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エッセイ

あなたはどっち派? ~優劣つけちゃ、駄目だけど~

作者: 久賀 広一

人は、何でもこのみを二極化したがるところがあり、古くからその争いは続いてきた。


「ご飯には納豆か、卵か」

(そんなケンカあったっけ?)


こころ 傷ついて、癒されようとするときは海か、それとも山か」

究極は、

「仕事と私と、いったいどっちが大事なの!?」

という糾弾だろうか。

生憎あいにく、そんな贅沢な質問はされたことがないが)


とりあえず海か、山かをかれれば、私は山を取りたい。

そして、何故か分からないが、ここで「海」を選択できる人ほど、リア充度が高いような気がするのだ。


「夕陽がきれいだね」

そんなシーンを、幼いころからドラマで何度も観てきた。

しかし、私にはそんなセリフはまるで意味が解らないものだったのだ。

「夕陽がきれい? 怖いの間違いだろ? だってあの陽が沈んだら、最低の明日がまたやって来るかもしれないじゃないか」

「・・・とにかく、海はすごいよ。でも何か大きすぎて、これを胸の中で自分の感傷を味わう道具にするには、贅沢すぎるんだ」


そんな具合だった。

とにかく、小、中、高と明日行かなければならない学校が、大嫌いだったせいもある。

そしてなぜか、今日という日がかごであり、明日は不幸でしかないというような、何度も出産をくり返されるような罪悪感だらけの人生を送ってきたのだ。

(ちなみに友人からは、ずいぶん傲慢な奴だなあ、と思われていた)


だから躊躇ちゅうちょなく海を取れる人、あなたは自己肯定感がとても強い人である。

山はささやかな命や恵みで満ちている。そしてどこまでも優しく、雄大な姿勢で人を受け入れてくれる。・・・クマがいなければ。


しかし、海は違う。「母なる~」などと言われることもあるが、あれは全く本当の弱さと強さをを知らない、生まれつき精神的勝ち組の人間の言葉である。


そもそも、穏やかでもあんな力強い波頭をくり返す海が、優しいわけがないではないか!

サメは浅瀬にだって来るぞ!!


・・・とにかく、そういった自分の意識より大きなものを見て、自分が揺らがすに「ああ・・・癒されるわ」などと言える人間は、もともと相当な愛を自分の中に秘めているのだ。


だから精神的リア充は!

つまるところこれである。

でも、山だって素晴らしいんだからね?(知ってるよみんな)

だから、みんな山派にもなろう!!

そうなったら、きっと世の中も穏やかな人が増えると思うんだ。


だいたい海を見に来てるのは、誰かと衝突して傷ついた人が多いように思える。

山は衝突を危惧し、ぶつかる前にふと立ち止まる思慮深さをくれることがあるからね!


(今、自然に海の人をバカにしたと思ったでしょ? そんなことはありません!)


山派の私は、始めからケンカには白旗をあげているんですよ・・・。


「海が好きだ!!」

と本当は言ってみたい、作者の夕陽申告でした・・・!




















数年の時が経ちましたが、今では筆者も、海を見て普通に癒やされるようになりました。


長く生きる価値というのは、そういう所にもあるのかもしれませんね…

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― 新着の感想 ―
[良い点] 私は山派です! 山際に沈む夕日! たまらんですね!
[一言] 家が山の中にある自分は星空派 何処にもいかなくていい(田舎だから)、夜空を見上げれば燦然と輝くオリオンの三ツ星。
[良い点] 自分の為に、自分の為だけに出掛けられる事自体が自己肯定高めな証ではなかろうか [一言] どっちも獲るという選択肢 今日はたらこご飯で昨日はシュガートースト、明日はクスクスとカリーじゃダメで…
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