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生きる。  作者: 泉 紅湊
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強者

性が顕著に出てくる小学校では、意思に反して強者は貴人の意思などお構いなしに理不尽な要求をしてくる。


もちろん被害者は貴人独りだけではなかったが強者のそれは放課後の帰宅時間にはランドセル持ち係を勝手に強要されること


また、ストレスの捌け口にされているのか挨拶と称して背中を力一杯に叩かれることといった謂れもない苦痛

を彼はその身を持って味わっていた。


なぜ自分は何も悪いことをしていないに関わらずこんな仕打ちのようなことを受けているのか…


貴人は理解ができなかった。


しかしその反動なのか彼の心の中には感情として怒り、憎しみはしっかりと根付いていた


そういった感情を彼は独りで帰路に帰る途中にいつも味わいある日気づけば頬から涙が訳もわからず溢れ出してきていた。


強者であれば何をしてもいいのか貴人は納得できずにいた。


そんな日常が続いたある日。彼は夕方の土手の水平線から眩しい光を感じた。その光の先に目を向けるとその先には


辺りを焼き尽くすかのような紅が煌々としかし一方で苦痛なんて存在を忘れさせてくるれる優しく美しい光があった。


貴人は思った。


理不尽と思っていたこの世界。しかしここにはこんな神秘的な出来事もある。


なんで神様はこんな綺麗なものがこの世界にあるのに自分が今感じている理不尽な出来事を存在させているのかと強く疑問を感じ同時に


神という全知全能の神がこんな理不尽な世界を許している


それはなんて残酷なもの


そう貴人は感じた。


しかしそんな葛藤を一蹴するかのように日常は悲しいかな平凡な中にもしっかりと日々の暴力、暴言の影を落とし込んでいるのだ。


この世界に救いあるのか


貴人は薄々日々の生活の中で完全な心の安寧なんてものはないのではないかと思い始めていた。


ある時一度暴力に対し口論という形で応戦したこともあった。


しかしその後はと言えば、主犯格のリーダーが命令したのか次の日には靴を隠され教科書を破かれ紙屑と化したそれは床に散乱し


それを教師に見つけられた結果、貴人自身が小一時間理由を問い詰められ、自分は悪いことなどしていないのに自分の現状を周囲に知られたくない一心で必死に言い訳をする惨めな自分がいた。


あの時間は貴人にとっては屈辱的なものの何者でもなかった。


ただでさえ靴を隠され自分の普段必要なものを再起不能にされた挙句、その上教師は





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