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私じゃないけど私

作者: 月の子守唄
掲載日:2016/01/24

私の中のきっとが溢れでた結果です

目が覚めるとそこは真っ白な空間だった。窓も扉もないただただ真っ白な。しかし何もないはず空間には沢山の人がいた。みな似たような顔をしているのにどこか違う。まじまじと目の前の人の顔を見ると私は息を呑んだ。


その顔は毎朝鏡で見る顔だった。


何故、毎日見てる顔と同じなのにすぐに気づかなかったのだろう。そこにいる人全員同じ顔なのになぜ私は気づかなかったのだろう。


次に私は右斜め前にいる人の顔を見てみた。顔の形は全く同じ、しかしさっき見た人の顔とは違っていた。さっきの人は目があまり開いておらず、口もへの字に閉じている。しかし、今見ている顔は目はあまり開いていないものの、閉じた口の口角は上がっていた。それだけで同じ顔の二人の印象は全く違っていた。


ハッとして周りを見渡す。そこにあったのは同じ顔のはずなのに全然ちがう顔だった。

目が大きくみえる顔、眉が薄い顔、うつむき加減で憂鬱そうな顔や何故か鼻が高く見える者までいた。

そして私はもう1つ、ここにいる人たちの違う点に気づく。


着ているものが全然違う。水色、ピンク、赤、青、黒、特に黒色を着ている人が多かったものの着ている服は全然違っていた。そして次に気づいた皆の違いは体型だった。少しお腹が出ているもの、足が細くなっているもの、痩せすぎているもの。基本的な体格は同じはずなのに全員少しずつ違っていた。


まじまじと見ていると次は後ろから声がかけられた。

「私は父と母の離婚の後母親の方に付いて行きました。」


その言葉にその声に、そしてその言葉を放った彼女の姿と表情に驚く。

彼女の服装は特に流行りを取り入れているわけではないし所々よれていたが、彼女の表情はとても明るかった。目を大きく開け、広角を上げて喋っている。彼女を火切にしてそこにいる人たちが一斉に話しだした。


「私は父親についてっいったけど、新しいお母さんと上手く行きませんでした。」

「私は、中学の時の同級生と結婚しました」

「うちは、おじいちゃんとおばあちゃんちで暮らせて幸せだよ」

「私は私の偏差値より少し高い高校を受験したけど落ちました。」

「私は高校受かったよ!」

「今でも、クラスメイトから死ねって言われたこと覚えてます」

「今ね!すっごくレベルの高い大学に行ってるんだよ!」

「私は大学を諦めて就職したんだ」

「うち、親友ができたんだ!」


同じ声なのにどこか違う声が部屋を騒がしく彩る。


目の前にいる人たちは私のはずなのに私じゃない私の辿った人生と違う道を辿った私。私が憧れていた大きな目、細い体を手に入れた私、私のやりたかったことを思う存分経験した私。同じなのに別の人。


何故かその瞬間私の体は震えだした。

恐怖で脳が染まる。

私は間違えてた。こうやって生きていれば。この道を選んでいれば。その思いが湧き上がり、今までの私をすべて否定されてる気分だった。そんな私の目の前にやってきて1つ大きな鏡を立てた彼女。

彼女はここにいる人たちの中で1番表情が明るく、服も綺麗に着こなし、体型も痩せているのに出るところは出ているという素敵なものだった。

そんな彼女が立てた鏡に写っている私は、この部屋の中にいる誰よりも憂鬱そうな顔を浮かべ、太り気味で髪の毛も雑にまとめ、そしてこの部屋にいる誰よりも見慣れた顔だった。



辿ってきた道が違うとこうまで顔も違うふうにさせるのか。私の小さく細い目は鏡の中の私を睨んでいた。卑屈な私の口元は歪んでおり、口角は上がっているのに笑っているように見えない。



不意に右側から声がかかった。


「あなたの大切なものはなんですか?」


私は……


目の前の彼女から声がする。


「私は、実の母親と血の繋がったの妹です」



それは私が思ったのと同じ答え。

そんな私を代弁するように周りにいる彼女たちも、私も私もと声があがる。



私と彼女たちはこんなにも違うのに同じだった。

その事実が次は私を優しく溶かした。



私は何もかも否定する人間だった。自分の気に食わないこと、やりたくないこと、そして自分自身。

私はとても卑屈だった。どうせ私なんかが口癖で何度も泣いた。

しかし、事実が私の卑屈な黒い塊は溶かした。


私は彼女たちみたいになることもできたんだと。

読んでくださりありがとうございました。


きっと、あなたの選んだ道によってはあなたはもっと素敵になってたかもしれないし、堕落してたかもしれません。

拙い文ですみません

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