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【完結】毒針クリティカル  作者: ふぁち
第一章『逃亡編』
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009 転移装置

 階段を降りて120階に到達すると、巨大な扉が私達を出迎えた。

 扉の前に少しだけスペースがあり、どこのダンジョンでもボス部屋の前はこのようなセーフティスペースになっているらしい。ジっちゃん情報。

 念のため、懐に入れてあった針を数本取り出して準備完了。

 扉を開けると、かなり広めの部屋の中に一匹のドラゴンが横たわっていた。

 茶色い皮膚はかなり硬質に見え、物理攻撃は簡単にはじき返されそうだ。


「あいつの皮膚は亀の甲羅ほどではないが、そこそこ硬いぞ。魔法も皮膚の凹凸で半減される。まぁ、儂には関係ないんじゃが」


 そう言うと、戦斧を担いだジっちゃんがドラゴンに向かって走っていく。

 私の身長ほどもある戦斧はたぶん数十キロはあるはずなのに、その軽快な走りに重さは全く感じられなかった。

 ドラゴンが首をもたげる——が、次の瞬間にはその首は地面を舐めていた。

 遅れて衝撃波が私を襲う。


「うわっぷ!」


 亀を殴ってた時とは別人のような動きだね。

 でも、何かあっさりすぎない?ボスが弱いように見えるんですけど……。

 せっかく取り出した針が何も活躍しなかった。


「どうじゃ?」

「ワースゴイスゴイ」

「……なんで儂の凄さ分かってくれんの?」


 比較対象が無いからからなぁ?両親は冒険者だけど、戦ってるとこ見たことないし。

 スキルがあるこの世界じゃ、見たままの強さなんてアテにならないもんねぇ。

 私自身の強さですら計りかねてるのに。


 ドラゴンを倒したら、奥の方の扉が自動的に開いた。

 その奥の部屋の地面に魔方陣のようなものが描いてある。

 あれが転移装置かな?


「ヒナよ、ダンジョンに住むとか言ってたが、亀もドラゴンも一ヶ月は復活せんぞ」

「え?それって、虫が食べれないならターキーだけの食事になるってこと?」


 それは無理だ……。

 毒で調味料作っても一種類の肉だけじゃ3日と持たないよねぇ。

 追っ手が教会の転移装置使って追いかけてくる可能性もあるから、一度地上に戻って逃げるのが正解か。


 私たちはドラゴンを美味しくいただいた後、転移装置で地上へ帰還した。

 私の場合は正確には帰還じゃないけど。こんな場所初めて来たし。

 転移した先はダンジョンの入り口だった。

 ダンジョン内の転移装置は全部入り口にある転移装置に繋がっているらしい。

 でも入り口側からは、攻略済みの階層へしか飛べないのだとか。

 私は120階まで攻略しちゃったから、今後は全ての転移装置のある階層に飛べるんだって。

 ちょっとズルした気分。


 入り口に追っ手が待ってるという事は無かったが、入り口で待っていた冒険者ギルドの係の人に止められた。


「君、冒険者カードを見せて」


 拙い、そんなの持ってないけど……どうしよう?

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