第90話 ドラゴンとの初遭遇
昨日2つに分けたものの後半部です。
あのトカゲ、私達の位置が近すぎて気がついていなかったようだけども・・・このまま逃げれると思う?
「無理だと思うよお姉ちゃん・・・」
かなり離れたところから空に舞い上がっている爬虫類を見つつナナリーちゃんと会話する。
だよね・・・あれこっちに気がついてるし・・・。
空飛ぶ爬虫類・・・こっち来てますね・・・。
しかたない・・・迎撃準備と行くのです。
初死亡があの爬虫類相手とは少し悲しいです。
「え~~!!ランお姉ちゃん、いままで死んだことないの?」
ヒカリちゃんそんなに私が死んだことないのが不思議ですか?
勝負とは生き残ったものが勝ちなのです。
生き残るためには「綺麗」だとか「汚い」とか言われるのもクソ食らえなのですよ?
そんな戦い方する私が死ぬなんてことありえないではありませんか。
「「「「・・・・」」」」
約一名除いてドン引きですね。
良い反応です。
ちなみにロージー君はなぜうなずいているのでしょうか?
君の年でそこまで達観されていると逆にこっちが心配になるのですよ。
あっとそろそろでっかいトカゲが来ますね、というか口の中に炎溜め込んでる???
散開!!
ランの合図でいっせいに散開する子供達。
なかなか鍛えられてます、普段の訓練の賜物ですね。
米海兵隊程ではありませんがわが国の海上自衛隊程度には鍛えてあります。
集団行動には上官命令にはまず考えるより動くこと!
普段の訓練がきちんとできていてお姉さんはうれしいですよ。
ランが散開した後を炎が走る。
ふむ・・トカゲの名前は・・・・【Shooting Star】・・・種族は・・・やっぱりドラゴン・・・?・・・【Welsh Dragon】??
へ??公式HPに載っていた【Red Dragon】じゃない?
確かに公式に載っていたドラゴンより2回り以上大きいが・・・
もしかしてこいつ・・・【Welsh Dragon】って【Red Dragon】の上位種ですか??
固体名と種族名除いて【観察】スキル使ってもその他の情報は得られませんね・・・。
つまり今の【観察】スキルがレベル42だからして・・・単純にレベル47以上のモンスターというわけでして・・・
あかん・・・勝ち目ないかも・・・
とりあえずフレンドチャットならびにギルドチャットを開放して報告することに。
峠越えた先の大草原でドラゴンと遭遇。
ちなみにどうもレッド・ドラゴンの上位種らしい。
種族名はウェルシュ・ドラゴン、固体名はシューティグ・スター、炎竜です!
同時にいくつか【Shooting Star】のSSを撮影しておく。
子供達に絶えず指示を出しながら回避行動に専念させておく。
チャットではドラゴンと聞いて悲鳴を上げまわっているが正直こっちにはそれに答えている余裕はない。
ゴーレム達に岩石投げによる対空射撃を指示したがどうも効果がない。
とりあえず空飛ばれるとこっちは攻撃手段がガクッと減ってしまうので何とか地面に下ろしたいところだが・・・。
ドラゴンの全長は10メートル前後・・・いけるか?
アイアンレンジャー 飛びついて押さえ込むのです!!
ランの指示で背中のロケットの固形火薬を噴射させて飛び上がるゴーレム達。
ドラゴンに取り付き・・・5体の重量をドラゴンにのせかかる。
さすがにゴーレムの重量までは支えきれなかったのかそのままドラゴンも地面に落下。
そこに再び大量に製作されて待ち構えていたクレイゴーレム達がドラゴンの上に次々と乗り込んで自分達の重さでドラゴンを拘束していく。
巨大な粘土の山になってついにドラゴンの動きを止めることに成功!
さらにランの手によって【錬金魔法】で粘土の山は鉄の山になりますます身動きが取れないように。
今のうちに逃げるのです!!
とりあえずランと子供達はドラゴンが動けなくなっている間に街があると思われる方向に全力で逃げ出すことに。
あれだけ実力差があるモンスターと素直に戦うのは馬鹿のすることです!
とはランの台詞。
10分程全力で走り、さらに地面の下に土の精霊達に頼んで空洞を作ってもらいその中に隠れること30分。
どうやらドラゴンはこちらを追いかけるのをやめたようでどこかに行ったようです。
念のためもう30分隠れてから出発することに。
さすがに今回は死ぬかと思ったのです・・・。
空洞の中で子供達とへたばりながらボソっとランはつぶやく。
「とりあえず・・・死ななくて助かった・・・」
ホシ君の一言が全員の気持ち。
とりあえず・・・疲れた・・・
現時点で通常のドラゴンと戦うのでもかなり無理がある。
そこにさらに上位種が現れたら・・・
ランの生き残ること第一は現実なら普通のことなのにゲームになるとみんな突貫しますね・・・。
ノリがいいのもわかりますが実際こんなVRみたいなもの開発されたら同じことできますかね?
かなり恐怖なきがするのですが・・・。




