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【完結】毒針クリティカル  作者: ふぁち
第三章『学園編』
109/258

109 Aクラス

 金髪に碧眼で顔立ちは整ってはいるが、いかにも軟派な雰囲気の男がレオナさんに絡んで来た。


「エクアルト……」

「もしかしてレオナちゃんもこのダンジョンに入るつもりぃ?ここってCランク以上の冒険者が一緒じゃないと入れないんだよぉ」


 エクアルトと呼ばれた軟派男が挑発するように、腰を曲げながらレオナさんを下から見上げる。

 それを心底嫌そうな顔でレオナさんが見下ろす。

 そこへ更にAクラスの腕章をつけた人が2人近づいて来た。


「なんだ、レオナか……。お前ではこのダンジョンは無理だろう?」

「おいおい、俺達でも危険なダンジョンなのに、レオナの実力で入ったらやばいだろ」


 茶髪の短髪でいかにも剣士風の鎧を纏った男と、銀髪の軽鎧を着た男。

 3人とも、いかにもAクラスっぽく、Fクラスを見下している感が出ていた。

 レオナさんに話しかけつつも、私とレントちゃんのFクラスの腕章を見て鼻で笑ってたし。

 と、そこでAクラスの人達がタケル君にも気がついた。


「ああ、勇者様に頼ったのか。勇者様はCランク冒険者だしな」


 『勇者様』という言い方にも何か含むモノがあるように聞こえる。

 言われたタケル君も若干顔を顰めているから、間違いないと思う。

 それにしても、同じクラスのタケル君にも絡むって、Aクラスってどうなってんの?

 王女の護衛になる人がやたらピリピリしてるのは、Aクラスの環境が悪すぎるからじゃないかなぁ?

 そこへ更に、Aクラスを引率しているらしき人までやって来た。


「なんだ君たちは?Fクラスの生徒がこのダンジョンに入る気なのか?」


 あれ?この人はなんか見た事あるぞ?

 確か私の入学試験の時に担当教官をしていた人だ。

 この人のおかげでFクラスになっちゃったんだよね……。

 まぁ別に恨んでる訳でもないし、特に思うところは無いんだけど。

 でもあの時のって、スキルがFランクだから試験を受けなくてもいいって事だったんだよね。

 つまり、この人もかなり差別意識が高いって事よね。


「Fクラスの生徒がダンジョンに入るのは、学園の教師として許可できないな」


 案の定、いやがらせとしか思えない事言い出したよ……。

 まぁ確かに学園の教師としては実力不足と思われる人が危険な場所に近づこうとしてたら、止めざるを得ないとは思うけど。

 節々に悪意を感じるから、微妙に納得できないんだよねぇ。


「先生、Cランク冒険者の僕が同行しますので、許可してください」


 そこで我らがタケル君が先生に進言してくれた。

 いいぞ、がんばれ勇者様!


「勇者殿、あなたは国賓なのですよ。何かあっては国際問題になりかねないので、尚のこと許可できません」


 残念、もっとダメになった……。

 先生を無視してダンジョンに入ったら退学とかになっちゃうのかな?

 私は別に構わないんだけど、他の人達は退学しちゃう訳にはいかないよね。

 レオナさんは強くなる為なら退学も辞さない気がするけど……。

 面倒事になる前に退散した方がいいか。


「みんな行こう。先生に許可が貰えないんじゃ、しょうがないもん」


 ダンジョンはレオナさんがレベル上げにいいと言うから来ただけで、私的にこだわりがある訳じゃない。

 その辺の山にもけっこう強い魔物とかいるかも知れないし。

 何故か勝ち誇った顔のAクラスの人達を尻目に、私達はダンジョン入り口から立ち去った。

 絡まれてまでレントちゃんの冒険者登録したのが無駄になっちゃったなぁ……。

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