日本海海戦の前夜
通信班の一人が艦橋に血相を変えて飛び込んできた。
「緊急電であります、たった今アメリカ軍のグローバルホークが北朝鮮の小型艦艇やく80隻を発見したとのことです。
予想では、明日の0030には日本領海に到達するとのことです。」
桜井をはじめそこにいた参謀たちは驚きを隠せなかった。
なぜなら、いままでの数々の海戦において北朝鮮艦隊は戦力の70パーセントを消費したはずだったし、
北朝鮮本土の戦闘艦をかき集めたとしてもそこまで集まらないはずだからである。
それに、本土防衛のための艦艇も必要だったためなお、艦艇はあつまらないはずである。
しばしの沈黙の後、桜井はいった。
「敵さんも大型にこだわるのをやめたようだな。たしかに小型艦は耐久性はないしかし、速度や旋回性能は我々のどの艦よりも上だ、今回はやっかいな戦いになりそうだな。」
桜井の言葉は実に重かった。
グローバルホークの情報によると大体がミサイル艦だ、たしかに対ミサイル装備は各艦にしているが
これだけの数だ全てを防ぐのは難しい。
そのような不安を抱きながら作戦会議がはじまった。
桜井は、北朝鮮のミサイル艦隊の侵入予想海域をさしながらいった。
「0030よりこの海域で海戦を交えるだろう、そこで敵の性質から考えて各艦距離をとった状態で陣形をとる。そして、敵のミサイルを迎撃・回避しながら主砲で敵艦隊をせん滅する、尚今回は
対空ミサイルを少し出雲でおろしミサイル迎撃装備をのせ海域に出向する。0000から、その間予想海域に移動しつつ各乗員に休憩を取らせる。」
乗員たちはもしかしたら最後になるかもしれない食事をとった、もうすでに各艦長から厳しい戦いになると聞いていたため、遺書を書くものもいた。
一方、扶桑艦橋では桜井がグローバルホークからの情報の報告書を読んでいた。
予想通りに北朝鮮軍は予想海域に向かっていた。
桜井は海戦中に集中力が途絶えるのをおそれ、指令室で仮眠をとった。