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One in the WORLD  作者: 黒鷹
第3章 武踏会
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第76話 パーティ戦本戦 ②

ランの常識はずれの危険さが遅まきながら他の生産者にも伝わり始めたようです。

第三試合が始まってる中、連合会の代表たちが先ほどのランの武器を思い出し青ざめていた。


「さっき武器は何なんだ・・・確かにファンファン殿から【魔法の付与】は可能と聞いていたがあんなことできるのか?」


幹部の一人からファンファンに青ざめた顔で聞いた。


「少なくとも私にはあんな連射機能つけるのは無理ですね。私が作るとどうしても通常の魔法と同じようにインターバルが必要であのような連射機能はつけれません。何より【魔法の付与】は使用の制限回数が6以上になることがないです。使用回数を超えると砂になって壊れますしね。」


ファンファンは自分には出来ないという風にそう答えた。


「しかし彼女は現に作り上げているではないか!」


「それは彼女自身が見つけた方法です、生産者は自分の見つけた技術を他人に教える義務はないはずです。」


「しかしそれではゲームバランスが壊れてしまう!彼女を早急に連絡会議に出席させて聞き出すべきだ!」


そう喚きたてる幹部の一人にファンファンはきわめて冷静に答えた。


「どうやってですか?彼女は連合会に加入していませんよ?連絡会議に呼べるのは加入者のみ。なにしろ彼女は連絡会から何一つ技術供与の受けてない身、技術を教えろといってもメリットもないのに教えるはずがないじゃないですか。」


「な???」


あれだけの技術持ちだ当然彼はランが連絡会に所属していると思っていた。

まさか自分達以外に自分達以上の技術持ちがいるとは思ってもみなかった。


「しかし彼女はあなたの店に出入りしているのでは?」


他の幹部がそうファンファンに聞く。


「ええ、彼女の所属しているギルド全体でうちのお得意様になってくれています。しかも彼女には素材の大量購入だけでなくうちのギルドの子供達の引率も土日にはしてもらっていますよ。ただしそこまでですね、友人として疑問を聞かれたら答えることがあっても明確な技術供与はしたことがありません。全部彼女自身の努力と研究によって築きあげたものですよ。」


ファンファンはそう答えていた。


「しかし、あれではゲームバランスが崩れてしまう!」


まだぐずる幹部。


「そんなこと言っても彼女は絶対技術供与はしないでしょうね。あんな技術教えたら彼女個人では連合会全体に立ちうちできないから下手したら店がつぶれてしまいますわ。そんな危険を冒すようなことはしないでしょうし・・・なにしろあの人はリアルでもお店を経営している方ですわよ、素人の私達よりもよっぽど経営ノウハウを持っている人がそんなこと気がつかないはずないでしょうに。」


「くっ・・・」


「しかたないですね・・・技術供与させるのは無理でもあの武器の危険性ぐらいは私からそれとなく言っておきますわ。」


「わ、解った・・・それでとりあえず手を打とう・・・。」


「それにしてもランちゃんいきなりあんなもののお披露目とは・・・個人戦は違う装備で出ると聞いてるからまだまだビックリ装備が出るのかしら・・・。」


ファンファンはこの大会の景品用として指輪製作を依頼したときにランの言った物騒な性能の指輪を思い出しつつそうつぶやいた。


ファンファンの独り言に周りの代表達が凍りつく・・・。

そう彼らは知らない・・・ランが『実験』と称してこの大会に色々持ち込んでいることを・・・。





う~ん・・このスピアは失敗作だったね・・・。


そうつぶやきながらランがさっきの試合で使った【ファイアスピア】を見ながらそうつぶやいていた。


「あれだけのことやっておきながら失敗作って・・・・」


カナのあきれた顔を見ながらランは答える。


う~ん、さっき試合の終了直前に【鑑定】でこの武器見たらさ・・・さっきの攻撃だけで耐久力が2000あったのが残り400切ってたんだ・・・たぶん熱膨張による金属疲労だと思う。

金属疲労なんて設定あると思わなかったから作るとき考えてなかったよ・・・。

これじゃ、少し戦闘時間長いと砕けてしまう・・・。

完全な失敗作だよこれ・・・。


「ところでお姉ちゃん・・・」


なっ、なにかな?・・・・


「私、お姉ちゃんに回復を主体とした後衛職をお願いしたと思うんだけど・・・・」


ソ、ソウダッタネ・・・・・


(怖い・・・見えないはずなのに、そんなの無い筈なのに・・・カナの後ろに黒い炎が見える・・・・)

巨大な漫画汗を後頭部にかきながらランはかろうじて答えた。


「お姉ちゃんは個人戦の本戦にも出るけど私達はこの団体戦しがないの!なのにお姉ちゃんが一人で活躍したら意味ないじゃないの!次はおとなしく回復役に徹してください!!」


イエス、マム!!


ランの怒鳴り声に顔を真っ青にして答えるラン。


「で、次の試合は武器どうするの?」


あぁ、それなら他にも実験したい武器がいっぱいあるから大丈夫!


「解ってる?回復役だよ?」


わ、わってるよ・・・

どれにしようかな・・・・


たまにアイテムボックスから取り出す色々な武器を出して考え込んでいるランを見てこちらも漫画汗をかく一同・・・。


(一度全部の武器出させてチェックしたほうがいいのかもしれない・・・)


思わずランのことを見てそう思うカナであった・・・。

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