第65話 スキル報告 ①
第3章に突入ですが・・。
その前に時間的に2ヶ月ほど飛びますのでその間のスキル報告から
なんだかんだOWOも開始から2ヵ月半がたった。
【ハイデル廃坑】での映像騒ぎは結局1ヶ月ほど続いた。
その間、まともに外を歩けなかった俺は『アルカナ』の経営に専念。
ただカウンター等、表に出ると外で歩いているのと変わらない状態になるためほとんど中でアイテム作りに精を出していた。
おかげでスキルのあがる事あがる事。
ついに先日【技能付加術】・【魔法付加術】が共にスキル50を超え【創作付加】が開放され使用できるようになった。
ただ【創作付加】はまだ使用していない。
単純にいえばこれだけ楽しみにしていながら【創作付加】でどんな追加機能を作るかまったく決めていなかったのが原因だ。
レベル10になるまで5つの追加機能しか登録できない。
登録破棄もできるようだが5つだけとなると下らないものらは使いたくないというわけで未だ思案中といったところだ。
真っ先に装備の【自動修復】も考えたがあれはファンファンさんところの専売特許ものだし、なにより他人の真似はいかがなものかと・・・。
もっと登録数が増えたらあの機能は自分用としてはかなり欲しいのですが。
それと現実的な問題であの機能はかなり大きな一撃をもらわない限り装備が壊れにくくなる。
つまりそれだけ商品が売れにくくなるのだ。
壊れるから次を買うというサイクルがなくなるし非常に生産者としてはやりにくくなる。
そんなわけであれをつけてスキル上げしても売りにくいとうい欠点もあるので数の増えたころならともかく初期では候補からはずすことになる。
そうなると何つけようか悩んでしまう。
これが武器だの防具だのを専門に扱う店ならともかくうちみたいに『アイテム』をあつかう店になると常時売っているのは指輪や耳飾りやネックレスに腕輪といったところだ。
そんなものに『攻撃力+20』だの『防御力+20』だのつけたらその装備だけでよくなり(指輪なんて各指につけたら10個も装備できる)武器・防具屋に喧嘩売っていることになってしまう。
おかげで現在悩みまくり中だ。
後先考えなければさすがEXスキルと思うが共存を考えると非常に難しい。
困ったものだ。
次にあがったスキルの中で目立つのが【木工】スキルだ。
すこし気分転換に家で使うお皿などの食器類を【木工】スキルで製作していたらユリカさんが見ていて「それ、お店で売りませんか?」と言われたのでちょっと面白半分においたら飛ぶように売れた。
別に特殊効果があるわけでもないのになぜこんなに売れるのか不思議に思って聞いたら冒険者用の味気ない金属製の皿やカップは売っていてもこういった木製の皿とかは自分で作るか作れる人にお願いして作ってもらうしか手に入れる方法はないそうだ。
ちなみに俺らがリアルで慣れ親しんでいる陶器製の皿は貴族様用だとか・・・。
思わず「マイ◎ンかよ・・・」と言ってしまった・・・。
粘土焼くように一度陶器の皿類に挑戦するのも面白いかと思う。
もっとも釉薬等の知識がないのでそちらの知識をつけてからになるが・・・。
そんなわけで片手間とはいえかなりの数の木製食器を作っていたらこっちもスキル50を超えてしまった。
どうも【食器】というものはデザインや彫り物でスキル難易度が上下するらしく最後には透かし彫りの技能をふんだんに使った観賞用の食器まで作っていたりする。
もっとも観賞用はみんな店で見て驚きはしてくれたけどなかなか買ってくれる人はいなかった。(笑)
スキル50になって開放された新スキルがまた笑わしてくれる。
【弓職人】・【杖職人】・【家具職人】・【家大工】の4つ。
弓や杖までわかる。
金属製のもあるだろうけど一般的には両方とも木製のイメージがあるしな。
家具も金属性もあるが普通は日本では木製が圧倒的に多いし。
問題は・・・最後の【家大工】だ。
大工のカテゴリーの本当の意味では大工というのはいわば日本の木工職人全般を指す。
それゆえ言葉では「家具大工」だの「船大工」だの「建具大工」などという言葉の上での職業が未だに残っている。
それで【家大工】は文字通り『家』を建てることができるらしい。
難易度もあるのでレベルの低いうちは無理みたいだが最高三階建ての『木造』建築が建てられると・・・。
そう『木造』がみそ。
石造りや鉄筋コンクリートは無理なんだそうだがこの時点でおかしいと思えよ説明書き・・・。
『石造り』や『鉄筋コンクリート』のスキルが存在していることをばらしているようなものだ。
しかも『鉄筋コンクリート』って・・・このゲームの時代レベルおかしくないか?
・・・そういやなにげなく使っていたが『タングステン鋼』なんていうのもあったな・・・確か1780年代に見つかったものだっけ・・・。
あってもおかしくない?
そういや工業高校のとき鉄筋コンクリートの始まりは1867年にセメントで作る植木鉢の補強として針金を使ったのが始まりだとか習ったけ・・・。
だとしたらこのゲームの参考年代は1800年代後半あたりか???
いやいや、確か大航海時代の前とか言ってなかったか?
大航海時代って16~17世紀だろ・・・。
にしては・・・大型帆船とかないしな・・・。
そう考えると15世紀前後だと思うのだが・・・。
・・・考えるのは放棄しよう・・・堂々巡りな気がする。
とりあえずコボルト村で家を建て直しすると言うお家があったのでやらしてもらいました。
このスキルレシピによる自動製作はなくあくまで全部マニュアル製作。
ただ頭の中に自動的にやることが思い浮かぶ上にスキルに任せておけば鋸、鉋、蚤とそこらの大工より立派に使いこなす。
えぇ、立派な平屋建てのお家が出来上がりましたよ。
それを見ていた他のコボルトさん達、私の家も私の家もと・・・結局村中の家46棟全部作りましたとも。
しかも村長の家はスキルが20に達したおかげで立派な木造二階建て!
なんかコボルト村が現在の日本のおうちみたいになってきれいに並んでるの見ると・・・ものすごく違和感が・・・
俺もしかしてやっちまったかもしれない・・・他の人たちがここに来ることがあってこの風景を見たらなんて思うだろう・・・。
・・・うん、知らないことにしよう・・・きっと運営がそういう風にデザインしたんだ・・・そう思うことにしよう・・・。
コボルト村で練習を兼ねて木工でできる補強や建て直しをしていると【家大工】スキルが30まであがってしまった。
しかも30まであがるとスキルツリーから新しいものが出た。
【砦大工】・・・。
これはあれか・・・将来ギルド間戦争でもやらせるつもりなんだろうか・・・。
とりあえずこのスキルを使って壁の強化と表・裏門の砦化を実行。
下手な村より強固な村になってしまった・・・。
まぁ、モフモフ守るためならしかたないか、むしろもっと強化したいから石作りや鉄筋コンクリートがどのスキルから発生するのか新藤を酔わせて聞き出した方がいいかもしれん。
あとこの【家大工】、フィールド上に作ると自分のものとして登録ができ最大50軒ギルドホームやパーソナルホームと同じような扱いになるらしい。
もちろんフィールド上に作る以上建物の中に進入はないがそれ以外のところにはモンスターが徘徊しまくる。
扉を開けたとたん襲われたなんていう事態もありえるそうだ。
もちろんコボルト村でしたように譲渡も可能。
面白いのが【破棄】をするときだ。
あんなに時間かけて建てるのに破棄するときはメニュー欄のボタン一発。
しかも押したとたん建物は消え更地に・・・。
いや、最初やってみたときは大笑いしましたよ。
まぁ、店があるので外のフィールドに家持つつもりはないが鉱石取りなどの作業小屋つくりとしては考えるかもしれないな。




