公爵令嬢、ギルドに登録する
時間が空いてしまってごめんなさい…!
書き終えて満足していました笑
ポイント、ブックマーク、本当にありがとうございます!
「ギルド登録ですか?」
「はい!」
ギルドの受付の前で私はとってもとっても幼稚な感想を抱いていた。
(わー超美人。
すっごい美人。ギルドとかの受付嬢が美人ってマジだったんだなー。)
茶色のセミロングの髪に、綺麗な茶色の瞳。
整った顔は、すっごく小さい。
「ではこの用紙に必要事項を記入して、この水晶玉に手をかざしてください。」
差し出された用紙に名前(苗字は抜いた)と年齢を書き終え、水晶玉に手をかざすと水晶玉が青く光る。
「はい、大丈夫です。
少々お待ちくださいね。」
「あの、この水晶玉はなんなんですか?」
「あ、これは二重登録を防ぐ為のものです。
二重登録をして犯罪を犯す者も居たので、30年ほど前に開発されたそうです。
ちなみに冒険者ギルド等に登録している場合は赤く光ります。二重登録の場合は黒くなります。これは更新を忘れていた方の身元確認にもなるんですよ。」
「へー、すごいですね。」
小さな水晶玉は物凄い万能アイテムだったらしい。ギルドってすごいと思いながら私はお姉さんが登録を終えるのを待った。
「はい、どうぞ。
ギルドカードになります。
無くすと再発行に銀貨2枚が必要なので気を付けてくださいね。」
「はい!ありがとうございました!」
「やった〜ギルドカードゲット!」
るんるん気分で石畳の上をスキップする。
(加護付きのハンカチとか服とかギルドに売って、お金貯めて、冒険者になって、お店とか開きたいなー、やっぱり洋裁店?喫茶店もいいよねー)
夢は広がる一方で。
「とりあえず家帰ろ〜っと。」
ふわふわした気分で私は帰路についた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
可愛い子だったなー」
私の名前はゾフィー・リグレクト。
幼い頃、王都支部の冒険者ギルドマスターである父に拾われ、育てられた。
私の規格外の魔力量に興味を持ったらしい。
魔力量で拾われたなんて喜べばいいのか悲しめばいいのか微妙なところである。
なんだかんだとSランクまで登り詰めた父から訓練を受けている間にそれこそ人外な強さを身に付けてしまったらしく、冒険者として活躍したのはたったの5年だった。
暇を持て余していた時に父から
『お前は頭もいいし、商業ギルドの受付でもやってみないか?』
別に断る理由もなかったし引き受けたのだが
ここで私の“ある記憶”が役に立った。
お察しの方もいるだろうが私はいわゆる転生者である。
前世の私は思いもしなかったにちがいない。
就活のためにしぶしぶ勉強した簿記の知識が転生してから役に立つなんて!
まあそれはどうでもいいのだ。
(あの子、なーんか見たことあるってゆーか
会ったことあるってゆーか…)
世界中を飛び回る冒険者である。
どこかで会ったことがあってもなんら不思議ではないのだけれど…
(そーゆーのじゃないんだよなー。
んーなんだろ、誰かに似てる…あ、雅か?)
斉藤雅。
前世の私の友人で、中学3年で亡くなった。
父親に嫌われ、母親に忘れられと大問題を抱えていた彼女に雰囲気が良く似ていたのだ。
(てことはあれ、雅?)
自分が転生したのだから相手が転生していてもなんら不思議ではない、と結論付けて私はにやりと笑った。
(ってことは他の2人も来てるよね。
ラッキー♪)
4人の中で一番のトラブルメーカーを弄るのが自分の毎日の楽しみだった。
「なんだ、面白いことあったじゃない。」
大声で笑いたくなるのを堪えつつ、私はさっさと仕事を終わらせるべくにっこりと笑顔を浮かべた。
読んでいただいてありがとうございます。
今回は新キャラでました(≧∇≦)
いかがでしたか?
楽しんでいただければ嬉しいです!