海戦の火ぶた3
ドゴン!ドゴン!ドゴン!
一斉に主砲が火を噴いた。
この砲撃を受けた第12艦隊司令長官秀編は驚いた、
攻撃されたのからではなく、来たのが砲弾だったことである。
現代の海戦では初め対艦ミサイルを撃ち込んで距離が近くなったら速射砲による砲撃が主流だったからである。
ましては、この第3護衛艦隊の事をしらない北朝鮮軍はただ、速射砲による砲撃としか考えることしかできないのである。
だがそれを詳しく考えている暇は秀編にはなかった。
一刻も早く反撃を、、、、、だが秀編は自分の艦隊の全貌を見て絶望した。
多くの砲弾が護衛艦に大きなダメージを与え、反撃よりも退艦命令を出さなければいけない状態だった。
その時知った・・・砲弾がただの速射砲から打ち出された砲弾ではないことそしてそれが大砲ということも、しかしそれを知った瞬間長門から打ち出された砲弾が秀編の艦の艦橋の直撃し、そこにいた秀編長官をはじめとする官僚全員が即死した。
司令官をうしなった艦隊の指揮系統は混乱し、艦と艦同士の衝突や、後から打ち出された対艦ミサイルにより、壊滅状態に陥り、結局残ったのは中破した空母襄潤のみで、1時間ほど逃走していたが機関室の被害が拡大したため投降した。
襄潤の報告書を見ながら野崎は言った。
「あっけなかったですな。」
「ああ、だが油断は禁物だ。」
桜井が言ったことは実に的確だった、北朝鮮軍がいつどこに、どれほどの戦力で現れるかを確実に分からない限り、第3護衛艦隊は常に危険と隣り合わせなのだ。
実際2日前、第5護衛艦隊が北朝鮮軍第25ミサイル艦隊と交戦後、帰還途中で全滅を免れた数隻ミサイル艇により大打撃を受けたのだった。