第82話 個人戦本戦 ②
-SIDE ファンファン-
「ぐわーーー!今度は3つもひとつの武器から魔法出しやがった!!」
隣で頭を掻き毟りながら悲鳴を上げる連合会幹部の一人。
驚いたわね・・・。
まさか複数の魔法を発動させる武器の製作方法があるなんて。
しかも刃の収納から魔法杖としての機能まで。
いったいあの武器はどれだけの隠しギミックとエンチャントをかけてあるのかしら。
大会終わったらぜひとも聞きたいわね。
せめてヒントだけでも。
それに・・・あの防具、普通の『布』製ではないわね。
色付けされているからよくわからないけど防具全体がミスリルなどの金属の特性と同じように魔法の効果が高まっている感じがするわ。
魔法発動時に衣服全体に魔力が流れ込んだような反応があるわね。
ということはあの衣装そのものにもなにか仕掛けがあると見て間違いないわね。
そもそもランちゃんは格闘かショート武器を使った近接戦闘が主体ですものね、いくらネタの為とはいえ防御力犠牲にするかしら?
さっきの試合では圧倒してしまったため一発も攻撃を食らわなかったのでよくわからないけどランちゃんのことだから絶対あの衣装もとんでもない仕掛けがあると思うわ。
にしても・・・ランちゃんリリカルの再現高すぎよ!
私もなんか考えて作らないと負けてしまうわ!
-SIDE OUT -
-SIDE ラン-
【ライト・ストーム】の連発やっちゃったけど武器の耐久度減らなかったな・・・。
光属性なら大丈夫なのかそれとも4発だけだったので影響なかったのか・・・。
う~ん・・・もう少し試してみないとなんともいえないな・・・。
本音で言えば【ブースト】系の魔法があればそれをつけて撃ちたかったのだが・・・光属性魔法スキルレベル80だっけ?
複数の人で確認されたらしいから間違いないだろうけど俺にしてみたらはるか先の世界の話だよな・・・。
防具のほうは使ってみた限りとりあえず支障はない。
とりあえずこのまま行くとしてだ・・・。
今公式掲示板をあけているのだが・・・『魔砲少女ラン』というスレッドを見つけてしまい。
動き・思考が完全にフリーズ状態・・・。
スレッドを立てたのが・・・・【エリウス】・・・どこかで聞いた名前・・・。
しばらく考えていたら気がついた・・・次の対戦者じゃあ~りませんか~・・・。
試合前にちゃんとお話したほうがいいようですね・・・。
ランの眼が次第に光を失い碧眼が暗くなっていき口元からは小さく笑い声が聞こえ見るものが見たら暗い炎を背後に背負っているのが見えただろう・・・。
すくなくともランを知っている仲間なら絶対そばに近寄らない状態にランはなっていた・・・。
-SIDE OUT -
-SIDE 運営管理室-
「工藤の奴考えたものだな。」
社長の新藤は先ほどの試合を見た後、ランの装備一式を解析させその結果を聞いて感心していた。
「魔法強すぎませんか?」
他の社員は暗にメンテナンスで弱体化しますか?と聞いているようだ。
「いや、魔法に関してはあんなものだろう、今の生産者連絡会だったけか?あれが意図的に性能を抑えているのが原因だし、もっと性能いいの出してたらミッションだってもう少し楽に出来るだろうに。生産者が低いほうにあわせているからああなるんだろう。現に今工藤が着ている装備クラスなら魔法に対してああも簡単に倒されたりしないだろう。」
「もっとも金糸をヒントに各種金属で糸を作って布を織るとはさすがに想像しなかったがな。ありゃ素材の一大革命だな。」
「確かにそうですね。」
新藤の言葉に社員たちもうなずく。
ランの作った金属糸布は元の素材の80%程の強度設定と絹布並みの軽さであるとゲームシステムは認識して登録されてしまっている。
しかもそれぞれの金属特性をそのまま継承してだ。
さすがに金属のときみたいに『厚くして』丈夫にするということは出来ないが布防具や皮防具の活用範囲が大きくなったことは立派な利点といえよう。
問題はランしか今のところ作れないということだ。
ランが他の人に作り方を教えればともかく果たして教えるかかなり疑問だ。
もっとも親しい人には簡単に教えそうな気がするから以外に作り方が広まるのは早いかもしれない。
問題は『メッキ』するのには【上級錬金術】が必要なことと『メッキ道具』が必要ということ。
メッキ道具自体ランの自作だしな・・・。
そもそもメッキに必要な電気を溜める『バッテリー』を果たして何人が作れるか・・・。
というかどこでバッテリの造り方調べたのか俺が教えて欲しい。
錬金で硫酸作りなどでバッテリー液出来たのには驚いた。
部下にその手のことに詳しいものに聞いたらあれならば問題なくバッテリー液になるとか言ってたしな・・・。
工藤、たまにお前の雑学知識には驚かされるよ。
-SIDE OUT -
現在の車のバッテリーの大部分は希硫酸で出来ています。
濃度的には35~40%弱ぐらいだそうです。
現実でこんな危ないもの作られたらたまりませんがゲームのなかは錬金術という便利なものがあるのでそれで説明を片付けました(笑)
これをよんだ友人にどうやってメッキしたんだよといわれて答えたのがこの答えです。
ちなみに充電は雷系の魔法でピカッと(笑)
05/21 誤字脱字修正




