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【完結】毒針クリティカル  作者: ふぁち
第二章『冒険者編』
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048 契約魔術

 レイアさんとジっちゃんの後継者問題が難航して、私の冒険者登録が進まない……。

 どうしてくれようか?


「な、なぁ嬢ちゃん……」


 ん?なんか私に絡んで来たおっさんが話しかけてきた。


「なんですか?」

「いや、さっき魔力を増やしたとか言ってたけど……俺にも、やって貰えないか?」

「あっ、ずるいっ!お、俺もお願いしますっ!」

「おい、抜け駆けすんな!俺もっ!俺もお願いします!」

「私もお願いしますぅっ!!」


 少年達3人組も加わって来ちゃったよ……。

 期せずして4人の貴重な被検体をゲットした。

 そんなに協力的なら、新しい毒も開発しちゃおっかな〜?


「「「「あれ?何故か悪寒が……」」」」


 と、そこへギルマスもやって来た。ようこそ、5人目の被検体。


「主様、そのスキルの情報は漏洩すると危険です。この4人には契約魔術を施すべきと愚考します」

「契約魔術……?」

「はい。奴隷紋と同じように、魔術で口外出来ないように行動を縛る事ができます。箝口令を敷いたぐらいでは、人の口に戸は立てられませんからね」

「なるほど。それってギルマスが出来るの?」

「ええ、魔導具を使えば問題無くできます」


 ギルマスとレイアさんは私に忠誠を誓ったので裏切る可能性は低いだろう。

 ジっちゃんには戦っても勝てないので、ジっちゃんの良心に期待するしかないけど、まぁ悪い人じゃないと思うし大丈夫かな?

 でもこの4人はまだ良く分からないから、契約魔術で縛った方がいいのかも知れない。


「じゃあ、契約魔術を受け入れてくれるなら、魔力増やしてあげる」

「「「「お願いしますっ!!」」」」


 あっさり了承したよ、この4人……自分で言っといて何だけど、大丈夫?

 まぁ言いふらす気が最初から無いなら、デメリットは無いんだもんね。


 私達は冒険者ギルドの2Fにあるギルドマスター室へと戻った。

 ギルマスが執務机の中から、スタンプみたいな魔導具を出して持ってきた。


「これに契約者の血を垂らして、被契約者に刻印します。刻印はすぐに見えなくなりますが、契約不履行が発生すると、全身を7日間激痛が襲います。精神が弱い者は発狂するかも知れないですね」

「うわぁ……、自分では絶対やりたくないかも」

「契約をちゃんと守ればいいだけですよ。契約を守っている限り、奴隷紋と違って行動の制限等も無いですし、生活に支障は有りません」


 少年達が若干引いてるよ。

 しょうがない、私が助け船を出してあげよう。


「なんなら記憶を消す事も出来るから、そっちの方がいいならしてあげるよ?まぁ使った事ないから、どの程度記憶が消えるか分からなくて、赤ん坊並の知力になる可能性はあるけど……」

「「「「契約魔術で契約しますっ!!させてくださいっ!!」」」」


 4人揃った見事なジャンピング土下座だ。

 記憶を消した方が、激痛を味わう心配無くなるからいいと思ったんだけど、この世界では契約魔術の方が一般的なのかな?


 4人が私の秘密を漏らさない契約魔術を締結したので、『魔力を解放する毒』を投与してあげる。


「あ、言い忘れてたけど、素質が無いとアホになるから」

「「「「……え?」」」」

「じゃあ刺しまーす」

「「「「ちょ、まっ……あばばばばばばばば、ぷひゅー……」」」」


 一瞬で4人の尻に針を刺して魔力を解放すると、4人共無事に魔力が増えていた。

 でも10万に満たない程度だったので、やはり個人差が大きいようだ。

 倍率で言えば数十倍に増えてるから、ミミィやレイアさんより増えてる事になるんだけど、まだまだ検証が必要かもね。

 そうこうしていたら、ジっちゃんとレイアさんの話が終わったようだ。


「レイアさん、話は終わった?」

「はい。老害共と話を付けてくる事になりました。ところで、素質が無いとアホになるようなモノを私に注入したんですか?」

「そっか、良く分からないけど、解決したのなら良かったね。じゃあ私の冒険者登録を……」

「おいこら、話を逸らすな」


 レイアさん、ジト目可愛いね……。


 漸くレイアさんが私の登録を認めてくれた事で、ギルマスが冒険者カードを作成してくれた。

 でも、お父さんとかジっちゃんが持ってた冒険者カードとは違って、色が緑色だし、いまいち高級感が無い。

 ギルマスの説明によると、冒険者のランクによってカードの色が違うらしく、Sランクが金、Aランクが白銀、Bランクが銀、Cランクが緑、Dランクが青、Eランクが橙、Fランクが黒との事。

 え?お父さんってAランクなの?まさか、お父さんも偽造?……私は考えるのを止めた。

 ジっちゃんは以前見たけど金、レイアさんは白銀だった。

 私に絡んで来たおっさんは私と同じ緑だからCランク、少年達3人組は橙でEランクだ。

 ギルマス曰く、レイアさんに勝った私はAランク相当だが、単独のギルマス権限ではCランクまでしか与えられないらしい。

 Bランクは冒険者ギルドのギルドマスター3人以上の推薦が必要だとか。

 Aランクになると、なんと勇者の認定が必要になるらしい。

 勇者なんて会う機会無さそうだよねぇ。


「Aランクになれん事も無いぞ。何を隠そうこの儂が勇「別にCランクでいいんで、これで大丈夫です」」


 ジっちゃんが何か言ってたけど、ランクとかどうでもいいよ。

 街に入る時の身分証明書が欲しかっただけだし。


「それでは主様、この冒険者カードはくれぐれも紛失しないようにお願いします。再発行にはかなりのお金がかかりますので。万が一無くした場合は、偽造とかせずに私に言ってくださいね」

「分かりました、ギルマス。もう偽造はしません。ジっちゃんの名前にかけて!」

「こらこら、勝手に儂の名を掛けるんじゃない……」

この物語はファンタジーです。

実在する魔力を解放する毒とは一切関係ありません。

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