心見る事をここに試みた心ない者
私は世紀の大発明をしたのです。
それは『心』を見る事が出来ます。
紳士淑女の皆々様方、まず私は質問します。
『心』はどこにあると思いますか。
なるほど。
胸のあたりだと考える人が多いようです。
素敵な恋愛や英雄譚で胸は高鳴りますし、時の止まった者が物言う事はありませんからね。
頭にあると言う人もいるようです。
きっと聡明な方なのでしょう。人の感情は脳が生み出す電気信号に過ぎません。それが『心』だと言うのも頷けます。
ただ、どちらも正解であるとも言えますし、間違いだとも言えます。
なぜか。
一つ例を挙げてみますね。
貴方が大切な人に贈り物を用意するとします。
素敵な品物を準備する事でしょう。
箱は上質な紙で包まれ、美しく飾り付けられるはずです。
これは『心』のこもった温かい贈り物ではありませんか?
そこには心臓も脳もありません。ですが我々は感じる事が出来るのです。
ここには確かに『心』が存在すると。
そろそろ『心』が少し理解出来たでしょうか。
我々は『心』を見つけようとした時、その時に初めて『心』が見えるのです。
御託はいいからさっさとその発明を見せてみろ?
わかりました。
このすぐ下に『心』はあります。
ここ。
どうです?見えました?
馬鹿にしているのかですって?
おや。
私の『心』が見られてしまったようです。
ですが、全てに『心』がこもっています。




