↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】毒針クリティカル  作者: ふぁち
第二章『冒険者編』
PR
63/258

063 高山病

「アイナちゃん、もしかして急所が視えてるの?」

「うん、私のスキルの特性でたぶん同じようなのが視えるよ」

「……そ、そうなのね」


 急に考え込むキャサリンさん。

 リスイさんも何か考え込み始めた。

 私何かやっちゃいました?——様式美として一応言っておく。


 その間にもう一匹ホルスタインのミノタウロスがやってきたんだけど、2人はお悩み中のようなので、私がお相手することに。

 さっきの要領で魔方陣を生成して炎魔法を飛ばしてみるが、リスイさんみたいにうまく命中させる事が出来ずに、避けられてしまった。

 ちょっと速度が足りなかった?

 もっと魔力を込めて、ついでに生成する魔素(毒)の密度も上げてみようか。

 今度は同じ魔方陣でも魔素密度を5倍にして、注入する魔力も10倍ぐらいにしてみた。

 ミノタウロスは同じ魔方陣である事を見越したようで、余裕を持って横に移動し始める。

 しかし次の瞬間、その牛の顔面が人間にも分かるぐらいに引き攣った。

 巨大な炎の塊は巨体のミノタウロスの数倍の大きさに膨れ上がり、一瞬にしてその周囲をまるごと焦土と化した。


「ありゃ?魔力込めすぎたかな?」


 爆音と衝撃波で、考え事をしていたキャサリンさんとリスイさんの意識がこちらに向いた。


「これは……」

「予想以上……」


 魔法って加減が難しいなぁ。

 目標付近が敵だけならいいけど、味方がいたら確実にフレンドリーファイアだわ。

 威力調節を考察していると、キャサリンさんとリスイさんが真剣な眼差しで近づいて来る。


「ねぇ、アイナちゃん」

「アイナ」

「はい?」

「アタシの弟子になってくれない!?」

「私の弟子になって!!」


 何を言い出してるんだろうね、この人達は?


「私、既に師匠がいるので……」

「えっ!?アイナちゃん師匠がいるの?」

「師匠って誰?私達より強い?」

「えっと、ライオンの獣人なんだけど……そういえば名前聞いてなかったかも?獣王って言ってたけど、詳しくは分かんない」

「……マジ?」

「やっぱりあの腕輪……」


 あ、全裸で寝てた時に腕輪見られちゃったのか。


「この腕輪は師匠から借りてるもので、なんか一年間は外れないらしいの」

「謎が解けたようで、深まったわね……」

「そのイヤリングは?」

「あぁ、これは友達のミミィのを借りてるんだけど、同じように外れなくなっちゃって」

「ミミィって、まさか闇王のミミィ・ヴァンプ・モッサリ?」

「うん。そのミミィにイヤリング返したいんだけど、闇王国まで行けなくて借りたままになってるの」


 リスイさんも知ってるとは、ミミィの中二病設定の闇王ってかなり有名なのね。

 中二界のアイドル的存在なのかな?


「獣王が師匠で、闇王が友達って……」

「獣人とヴァンパイアのハイブリッドだから?」


 おや?2人とも頭痛がしているかのようなポーズをとって蹲った。

 なんか頭痛くなるような事あった?

 まだ全然麓(ふもと)だと思うけど、高山病かなぁ?


 さっきの私が放った炎のせいで、付近の魔物がこっちに押し寄せてきた。

 全部で20体ぐらいいるかも?

 しかも全部……


「ミノタウロスばっかり!牛肉祭りだぁ!ひゃっほい!!」


 でも美味しそうな黒毛ミノタウロスは半分ぐらいだね。

 魔法だと黒毛も巻き込んで、せっかくのお肉が黒焦げになっちゃう……いや待てよ?

 私が生成してる魔方陣って毒だから、手元に出しておく必要無いよね?

 でも魔法を発動する時に魔力を込めないとか……。

 いや、そもそも生成してる魔素が現実の魔素を踏襲(とうしゅう)する必要無かった。

 時限式で魔力が込めておけるファンタジー魔素を生成すればいいんだ。


 私はファンタジー魔素(毒)を生成して魔力を込め、食べても美味しくないミノタウロスの元へそれぞれ飛ばす。

 ミノタウロスの背後に魔素が到達したところで、炎魔法の魔方陣を形成。

 間もなく、既に込めてあった魔力が、時限式にファンタジー魔素内で高まる。

 するとあら不思議。

 魔法がリモートで発動して、ミノタウロス達を一体ずつ背後から燃え上がらせた。

 時限式リモート魔法と名付けよう(まんま)。


「離れたとこから魔法が出た……!?」

「そんな事出来るもんなの?」

「普通は出来ない。魔法系スキル持ちでも手元で魔力を込めないとだから、離れた場所で魔法を発動させるのは不可能」

「じゃあ、なんで今できちゃってたのよ?」

「さあ?」


 残った黒毛のミノタウロスは、空中に足場を作って飛び回り、順次眉間に毒を打ち込んでいった。

 今回は食べる時に味が悪くならないように、即効性を落として肉に影響が出ない毒にしてみた。

 時間差でバタバタと倒れていくミノタウロス達。

 オークであれだけ美味しかったものが、牛型魔物だとどれほどなのか?じゅるり……。


「ミノタウロスってCランクの魔物じゃなかった?」

「たぶんそう」

「それが複数なのに単独討伐って、もうAランク冒険者並じゃない?」

「弟子どころか即後継者候補」


 2人の顔色がどんどん悪くなってるように見えるのは気のせいかな?

 高山病のお薬(毒)生成してあげようか?

この物語はファンタジーです。

実在する魔素及び高山病のお薬とは一切関係ありません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。