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第25話 夫婦になるって、そういうことなんだろ

「明良、やっちゃったね」

「ん、恒のことは言えないね」

「明良、お前がこの先手を出さないでいられるのか俺は心配だよ」

「アキラ、娘のことは任せたぞ」

「アキラ、きょうからいっしょだね!」

「え? そうなの?」

「だって、おとうさんが、いってたもん!」

 ミリーの言葉にその場にいた全員の視線がドリーに集中する。

 ドリーは何が悪いのか分かっていない顔をしているし、明良は明良で呆然としたままだ。

 そんな様子を見た恒が、この場の雰囲気をなんとかしようとドリーに話しかける。


「ねえ、ドリー。ミリーの言った『今日から明良と一緒』ってのはどういう意味なの?」

「ん? そんなに驚くことか? 二人は契りを交わすのにワタルと一緒の部屋じゃ何かとマズいだろ。だから、アキラとミリーで一緒の部屋にしてやろうというワシの親心だ」

「うむ、その通りなのじゃ!」

「小夜はややこしくなるから黙っといて」

「うっ……いらない子扱いされたのじゃ」


 ドリーの話に半ば呆れていると小夜がそれに賛同してしまい、このままじゃまともに話が出来ないと小夜を下がらせると恒はドリーに話す。

「ねえ、ドリー。ドリーは明良とミリーが()()って言うけど、その意味というか、何をするのかは知っているの?」

「意味? そんなのは知らん。だいぶ、昔に聞いたとは思うが、忘れた。だが、夫婦になるのなら大事なことなんだろ」

「あ~そういうこと。まあ、大事と言えば、大事だけど。ん~大きな声じゃ言えないから、ちょっと耳を貸して」

「なんでだ? この場で言えばよかろう」

 恒がドリーに契ることについて説明しようとすると、ドリーはコソコソしなくても、普通に話せと恒に言ってくる。だから、恒はドリーに対しもう一度確認する。

「いいの? でも、それだとドリーがど「分かった。聞こうじゃないか」……最初っから、そうやって素直になればいいのに」

「いいから、早くしてくれ」

「わかったよ。いい? 契りってのはね……ってことなの。分かった?」

「そんな……ワシはミリーになんてことを……」

 恒が話した内容にドリーは驚いてしまう。そして、幼い子にそんな非道いことをさせようとしていた自分を恥じてしまう。

 そんなドリーの様子に興味を持つのは当然のことの様に由香は久美に聞いてみる。

「久美、恒はドリーに何を言ったと思う?」

「何って、そのまんまの意味でしょ。だって、明良の顔はずっと真っ赤だし」

「ああ、そうね。でも、それならドリーは何を焦ってるの?」

「それは分からないけど……まさか……ね」

「え? もしかして、そういうことなの?」

 由香と久美の二人は会話を進める内に隠されていたドリーの真実に確実に近付いている。そして、その会話の内容を聞いていた恒はドリーに対し、どうするのかと確認する。

「ほら、ドリーが余計なことを言うから、段々真実に近付いて来てるよ。どうするの? もう、素直に言っちゃう?」

「いや、それだけは勘弁してくれ。それにそれを言ってしまうとミリーにもばれてしまう」

「あ~それがあったね。由香、久美、詮索はそのくらいにしてあげて。後で教えてあげるから」

「「分かったぁ」」

 ドリーの秘密をこの場で暴露してしまえば、ミリーの暴走を促すことになるので、それはマズいと判断したドリーだが、好奇心旺盛な由香と久美の追求を躱すのは無理だろうと恒は後で話すことを約束して、由香達の追求を躱すことが出来た。


「それで、ドリーはどうするの? このまま、明良とミリーは一緒の部屋にする?」

「いや、スマン。それは出来ない。アキラ、ミリー悪かった」

 そう言ってドリーは明良とミリーに頭を下げる。そして、それを聞いた明良はホッとした表情に戻り、ミリーは膨れっ面になる。

「もう、おとうさん。なんでなの? ミリーはアキラといっしょになるんじゃなかったの? おとうさんはミリーにうそをついたの?」

「いや、違う。そうじゃない。そうじゃないんだ」

「でも、きゅうにダメだって……」

 ミリーはドリーに対し怒っているが、ドリーはそんなミリーを宥めながら優しく話しかける。

「ああ、そうだな。その点はワシが悪かった。実はなミリーの歳が問題なんだ」

「え? わたしはろくさいだよ?」

「ああ、知っている。だけど、夫婦として許されるのは十五歳になってないとダメなんだよ。すまないミリー」

「え~なら、あとなんかいねればじゅうごさいになるの?」

「それは……ワタルゥ~」

 ミリーの追求に耐えきれなくなったドリーは恒に助けを求める。

「俺に助けを求められても困るんだけどな。ねえ、由香、久美、お願いしてもいいかな?」

「ふふふ、そうね。恒のお願いならしょうがないわね」

「由香。そういうのはいいから、ちゃんと教えてあげないと」

「もう、分かったわよ。ねえ、ミリーちゃん。ちょっと、私達とお話ししましょう」

「おねえちゃんたちもアキラとのけっこんはダメっていうの?」

「ん~まあ、ダメって理由じゃないけど、ちょっとここじゃ話しづらいかな」

「わかった」

「よし、行こう」

「うん!」

 元気よく由香に返事をするとミリーは明良に対し元気よく手を振ると、由香達に手を引かれ訓練場から出て行く。

「アイツで大丈夫だろうな?」

「まあ、女の子同士だし、変な結果にはならないと思うよ。っていうか、こういうのは男から難しいでしょ」

「それもそうかとは思うが……アイツがな」

 ドリーはどうも由香に対し不信感が拭えないのか、イマイチ安心出来ないようだ。


「で、訓練はどうする? 野次馬も一杯だけど?」

「……そうだな。少し早いが昼にするか。アキラ、お前もいつまでも呆けてないで行くぞ」

「あ、ああ……なあ、俺ってもう確定なのかな?」

「「間違いなく」」

 明良の問いに恒とドリーはそう言って力強く頷く。

「十歳差かよ!」

「「気にするのそこ?」」


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