第61話 ハイデル廃坑再び 15層目
最後の15層目・・・
ごめん最後のボス戦までいけなかった・・・
「女王よ、彼女がこの階層に到着いたしました!」
「きましたか・・・・」
「はい、われわれの知らない武器を使っていますが正面からたった一人で圧倒的な力で攻略されていきました。」
「まったく迷いのない戦いをしていますね彼女は・・・。」
「それにしても【呪文詠唱】でしたっけ?どこからあんな呪文を見つけ出したのでしょう?通常の魔法攻撃よりも2~4倍威力が違うのですが・・・」
「そのあたりは情報不足です、運営の皆さんからも情報が回ってこないということはなんらかの方法で彼女が独自に見つけた方法なのかもしれません。」
「そのようなことができるので?」
「この電子の世界といってもOWOの世界も何事にも一定の法則があります。彼女はその法則の中からなんらかの法則を見出し独自に理論を打ち立てて実施しているのでしょう。」
「すごいですね・・・」
「そうです、先の戦闘でも彼女の独自の理論とはいえ何らかの整合性を見つけ出したためにあのような戦法を採ったのでしょう。現に再戦を挑んだ私達に対してパーティではなくソロでしかも正面から正攻法で突破してきています。それだけの自信があるからこそ彼女がどのような理論を打ち立てていたのかわかりませんが前回のふざけたような戦闘スタイルでもあったのでしょう。」
「・・・」
「今回は我々の無茶な要求に応じ正攻法できてくれています、ゆえに我々は死力を尽くして彼女を倒さなくてはなりません。それこそが誇り高き我々の本来あるべき姿なのですから!」
「さあ、わが子たちよ彼女が来る前に所定の位置につきなさい!決戦のときです!」
「「「「「おーー!!!」」」」」
響き渡る鬨の声、オーク達は決戦に備えそれぞれの場所に散っていく・・・。
15層目の配備が完了し階層そのものが殺気で満ち溢れていた。
ランは暴れまわっていため空腹になりつつあったので再び食事をしながらHPとMPを回復させながら在庫の武器を確認していた。
コンバットナイフ×4本
投擲ナイフ×38本
パチンコ玉×67個
オーク用曲剣×1本
簡易手榴弾×8個
ハイポーションLv.8×39本
MPポーションLv.7×27本
麻痺解除薬(中)×10本
解毒薬×10本
麻痺薬Lv6×3本
毒薬Lv.5×3本
魔法を多用したためにMPポーションの消費が過去最高レベルだがあとはこの階層だけだし持つだろう。
意外に武器類の消耗が少ない。
投擲ナイフも結局回収できなかったのは2本だけだったし。
ただコンバットナイフの1本が耐久力かなり減っている。
考えてみたら敵の体につきたてて雷系の魔法の誘導針代わりに使って数発雷流し込んでるものな・・・。
耐久力が減っただけで御の字か・・・。
これは念のために予備のやつに交換しておくか・・・。
帰ったらロバルトさんに耐久力の回復依頼しておこう・・・。
さてHPもMPも回復したし最後の階層の攻略といきますか。
なんかさっき鬨の声もあがってたから相手も気合はいっているようだし。
階段下の部屋の中にいるタンクにめがけパチンコ2連発。
すぐさま階段の途中まで戻りアーチャーとマジシャンの視界から隠れる。
視界が通ってない限り魔法も弓もNPC達は撃てないからね。
AIが勉強していくこの先はわからんけど・・・。
ここの階段は一人分ずつしか横幅はない。
誘い込めば1匹ずつの戦闘になる。
ソロの時は狭い通路バンザイだね。
少し時間をかけながらも魔法もほかの武器も使わずコンバットナイフ2本だけでタンクを撃破。
ただすぐ後ろに軽戦士が控えておりすぐさま戦闘続行。
これも【回避】と【受け流しが】が今回のアタックでかなりあがったので単体相手だと楽に回避できる。
ソロでするときはやっぱりギリギリのレベル帯でやるとスキルあがりがいいわ。
なんて考えている間に体は勝手に反応して軽戦士撃破。
さて次は数発食らう覚悟でマジシャンを先にたたくかそれとも魔法による牽制をしたほうがいいか・・・。
よし、この階層は回復させながら慎重に回ることにしてここは魔法による牽制でいこう。
星を輝かせる源よ すべてを焼き尽くす炎よ その力わが手に集いて力となれ!!
『火炎球』
狙いはアーチャー!
よし!命中!!
命中したが倒れないところを見ると上の階よりレベルが高い?
マジシャンに回復される前に通常の【ファイア・ボール】で追い討ちをかけ撃破!
そして腰から投擲ナイフを抜き取りマジシャンに攻撃!
よけられたがそれで魔法がキャンセルされたためその隙を突いて懐にもぐりこみ攻撃連打。
簡単にマジシャンが砕ける。
なんか攻撃力上がっているような・・・。
念のためステータスを確認すると【剣】Lv.41・・・・
へ????
確かここにもぐる前は【剣】のスキルレベル16じゃなかったけ?
たった2層で25もあがった?
おかしくねそれ???
いったん階段にもう一度下がりログの確認・・・。
なんか気がつかなかったけど攻撃が命中するたびに面白いようにあがっているな・・・。
それでもバグだといやなので運営に連絡を・・・。
『大丈夫です、間違いありません。レベル16のスキルで無双できる方がおかしいのです。したがってあたればそのレベルならあがりまくって当然です。』
なんて言われてしまった。
・・・そうだよな・・・普通は低レベルだとまず敵に当たらないんだよな・・・でもそこはリアルスキルというか集中力で補って当てて、攻撃力は単純に武器の性能というわけか・・・。
確かにとどめの大威力攻撃はたいてい魔法か格闘でしとめてたな・・・。
検証するのは後にしよう、どうせ筋肉を『考えて動かす』なんて無茶しているせいで頭が沸騰しかけなんだから。
もっとも、とっさのときはほとんど無意識の反射神経で動いてたからあまり参考にならんし・・・。
とりあえず【剣】のスキルレベルも41あるのなら【格闘】スキルとさほど変わらないし上の階より楽にできるだろう。
とりあえずレーダーで確認しつつMPも回復したし前に進みますか・・。
15層目にいたコウモリや古代トンボはどこかに消えてオークのみというのはありがたかった。
さすがにソロだとあのMOBの数は鬱陶しいのを超えて面倒臭いのレベルになる。
それでは行きますか・・・最後の突破戦!!
前回宝箱で封鎖していた通路に大量のオークが待ち構えるところに炎系の範囲魔法をぶち込む。
古の竜の咆哮よ すべてを焼き尽くす炎よ その力わが手に集いて力となれ!!
古の誓約に従い 我が前の敵をすべて食らい尽くせ!!
『炎竜火炎陣』
まぁ、火炎放射器の巨大版みたいな魔法だわ。
呪文詠唱によるブーストを入れると直線状にいる敵すべてを焼き尽くせるかなり便利な魔法。
ただし欠点もある・・・。
一発撃つと5分間は再度この魔法は使えない。
ただし威力は保障つきと。
前に陣取っていたオークの集団をまとめて撃破。
というか・・・洞窟の壁まで溶けてるよ・・・。
あ~・・・とりあえず手前の曲がり角で隠れて冷えるのまとう・・・。
ついでにMPの補給もかねて・・・。
10分後、まだ熱を持っているがどうにか通り抜けられるようになって通路を通過・・・。
あの魔法は場所考えて使わないとえらいことになる・・・。
とくにブースト付はよく考えて使おう・・・。
第15層目はほぼ大規模魔法合戦になった。
MPポーション飲むわ飲むわ・・・。
てか、どんだけマジシャン残していやがった・・・。
【属性魔法】のあがることあがること・・・。
ついでに残り火や水を利用して【精霊魔法】の大連射も行うからこっちもあがることあがること。
俺今回の決闘でどれだけスキルあがったんだか・・・。
とりあえずボスのオークキングとの戦闘終わったらちゃんと確認せにゃならんね。
そんなことを考えながらボス部屋手前の通路に隠れて回復しつつそう思った。
今見ればいいって?
いやさ・・・今まで通ってきた通路の惨状見たらそんな気起きなくてさ・・・。
よく死ななかったな俺・・・。
後半は常にHPが赤と黄色をうろついていて青まで回復しなかったぞ・・・。
ハイポは残り12本、MPポーションも残り6本・・・。
持つかどうか微妙だよな・・・。
でも、あとひと踏ん張り・・・頑張りましょうか♪
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