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23 最終課題

面接が始まって3日目。

アルシノエはリチェンツァからの誘いを受け、リチェンツァの部屋へ遊びに来ていた。

そこには、アンゲラ以外の候補者達が続々と集まってきていた。

リチェンツァが自身を含め8人分のお茶と茶菓子を振る舞いながらチェスを楽しみつつお話も盛り上がった。

特に今回、呼ばれいていないアンゲラについての話が多かった。

「まだ、アンゲラ様には守役が少なくとも5名はついているそうです。」

「はぁ?」

「ですから、アンゲラ様だけに守役がついているのです。」

「間違い有りません。」

「まさか。」

「それが、アンゲラ様自身がギザーロという守役を入れるよう申し入れしたと。王様もそれを許可して他の守役と同じように昼間はいらっしゃると。」

「このような話がありましたわ。」

「不思議ですわね。」

「王様のお考えがあるのでしょう。」

アルシノエはきっぱりとギザーロへの思いを断ち切ったつもりでいたがまだ未練が少しは残っていることが悲しかった。

そんな姿を見せまいとアルシノエはチェスに集中した。

昼前には皆リチェンツァの部屋を後にした。


面接はランダムに毎日1人昼頃呼ばれ1時間少々で終わるというスパンを9人全員が終わるまで続ける。

毎日アルシノエは1枚ずつ聞かれるであろう質問内容とその答えを書くのが面接の日までの日課となっていた。

アルシノエは9人中7番目に呼ばれた。

部屋へ帰ってきてアニタが声をかけた。

「面接はのできはどうでした?」

「雲を掴むような感じで、手応えもあったような無いような。」

マイアがお茶を持ってきた。アルキュオネがこれでもどうぞとリチェンツァからもらったチョコレートを差し出した。

「思っていたこととは違ったことを聞かれたの。だから、私何を言ったのか覚えていないの。」

「まぁ・・・」

「これで、選ばれなくても文句はないわ。」

「終わったことをくよくよ考えてはいけませんわ。」

「やっと終わったのです。しばらくは何も考えずに過ごされてください。」

「せっかくここまで来たのです。大丈夫ですわ。」

ふぅとため息が漏れる。

「もし合格したら・・・」

「お坊ちゃま方にも一度相談を。」

それからはより静かにアルシノエは過ごした。

最後の候補者の面接が終わった翌日結果が公表された。

9人の名前があったがアルシノエの名前だけがなかった。

「え・・・ない。」

「そんな。」

「あら。あら。」

最後の課題で残らなかったのでアルシノエは侍女達に命じた。

「じゃあ、荷物をまとめましょう。」

「そう。ですね。」

「皆様にお別れを言いに参りましょう。」

「あ、ミハリス様へ残念だったと報告は?」

騒々しくクローゼットの中の物をまとめはじめた。

半分ほどに作りが終わったところで、ドアをたたく音が聞こえた。

申し上げます。の一言で誰が来たのかすぐにわかった。

「あの。ってあの!!」

「あら?」

「長老会、会長様からお呼び出しです。そのまま長老会会長室へご案内します。」

アルシノエと侍女達は言われるがまま部屋を出た。

アルシノエの部屋には長老会側の伝達者が鍵をかけ施錠した。

彼の後をついて長老会の部屋まで行くことになった。

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