忙(せわ)しないねぇ…はい。


植木屋:そんでおめぇは次の間(ま)に…って次の間(ま)ねえんだな、うちは。

    しょうがねえ、押し入れに入れ。


植木屋妻:ええ!? やだよぉこのクソ暑いのに押し入れなんて!


植木屋:【↑の語尾をさえぎるように】

    いいから! いいからほらッ、入ってろって!!

    …よし。


    【二拍】


    ご精(せい)が出ますな!


辰公:ん? おぅ、おめぇか!

   今日はずいぶん早(はえ)ぇじゃねえか!

   もう帰って来たのか?


植木屋:…ご精(せい)がでますな!


辰公:あ?俺か?

   俺ァよぅ、精(せい)がでねえんだ。仕事休んじまったもんでよう。

   んで、昼寝したら体かったるくなっちまったんで、

   湯屋(ゆや)行っていま帰って来たんだ。


植木屋:…~~ご精(せい)が出ますな!


辰公:おめぇ、人の話聞いてねえのか!?

   今日は精(せい)が出ねえんだよ、俺は!

   昼寝しちまったんだから。


植木屋:…昼寝にご精(せい)が出ますな。


辰公:昼寝に精(せい)を出す奴なんかいるわけねえだろ!


【以下、植木屋のご隠居のセリフの真似は、棒読みに近い感じになります

。】

   

植木屋:あなたが毎日来て水をまいて下さると、庭に水が行きわたって

    青いものからしずくが落ちる。

    そこを通してくる風などは…すずしいな。


辰公:??なァにを言ってやんでェ。

   青いものなんかどこにもありゃしねえじゃねえかよ。

   そこにあんのはゴミ溜(た)めだろうが。   


植木屋:…~~ゴミ溜(た)めの根元にハッカ油(あぶら)をまいて、

    その中をハサミ虫(むし)がしっぽを持ち上げてくるくる回っている所を

    抜けてくる風などは…すずしいな。


辰公:…おめぇどうかしてんじゃねえか?

   涼しかねえよ、くせえだけじゃねえか!

   

植木屋:……~~あなたは、ご酒(しゅ)はお好きか?


辰公:なんでぇご酒(しゅ)って。酒か?

   そりゃ好きだよ、でぇ好きだ。


植木屋:あなたにお酒(さけ)をごちそうしよう。


辰公:あ? ほんとかぁ?

   今までおめぇに集(たか)られた事はずいぶんあったけどよ、

   おめぇにゴチになるってのは生まれて初めてだよ。

   ほんとにいいのか? じゃ、もらうぜ。


植木屋:さあさ、そこにお掛け。

    汚れてもかまわん。


辰公:…そりゃ俺が言うセリフだよ!

   たまには掃除したらどうなんだよ、ええ?

   真っ黒けじゃねえか!


植木屋:そのガラスのコップでおあがり。


辰公:ガラスのコップだぁ?

   そんなもん無(ね)えじゃねえか。


植木屋:…~~猪口(ちょこ)をガラスのコップだと思って、おあがり。


辰公:なんだよおい、変な事言ってやがんな。

   じゃあ、もらうぜ。


植木屋:それは、上方(かみがた)の友人から届いた、柳蔭(やなぎかげ)だ。


辰公:柳蔭(やなぎかげ)?

   なんだ、こっちで言うとこの直(なお)しじゃねえか。

   つまんねぇもの呑(の)んでやがんな、おい。

   ま、いいや何だってな。

   【一口飲む】

   ? あん? 何だこれ、当たり前の酒じゃねえか。


植木屋:ぁ…でもまあ、それを柳蔭(やなぎかげ)だと思っておあがり。


辰公:いいよ別にそんなもんじゃなくたって。

   俺ァまともな酒の方がずっと好きだからよ。

   これァなかなかイケるクチだよ、うめぇよこれ。


植木屋:あなたは、今まで日向(ひなた)で働いていたから、口の中に熱がある。

    それでそんなものでも、冷たいと感じるのだなぁ。


辰公:【猪口と植木屋の顔をしげしげと見比べて】

   別に冷たくねえよ。

   日なた水(みず)みてえじゃねえか。

   生(なま)あったけえよ。


植木屋:…~~でもあなたは、今まで日向(ひなた)で働いていたから、

    口の中に熱がある。


辰公:いや、俺熱はねえよ。


植木屋:……いや、あなたは口の中に熱がある。


辰公:【↑の語尾に被せるように】

   無いってんだよ!


植木屋:…でも、少しはある。


辰公:そりゃ少しはあるよ。

   ちょっとは無(な)きゃ死んじまうだろうが。


植木屋:そこに、鯉(こい)の洗いがあるから、おあがり。


辰公:鯉(こい)の洗い?

   贅沢(ぜいたく)なこった——ってこれ、イワシの塩焼きじゃねえか。


植木屋:…まあでも、それを鯉(こい)の洗いだと思って、おあがり。


辰公:何だよ、さっきから変な事言ってやがんな。

   まぁいいや。俺ァこのイワシの方がよっぽど好きだやな。

   【一口食う】

   おっ! おいこのイワシぁうめえぜ!

   脂(あぶら)がのってんじゃねえか!


植木屋:いやいや、美味(うま)いと言うほどの事でもない。

    それはごく、たんぱくなものだ。


辰公:…俺ァ脂(あぶら)が乗ってるって言ってんだろうが!

   脂(あぶら)が乗ってて淡泊(たんぱく)って、んなことあるかよ!

   まぁ何でもいいや、俺ァ美味(うま)けりゃ何でもいいんだ。

   【一口食う】


植木屋:下に氷がしいてある。


辰公:嘘(うそ)つきゃがれオイ!

   そんなもんありゃしねえじゃねえかよ!


植木屋:時に、植木屋(うえきや)さん。


辰公:止(よ)せよおい。

   植木屋(うえきや)はおめぇじゃねえか!

   俺ァ大工(でぇく)だよ!


植木屋:…~~でもまぁ、今日だけ植木屋(うえきや)におなり。


辰公:やだよ!

   何で俺が今日だけ植木屋(うえきや)にならなきゃなんねえんだよ!


植木屋:あなたは、菜(な)のお浸(ひた)しはお好きか?


辰公:なに?


植木屋:菜(な)のお浸(ひた)しはお好きか?


辰公:嫌(きれ)ぇだよ。


植木屋:!…~~あなたは、菜(な)のお浸(ひた)しはお好きか?


辰公:嫌いだよ。

   俺ァ青いものがでぇっ嫌(きれ)ぇなんだ!

   今までいっぺんだって食った事(こた)ァねぇんだからよ!


植木屋:【だんだん半泣きに】

    …~~あなたは…

    菜(な)のお浸(ひた)しは…お好きか?


辰公:泣くこたねぇだろおい。

   嫌いなものは嫌いだよ。


植木屋:【ムッとしている】

    そりゃひどいよお前(め)ぇ。

    それはいくら何でも無いんじゃねぇの?

    今までこっちのお仕着(しき)せ飲んだり食ったりしといてよ、

    ここへきていきなり寝返りうつってのは、

    それはあんまり友達甲斐(ともだちがい)がねえよ。

    たとえ嫌いでも、少しは好きだって言え!


辰公:何だよ、さっきからほんとに変な事ばっかり言いやがって。

   しょうがねえな…、好きだよ。


植木屋:【聞いた途端嬉しそうに】

    …好き。

    ぁそう。

    【手を目の前ですり合わせて】

    今さっそく取り寄せよう——


辰公:いいよ取り寄せなくたって!

   

植木屋:【無視して手をゆっくり二回叩く】

    【ご隠居の真似をしているが若干棒読み】

    これよ。


    【手をゆっくり二回叩く】

    【ご隠居の真似をしているが若干棒読み】

    奥や。


植木屋妻:【乱暴に押入れを開けて這い出すように汗だくで出てくる】

     だ、だんなさま…っ…。


辰公:【驚いてのけぞる】

   うおおお!?

   び、びっくりしたじゃねえか!

   何やってんだよお前達ァ!!

   さっきからカミさんの姿が見えねえと思ってたらおめぇ、

   このクソ暑いさなかに今まで押し入れに入ってたのかよ!?

   見ろ、頭から水かぶったみてぇにびっちょりじゃねえか!


植木屋:うるせぇよ、余計な事言わねえで黙って見てろ。

    【妻へむけて】

    植木屋(うえきや)さんが菜(な)がお好きだと思うから、かつ節(ぶし)をたっぷりかけて

    こちらに持ってきておあげ。


植木屋妻:……だんなさま…。


植木屋:なんだ?


植木屋妻:…鞍馬(くらま)から…牛若丸(うしわかまる)が出(い)でまして…その名を九郎判官(くろうほうがん)…義経(よしつね)。


植木屋:【つぶやくように】

    しまいまで言っちまったよ…。


    ………弁慶(べんけい)にしておけ。




終劇



参考にした落語口演の噺家演者様(敬称略)


柳家小三治(十代目)



※弁慶にしておけ:立往生(たちおうじょう)の意味を利(き)かせているらしいです。

         昔は途方(とほう)に暮れる、や困る、を意味して立往生(たちおうじょう)と言う

         言葉が使われていました。現在は少なくなってます。

         上方(かみがた)では人におごられることを【弁慶(べんけい)】というそうで

         す。上方(かみがた)落語【舟弁慶(ふなべんけい)】のオチにもなっているとか。




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