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【完結】毒針クリティカル  作者: ふぁち
第四章『円卓編』
171/258

171 円卓へ

 円卓の召集コールをマル婆から借りた魔導具で行った。

 何故かコールの魔導具を使った瞬間妙な悪寒が走ったのだが、マル婆いわくそんな副作用は無いとの事。

 でも何か覚えがある悪寒だったのよね、説教される前のような……。


 円卓のメンバーが会議の場の近くにほぼ集まれそうになると、どういう仕組みか解らないけど魔導具が教えてくれるらしい。

 私達はマル婆が持っている魔導具で一瞬で移動出来るので、それまで家で過ごす事にした。

 移動手段を持っていない者は円卓の召集場所まで行くのにそこそこ時間がかかるが、それでも勇者や魔王だけあって数日もあれば全員集まれるみたい。


 その間に修行を終えていなかったメンバーも全員異界での修行を行った。

 炎拳えんけんのルールー、元Aクラスの魔法剣士レオナさん、元公儀隠密の九曜くよう叢雲むらくも吹雪ふぶき、獣人の子ユユちゃん、龍王の支配から解放したドラゴンのヤスガイアさん。

 それに加えて聖女と帝国の騎士団長オウルさんも修行に参加した。

 聖女はソフィア王女の力を見て焦ったようで、人一倍頑張ってたらしい。

 でもユユちゃんの天才的な才能を見てまた苦悩してたとか……。

 魔導具がチートアイテム化してしまったからか、皆やばいぐらい成長している。

 レオナさんも今なら閃紅姫レイアさんといい勝負出来るんじゃないかな?


 閑話休題。

 ついに円卓の会議当日となったので、勇者と魔王(私)は円卓へ向かう。

 勇者と魔王はそれぞれ従者を一人連れて行けるらしい。

 私は獣王と闇王という魔王2人分なので、従者も二人連れて行くことにした。

 もちろん元獣王の師匠と元闇王改め漆黒の王ミミィが私の従者だ。

 カク爺とマル婆は本来であれば弟子の一人を連れていくのだが、最近その弟子達が行方不明になってしまったらしい。

 それでこの家にいるメンバーから選出する事に。


「他の弟子候補はいないの?」


 と聞いてみれば、


「この家にいる猛者共ほどの奴はおらん」


 との事。

 それでマル婆は元龍の女王であるヴァイスさんを連れていく事に。

 龍王とまみえるという事でどうしてもついて行きたいと、ヴァイスさんが自ら志願した。

 そしてカク爺はというと、自らはレオナさんを指名したが本人がめちゃくちゃ嫌がった……というか、本当はレイアさんに会えるから行きたいけどカク爺の弟子にはなりたくないらしい。

 気持ちは分かる……。

 そこで私が独断と偏見で選んだ。


「レントちゃんで」

「ええっ!?どうして私なんですかっ!?」

「そうじゃ、何でこのちんちくりんの小娘なんじゃ!?胸はそこそこええもん持っとるが」

「黙れエロジジイ。何基準で選ぼうとしてんのよ。レントちゃんは次期魔王候補とも言える程の実力の持ち主なんだから適任でしょ」

「だから、私は魔王になんかなりませんってば!!」


 だが連行する。

 契約があるために、私に対して敵対行動を取れないレントちゃんは渋々ながら従った。


 『どこにでも行けるドア』で出た先には、また扉があった。

 それはどうやら魔導具らしく、いきなり扉の中には飛べないらしい。

 そして、その扉が選別を兼ねていて、最低限勇者か魔王に足る実力を持っていないと入れないとか。

 但し本当に最低限なので、勇者の弟子であれば大体通過できるらしい。

 当然の如く私達は難なく通過出来た。


 扉から入るとすぐ、かなり大きめの広間になっていた。

 その中心には、この会議に名を冠する『円卓』が鎮座していた。

 円卓を囲むように豪奢な椅子が置かれていて、そこに腰掛ける者や椅子の付近で談笑する者など疎らに集っていた。


「人数的にまだ全員は揃ってないみたいだね」

「じき来るじゃろう。それより、会議の前に挑発に乗って争いを起こさんようにな」

「大丈夫だよ。そんな簡単に挑発に乗るように見える?」

「見えるから言うとんじゃ」


 私ってそういう風に見えるんだ……ちょっとショック。

 私とマル婆が話していると、後ろから殺気を放ちながら近づいて来る者が。

 挑発以前にもう相手の方がやる気なんだけど、どうしたらいい?

 しょうがないので、なるべく穏便に済ませようと気は抑えて振り向くと、そこには鬼の形相のキャサリン姉が……。


「ア〜イ〜ナ〜ちゃ〜ん?」


 こ、怖い……。

 修行でかなりパワーアップしたのに、これ精神に来る攻撃だから抗えないんですけど。

 私の方が魔王なのに逃げれる気がしない……。

 その後、めっちゃ説教された。

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