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One in the WORLD  作者: 黒鷹
第3章 武踏会
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第80話 それぞれの思い

-SIDE ラン-


今闘技場ではPT戦の表彰式が行われている。

とりあえず代表でカナに出てもらっている。


表彰が終わったらリアルで1時間ほど休憩時間だ。

今のリアルの時間は午後1時。

少し遅めの昼食時間というわけだ。


休憩が終わったら個人戦の部の本戦が行われる。

さてどんな戦法で行こうかな。

別に優勝には興味ない、というよりあきらかにレベルが違うだろうというのが3人ほどいるしな・・・。

まともに戦って勝てるとは思えないし・・・。

こっちが有利なのは武器防具が自分で製作のため制限がないので普通のものよりはるかに高性能で硬いというくらいだしな・・・。

まぁ、見た目は布製だから最初は完全に侮ってくれそうだけどもね。

2回戦以上ではその油断もないだろうしな・・・。

次の個人戦はいかに手の内を見せないで戦うといったことのほうが大事か・・・。

まあ、【鑑定】持ちがいたら一発でわかるんだけどな・・・。

戦闘中に10個しかないスキル枠を戦闘系スキル以外はよっぽどのことかない限りいれてる人間はいないだろうから少なくとも対戦相手のプレイヤーにはばれないかな・・・。


オーク戦の時みたいに理性吹き飛ばして戦うのはこの大勢の観客の前ではやりたくないしな。

そもそも獲物が大鎌の時点で本来の俺の戦闘スタイルじゃないしな・・・。

魔砲ロッド作っときゃ良かったかな・・・。

そっちの方が受けたかもしれない・・・。

まぁ、熱膨張とかの金属疲労の一件を解決しないと通常の戦闘では使えないからな・・・。

魔法の連射が出来ないなら特別作ってもあまり意味ないしな・・・。

もっと前から研究しとけばよかった・・・。


-SIDE OUT -



-SIDE カナ-


最後の準決勝はそれなりに得るものが多い試合でした。

多人数戦でアイテムを使用したのを除けば (もっとも魔法発動アイテムの使用もお姉ちゃんぐらいのものでしたが) 大規模魔法を使って見せたのも全試合見ても私達の試合でお姉ちゃんのみでした。

ある程度離れた場所からならともかくバトルフィールドが限られているため目の前で乱戦になるのに的確に範囲を限定して範囲魔法を仕掛けるのもすごい技術だがそれ以上に呪文詠唱を相手に悟られることなく絶妙なタイミングで開始し目標を攻撃する技術。

いったいそんな技術どこで身に着けたんでしょう。


ある意味、お姉ちゃんは人とは違うプレーの仕方だ。

図書館に何日もいりびったったり、NPCと井戸端会議なんていうのも日常的におこなう。

かなりマッドなところがあり生産系には「男のロマンだ!」といい趣味を優先したりする。

同時によく草原とかに出かけて何か実験していることも多い。

そして完成したアイテムを持って単独で狩に出て戦闘スキルまでしっかり上げてくる。

土日の昼に子供達と組む時と同じ土日の夜に私達とギルドメンバーで組むとき以外は基本PTは組まない。

平日はほぼ店にこもるか図書館にこもるか単独の狩かの3つしかないような気がする。

あれでこと戦闘スキルは私達より上というのが信じられない。

普通はPTに入って少しレベルの高めの敵と戦ってこつこつあげるのが近道なのに・・・。

何かコツでもあるのだろうか異常なまでの効率の良さでスキルをしっかり上げている。

しかも今回のイベントで生産系のスキルも普通の生産職より上と判明。

少なくとも【錬金術】と【付加技術】に関しては他の人が出来ないことをさも自分にとっては普通のことだとばかり大量に色々なものを生産してこの試合に持ち込み実験していた。

お姉ちゃんにとってはこのイベントも丁度いい研究成果の実験の場でしかなかったようだ。

現に「俺は賞金パス」とかいって私達5人で分ければいいとか言ってたし。


多分このあとお姉ちゃんの店は大変なことになりそうだな。

あれだけ派手に実験してたら同じものを欲しがる人も多いだろう。

そこいらのプレイヤー店でも置いてないかなり高性能な武器ばっかりだったし。

現にうちのシンジ君もアーチェリーは欲しくて仕方ないらしく同じものを造って欲しいとお姉ちゃんにねだってたな。

まぁ、シンジ君はあれと同じものか近い性能のものを手に入れることが出来るだろう。

なんだかんだとお姉ちゃんは身内に甘いものね。

ただ他の人は作ってもらえない。

お姉ちゃんの店は『アイテムショッブ』だ。

武器・防具は生産もしていなければメンテナンスもお断りと張り紙してあるし。

よっぽど仲のいい身内か仲間以外にはメンテナンスも他の職人の食い扶持奪うからといってしないしな。

そんな店に「作ってくれ」と押しかけても「決まりですから」といって受け付けないだろうな・・・。

それとは別にして通常時の武器は別にして『緊急時』用の武器か防具を私もおねだりしてみようかな。

最初は嫌がっても結局しぶしぶな感じで作ってくれるだろうし・・・。

よし!私も何かおねだりしてみよう!


-SIDE OUT -



-SIDE ファンファン-


「回復効果武器が2つも・・・。」


隣で青い顔をしている連合会の幹部達を尻目にファンファンはニヤニヤ笑っていた。

最後の試合のは武器ではなくアクセサリー系しかも通常の【魔法付加術】だ。

きちんとファンファンは見破っていた。

理由までは判らないがそう見えるように刀を振っていただけのことに気がついていた。

普通に宝石に【魔法付加術】をかけてもあそこまで宝石は光らない。

そういうことであれは【魔法付加術】だけでなくなにかしらプラスアルファがあるかそれともまったく別の技術であると睨んでいた。

はたして聞いてランちゃんが教えてくれるか疑問よね・・・。

私も聞かれても教えなかったこといっぱいあるし。

連絡会の規則故というのもあるが自分で見つけ出したほうが数倍うれしいことであることも自分は知っていたから他の人にもそうであって欲しかったのだ。

ランにもそうであって欲しかったので基本的なことはともかく他の事はヒントぐらいしか教えていない。

もっともたった2ヶ月であれよあれよと一部の技術では完全に追い抜かれてしまっている。

おそらく【錬金術】に関してはランちゃんがトップ走っているわよね・・・。

今のところ連絡会でも【上級錬金術】もっている人いないもの。

上級錬金術キットをもってうれしそうに話すランの1ヶ月前の姿が思い浮かぶ。

さらに個人戦3位のリングの製作依頼のときに出たとんでもないステータスアップ値と追加効果の能力。

完全に【付加魔法】スキルのレベルも抜かれている。

【鍛冶】と【裁縫】はまだこちらが上だがどうも【皮細工】は抜かれている気がする。

あと【彫金】は完全に向うの方が上だ。

ランは『アイテムショップ』経営のために【錬金術】と【彫金】は上でも他のところまで抜かれるとこっちの立場がない。

ランは武器や防具は自分の物と知り合いの物しか作らないだろうから店のほうはともかくとして・・・ランちゃんをモデルに使えなくなるのが痛すぎるわ・・・


これは私もしばらくは本格的に修行する必要があるわね・・・。


うふふふふ・・・モデル確保のため負けないわよ・・・・ウフフフ・・・


-SIDE OUT -

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