119 ドラゴン狩り
「救毛主様の事はハーゲンの情報網で聞いております。貴方様であれば実力的に不足などあろうはずがありません」
ヴェリー軍曹に認めてもらえたので、私の代表も決定だね。
「あいつ何者だよ……ヴェリー軍曹が敬語使ってるの初めて見た」
「っていうか、何であの強力なスキルでFクラスなんだよ?」
「いや、それ以上にレントのスキルで何で稲妻なんて出せるんだよ?何が起こってるんだ?」
Fクラスの人達があれこれ言ってるけど、もう代表が覆る事は無いと思うよ。
あとはレオナさんのレベル上げだよね。
「そういえば、レオナさんのスキルって何?」
「私のスキルは『魔法剣士』です。魔法と剣の両方が強化されます」
あぁ……器用貧乏の代表格じゃん。
いろんなRPGで、特化できないせいで中盤までしか活躍できないキャラだ。
レイアさんの『閃紅』みたいに尖ったスキルを極められたら、そりゃあ勝てない訳だよ。
しかもレオナさんは魔法を使う時に剣を持ち替えたりしてるし、スキルが全然活かせてない。
最低でも無詠唱で右手以外からも魔法を発動できるようにならないとね。
まぁ魔力量増えたし早々負ける事は無いと思うけど、Aクラスの代表達は強者揃いらしいから、念には念を入れておく必要がある。
水魔法使いはあんまり大した事無かったけど……いや、もしかしてさっきの水魔法使いが稚拙な魔法しか使わなかったのは、こっちの油断を誘うため?
油断大敵、これは私も全力で迎え撃たねば。
「と言う訳でレオナさん、ドラゴン狩りに行きましょう」
「どういう訳ですかっ!?話の脈絡が無さ過ぎてついていけません!!」
「私とレントちゃんに追いついてもらうために、レオナさんの特訓が必要という事だよ」
「確かに今の私ではお二人に勝てないですが、そもそもドラゴンにも勝てないです……」
「大丈夫。今の魔力量なら十分勝てるから」
それでも不安そうな顔をするレオナさんを引き摺って、ひとまず学園から出る事にした。
レントちゃんはドラゴンと聞いた瞬間に青い顔をして逃げた。
魔王からは逃げられないけど、魔王は逃げれるんだね。
そしていったん私の家まで戻って、ヴァイスさんに声をかける。
「ドラゴン狩りに行くけど、一緒に行かない?」
「話の脈絡が無さ過ぎてついていけません」
レオナさんと同じ事言われたよ。
「このレオナさんの特訓のためにドラゴン狩りしようと思って。でも、食べていいドラゴンとそうでないドラゴンの区別がつかないから、ヴァイスさんも一緒に来て欲しいのよ」
「食べていいドラゴンですか……。確かに私の元部下達を食べられるとちょっと困りますね」
「ドラゴン狩りのついでに、龍王の支配から解放していこうと思ってるんだけど」
「なるほど。承知しました」
よし、ヴァイスさんが付いて来てくれれば、美味しい食材もゲット出来て一石二鳥。
いや、ドラゴン達の解放も出来るから一石三鳥だね。
しかしレオナさんは若干困惑している。
「アイナ様、龍王とかいう単語が聞こえた気がしたのですが……?」
「……気のせいだよ」
ジト目可愛いねレオナさん。
さぁ、ドラゴン狩りへレッツゴー!!




