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【完結】毒針クリティカル  作者: ふぁち
第二章『冒険者編』
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041 冒険者ギルド

 確かにジっちゃんに寄生してパワーレベリングして貰ったからなぁ。

 それは悪いとは思ってるけど、それなら受付のお姉さんが注意すればいいだけだし、禁止事項なのであれば尚更ギルド側が言うべき事じゃない?

 それをわざわざ強面の冒険者を使う理由は?

 どう考えても冒険者ギルドと冒険者がグルになって、新人を食い物にしてるとしか思えないよね……。

 私は耳の辺りの髪留めに偽装しておいた針で、魔力測定機を生成した。

 ついでにさっき見た石版の機能も追加してみる。


「ん?なんだ、その魔導具?どっから出した?」


 私に絡んできた冒険者のおっさんが困惑しているけど、私は無視して魔力とレベルを測定した。

 ふむ……、魔力量500でレベル32スキルランクBか。

 魔力量低くない?戦士系の人なのかな?

 ざっと冒険者ギルド内を見渡して、中にいる人を測定してみるも、寧ろこの人より少ない値の人ばっかりだった。

 あぁ、ここ不衛生っぽいからみんな体に虫とかひっついてるのかもね。

 ちゃんと測りたい人を測定するように調整しないとダメかな?


「どこのお嬢様か知らねぇが、レベルだけ上げても冒険者はやっていけないんだぞ。しょうがねぇから、俺が冒険者のイロハを教えてやろう」

「いえ、結構です」

「……はぁ?」


 ふん、分かりやすく苛立ってるね。

 お金持ってない新人冒険者にたかるって事は、体の方が目的か?

 そりゃあ私は美少女だし、いい値段で売れるだろうけど。

 思えば、あの少年達も妙に挙動不審なところがあったし、グルだったんだね。


「おいおい、嬢ちゃん。そいつの言う事は聞いておいた方がいいぞぉ」

「そうだぜ。悪い事は言わねぇからよぉ」


 酒を飲んでいた他の冒険者達まで絡んで来た。

 この人数を相手では、普通の新人冒険者だったら逃げられないだろうね。

 クリティカルポイントの流路を見た限りでは、今のところ私が勝てないような相手はいない。

 やばい奴が出てきたら全力で逃げるとして、敵対するつもりなら相応に報復しておかないと。

 こういう輩は舐められたら、際限無くたかってくるからね。

 冒険者ギルドという組織を敵に回したくはないけど、正義はこちらにある。

 そもそも私はまだ冒険者登録を済ませていない一般人だし、冒険者ギルドは冒険者が一般人に手を出した責任をとらないとでしょ。


「という事で迎撃しまーす」

「えっ?」


 とりあえずギルドの建物の一階を一酸化炭素(猛毒)で満たした。

 ミミィから借りた(?)耳飾りのお陰か、魔力効率が爆上がりしている。

 以前の3分の1ぐらいの魔力で毒針を運用できるようになった。

 つまり実質私の魔力量は60万相当になったので、複数の毒針を同時に使って大量に毒を生成できるのだ。


「な、何だ……?体がっ……」

「え?え?体が動かない……」


 バタバタとその場に倒れ込む冒険者達とギルド職員。

 後遺症がないファンタジー一酸化炭素だから10分後には普通に動けるようになるよ。

 このまま逃げてもいいけど、追ってこられると面倒だからちょっとだけ脅しておこう。

 別の毒針からコーヒー(濃毒)を生成して、蛇のような見た目に整形する。

 うねうねと動かしてみると、さながら闇から召喚された魔物のようだ。


「ひ、ひぃっ!」

「ぎゃああああぁっ!魔物がぁっ!」

「た、助けてっ……!体が動かないいいぃっ!」


 ふふふ、めっちゃ濃いコーヒーを口から送り込んで、夜眠れなくしてあげよう。

 私は被検体——もとい冒険者とギルド職員の口にコーヒー蛇を這うように送り込んだ。


「ぎゃあああああああああぁっ!!」

「いやだあああああぁっ!!」

「うわああああああああっ!!」


 冒険者ギルドの一階は阿鼻叫喚とコーヒーの匂いで混沌と化していた。

 これだけ恐怖を与えておけばもう私に手を出そうとは思うまい。

 さて、そろそろ逃げようかな?


「何だこの騒ぎは?」


 逃げようとした先のギルド入り口に、紅い髪の女性が立っていた。

 うわぁ、増援かな?

 でも、何かどっかで見たことあるなぁ、この人?誰だっけ?

この物語はファンタジーです。

実在する一酸化炭素及びコーヒーとは一切関係ありません。

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