第89話 アイアンレンジャー
長くなりすぎたので2話に分けました。
「「「「「・・・・・・」」」」」
今ヒカリ達の目の前を赤・青・緑・黄・ピンクの色をした西洋鎧の出来損ないみたいなゴーレムが5体、前を進んでいた。
素材は鉄らしい・・・色々と突っ込みたいところはあるが・・・
その・・・この山のモンスターに対しては実に有効な手段だった・・・。
そもそもはランがこの山に大量に出るモンスター対策として魔法で製造して見せたのが始まりだった。
最初は粘土の塊だったのがランの「魔改造」の一言で体が鉄に変わりそれぞれカラフルな色に変わった。
西洋鎧の出来損ないのデザインになんか高い鼻が付け加えられている・・・。
あげくに背中になんかロケットみたいなのがついてるし・・・。
鋼鉄戦隊アイアンレンジャー達よ目の障害物はなぎ払って進むのです!
なんてランの号令で先導する形で進みだす。
地上で敵に会えば「パンチ」だ「キック」だとランの指示により5体でフルボッコ。
空から敵が来れば「射撃用意!撃て!」の合図で岩を掘り出し両手で敵めがけて投げる。
動きが鈍い代わりに力はあるようでゴーレム達だけで敵を粉砕していき正直ヒカリ達はやることがない。
さすがに連戦重ねると壊れるゴーレムもでるがすぐさま同じ色形のゴーレムがランにより作られ補充されていく。
正直このまえしたクエストの時の大リンクはなんだったんだといいたいぐらい余裕で進む。
敵の数は変わらないのだが1匹倒すまでの時間が短いのでリンクしても余裕でさばいていたりする。
今では同じ峠越えの目的の他のPTがちゃっかり後ろからついてくる始末。
ちなみにクリエイトゴーレムの魔法に興味を持った他のPTの魔術師が教えてくれといっていたがまったく教えていない。
まぁ、ほとんどのものがどうせ使えないのだ。
なにしろ【精霊魔法】の一種であり【属性魔法】ではないので使うことがほとんどの人が出来ない。
ちなみに全プレイヤーのうちハーフエルフは全体の4%以下だったりする。
そして【精霊魔法】の使えない人には【精霊】を見ることが出来ない。
よって【精霊】が見えない者にしてみれば知らない魔法を見てもそれが【精霊魔法】か【属性魔法】かわからないのだ。
ついでにいえばランが【錬金魔法】といってるのも土属性の【精霊魔法】の一種のため真似したくても出来ないものだったりする。
山頂まで2時間、そのあいだヒカリ達は魔法や矢を数回撃っただけで余裕で到達。
ここで一旦休憩を挟み食事にすることに。
ランはさっそく簡易中級野外調理セットを展開して食事作りに取り掛かりヒカリ達もまわりから薪などの調達をしてくる。
とりあえずまずひとつは定番の揚げ物。
なにしろここに来るまでに鳥のモンスターを叩き落しまくっていたので肉は腐るほど回収している。
【鳥肉竜田揚げ Lv.7】
プレイヤー生産品 (生産者:ラン)
時間がたっても、サクサク、カリカリな鳥型モンスター肉の竜田揚げ。
生姜風味
満腹度+50 3時間STR+5
これを食パンにチーズとレタスを一緒にはさんで製作。
【竜田サンド Lv.7】
プレイヤー生産品 (生産者:ラン)
鳥型モンスター肉の竜田揚げを挟んだサンドイッチ。
生姜風味
満腹度+70 3時間STR+5 AGI+3
他にコンソメキューブを使った楽チンスープを製作。
【コンソメスープ Lv.4】
プレイヤー生産品 (生産者:ラン)
ベーコンと乾燥キノコを使った野外簡易コンソメスープ。
満腹度+30 1時間 MND+3
コンソメスープの元の塊であるコンソメキューブは野外調理には便利なものだ。
粉ではないので持ち運びも楽だし。
これに塩ベーコンと乾燥キノコを入れただけのスープ。
塩ベーコンに塩が大量に含まれているのでコンソメキューブ以外は調味料はなし。
しかも乾燥キノコや塩ベーコンは保存食なので事前にある程度加工してあるのでせいぜい切るぐらいしか作業はなく便利である。
飲み物はミカリの汁を混ぜた水を水筒ごと【コールド】の魔法で冷やしておいた。
さて、お腹いっぱい食べるのですよ!
「「「「「いただきま~す!!」」」」」
回りの視線は一切気にしないのです!
あなた達は携帯食、私達はたんにここで作ることを選んだだけなのですから。
涎垂らしたってあげないのですよ?
これは私達の食事なのですから。
一時間ほど休憩した後再出発することに。
再び先頭を歩く鋼鉄戦隊アイアンレンジャー、なぜか全員腕に「28」の数字が描かれいるが気にしては負けだと思う。
スルースキル最大でお願いしたい。
山の反対側の下り道には意外なことにモンスターの沸きはなかった。
そしてついに・・・大平原・・・
てか目の前に巨大な爬虫類が・・・。
あっ・・・ブレス・・・
・・・なぜか私達を無視して後ろからついてきただけのPTたちに襲い掛かる巨大な空飛ぶ爬虫類・・・。
霊感がささやくのですよ・・・あれはまずい・・・逃げるべきだと・・・
というわけでアイアンレンジャーも引き連れて全力で前進という名の逃走開始なのです!
しばらく走ると後方で巨大な爆発音・・・
聞こえない・・・僕知らない・・・僕関係ない・・・・
とりあえず尊い犠牲の元にミルシャに続く大平原に私達は突入したのです。
鉄○が戦隊物に・・・
ハンマー○ンチが以外にお気に入り。




