第62話 決着
結局最後までおふざけなし。
しかも当人バトルジャンキー宣言までしちゃってるし・・・
どうすんのよ?(苦笑)
防具の自動修復完了。
自動修復で使ったMPも回復して満タン。
こき使ったせいでコンバットナイフ2本が大きく耐久力が減ったが予備を持ってきているのでこちらも大丈夫。
投擲ナイフは残り32本。
パチンコ玉は残弾なし。
手榴弾8発
うん、武器防具のほうは大丈夫だね。
篭手装備だけは自動修復がないのでだいぶくたびれてしまったが・・・よく考えたらスキルあげ除いて初めて自分でまともに作った防具なんだよな・・・。
帰ったら修復して記念においておくか・・・。
ともかく・・・ラストバトルに生き残ることのほうが先決だ。
両手にコンバットナイフを装備しゆっくりオークキングのまつ祭壇の部屋に入る。
「よくここまでたどり着きましたね、まさしく勇者といったところですか。」
勇者?私はそんな者ではないよ、ただの冒険者Aといったところだよ。
「それだけの武力を見せてそんなことをいいますか?」
えぇ、勇者とは文字通り『勇気ある者』のことだよ、私はただ自分がしたいことをしただけで別に勇気があったわけではないよ。
私みたいなものはね・・・・『痴れ者』というらしいよ。
「痴れ者?」
愚かな者、馬鹿な者という意味や手に負えない者や乱暴者に送られる言葉だよ。
「ではあなたは痴れ者なのですか?」
えぇ、私は戦闘時には戦闘に酔うバトルジャンキーよ、まさに『乱暴者』にあてはまる『痴れ者』が似合っているわ。
「そうは見えませんでしたが?」
普段は私も喧嘩とかは大嫌いよ、ゲームでも戦闘より生産のほうが好きだもの。
でも今回のように生と死ギリギリのところで戦うと普段は眠っている熱い感情が暴走するの。
そして、そんなときは行き着くところまで行かないと止まらない。
あなたは種族の誇りをかけると言った。
私は私自身の今までの生き方をかけているわ。
やるときは徹底的にやる!
だから今回もオーク達を一人残らず殲滅しながらここまで来た。
最後はあなた一人!
さぁ、お互いの誇りと意地をかけて踊りましょう!!
「お互い少し芝居がかりすぎましたね、でも誇りをかけているのは間違いないこと、ではどちらか倒れるまでの死の円舞曲を踊りましょう!!」
「『フリーズ・ジャベリン』!!」
『ファイア・ランス』!
開始と同時に女王の魔法『フリーズ・ジャベリン』が発動するが同じことを考えていたのかランも属性魔法『ファイア・ランス』を発動させ空中で衝突し爆発した。
お互いホールの中を所狭しと駆け回り魔法を発動させ隙を見て切り込み殴りあう。
戦闘が開始されてから20分ほど・・・全力で動き回っていたためにお互い肩で息をしている。
HPもお互い大きく削れても隙を見て魔法やポーションで回復するためなかなか決め手が決まらない。
ランも正直先ほど最後のハイポーションを使い切った。
それでもHPは2/3ほどまでしか回復していない。
魔法も正直大きなものなら残り2発がいいところのMPしか残っていない。
MPポーションはとうの昔に使い切っている。
どうやら女王は一気に勝負を決める気らしい。
魔力が急速にたまってきた。
しかしその瞬間をランは待っていた。
ある意味まさに奥の手、めったに使わないため相手にも手段の一つとしては数えられていない。
闇の精霊を今まで待機させていたかいがあった。
【スタン】!
ほんの一瞬だが相手を硬直させる魔法。
ただしその直前の行動は全部キャンセルさせる能力を持つ。
そしてその一瞬がランはほしかった。
アイテムボックスから【簡易手榴弾】在庫8個を全部だしキーワードを唱えてまとめて女王に投げつける。
今まで見た目派手な魔法を多用していたために最初のほうのみ使われていた【手榴弾】の存在を忘れていた。
連鎖爆発を必死で耐える女王の目の前にランが突然爆煙の中からあらわれ女王の胸と首筋にナイフを深く突き刺して距離をとった。
これで最後だ!!
【地霊雷撃陣】!!
地上に魔方陣が出現しその魔方陣めがけ多数の雷撃が落ちる。
しかもランが女王に刺したコンバットナイフが雷を誘導するように2本のナイフに雷を集める。
「ガ・・・・・・・・・・」
女王は雷に打たれ一声声を上げかけたが詰りそりまま倒れる。
女王よ、この勝負私の勝ちよ!!
女王が砕け散る中ランは雄叫びを上げて勝利を宣言していた。




