第59話 ハイデル廃坑再び 13層目
オークとの決闘の開始です。
やっばり戦闘シーン難しすぎ。
というわけで手抜きの作者でGO!
指定されたハイデル廃坑入り口付近で待機しているラン。
なぜが冷や汗がタラリ・・・
視界の隅に時々チラチラみえる人の影が複数・・・。
いや、誰とか確認しなくてもカナ達とチビッ子達、さらにファンファンさんに決まっている。
そのためわざと気がつかないふりして無視することにした。
『これよりハイデル廃坑はメンテナンスにはいりますので入ることは不可能になります。終了時刻はおって公式ホームページにてお知らせいたします。』
アナウンスが入ると同時にハイデル廃坑にもぐっていたと思われる冒険者達が続々と入り口に強制退去させられてきた。
それと同時にランがハイデル廃坑内部に強制転移させられる。
「「「「「あ!」」」」」
カナ達の声が聞こえるがもう遅い。
というわけで手を振ってやった。
いってくるね~♪
どこかの階のボス部屋らしいところに強制移転させられたラン。
目の前に新藤がたっていた。
「ようこそ、ハイデル廃坑12層目の階層ボスの部屋に。」
して、このまま初めていいのか?
「いやいや、とりあえずこの決闘のルールを説明させてくれ」
とりあえず頷いておく。
「今回の決闘は勝負の決まりはどちらかが倒れるまでだ、工藤が倒されるかオークキングが倒されるかというわけだがどっちが倒されようともこの依頼は成功になる。」
ふむ
「ただ、それだと工藤のモチベーションがあがらんだろうと思って別に報酬を用意した。」
別にかまわんのに・・・。
「そういうな、どっちにしろデータだ俺の腹は痛まんよ、ということでオークが勝てば武器類のアイテムをやろう、かなりの高性能品だ。」
ん?オークが勝ったほうがいいのか?
「工藤が勝てば生産系のEXスキルをひとつやろう、当然そこにいたる情報もやる。どの系統のスキルがほしいか今から考えておくんだな。」
よし!オークを全滅させてくる!!
「まてまて!まだスタートじゃない!あせるな!」
「配置が完了したら向こうから連絡はいるからそれまで待て!」
むぅ・・・・
『配置完了しました、開始してください。』
「というわけだそうだ、行っていいぞ。」
了解
13層目にいたる階段の途中で13層目の様子を見てみる。
【観察】は簡単に言えば気配観察なんだろう。
見えていようかいまいが生きているものがいれば頭の中のレーダー画面みたいなものに反応する。
敵対してなければ青、敵対しているものは赤というふうに。
最初の部屋に・・・赤3か・・・固まっているな。
ほんじゃまぁ、景気づけに特大のやつを一発・・・。
本来ならこのゲームで魔法に呪文は必要ない。
力ある言葉である術名を言えば発動する。
さらにいえばイメージさえきちんとできていたら術名すらいらなく発動する。
ただし無詠唱はかなり高度なスキルらしく高レベルでないと使用できないという。
そして逆に言えばこのゲームではイメージ勝負らしくきちんとイメージできればシステム上の威力より上乗せすることが可能である。
これは精霊魔法を練習しているときに気がついたものだ。
どうも精霊か頑張る以上に俺のイメージが威力を左右している一因のようだと気がついたのだ。
試しに属性魔法で試してみたら威力が増加した。
ではイメージをはっきりさせるキーワードとして呪文を使えばどうなるか?
答えはこうなる・・・
星を輝かせる源よ すべてを焼き尽くす炎よ その力わが手に集いて力となれ!!
『火炎球』
通常の【ファイア・ボール】の3倍ほどの火球がオークめがけて飛んでいった。
正直呪文は勝手に作ったものだ、しかしこの呪文に乗せるイメージがはっきりしたために結果は3倍の威力増加だ。
真ん中のオークにヒット。
そのままそのオークは倒れてポリゴンが砕け散った。
左右のオークは吹き飛ばされて倒れる。
とっさに腰の後ろからコンバットナイフを抜きながら階段から飛び降り左のオークを強襲!
そのまま袈裟懸けに切り捨ててそのまま左手で右篭手から投擲ナイフを2本抜き起き上がろうとする右のオークに投げつける。
「ギヤーー!」
麻痺効果発動のログが流れる。
もうけ!
そのまま駆け付けて顎を蹴飛ばし左胸にコンバットナイフを突き立てる。
両方のオークもこれでポリゴン消滅。
投擲ナイフを回収し右篭手にしまい奥に向かう通路の手前壁で【観察】のレーダーで奥の通路を探る。
反応なし、どうやらいないようだ・・・。
確か、ボスの部屋までに3つほど部屋があったな・・・。
レーダーに注意をしながらも小走りで通路を駆け抜ける。
途中にある左右の小部屋は反応がない限り無視で突っ切ることに。
どうせ宝箱があっても罠がある以上スキルなしの俺ではあけることができない。
【罠解除】と【鍵解除】のスキルあげとけばよかったと思いつついまさらどうにもならないのであきらめる。
うわさによると属性魔法の高レベルの中に【アンロック】という鍵開けの呪文があるらしいが今のところ使っているのを見たことがない。
まぁ、ないもの強請っても仕方ない先に進もう。
次の部屋では軽く散開している赤マークが4つ・・・。
動かないね・・・。
手鏡を使って部屋の中を覗く・・・。
手鏡はソロかつでは必需品だね・・・。
もっもこの手鏡はカナにお姉ちゃんもゲームでは女の子なんだから少しは髪の毛とかぐらい気にしなさいとかいって渡されたものだが・・・まったく別のことにしか使ってないな・・・。
あちゃ~・・・オーク4匹とも弓構えてこちらを狙っていやがる・・・。
さてどうしたものか・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ちと早いがあれを使うか・・・。
コンバットナイフを左手に持ち替えアイテムボックスから【簡易手榴弾】を2個取り出す。
起動キーは間違っても普段のときに誤爆がないように考えてわざと一言多く設定した。
コマンド、着火!
小さく呟くように囁いただけだが2個とも反応した。
1・・・2・・・さ
3の時点で通路から右手を出しオーク達に向けて【簡易手榴弾】を2個を投擲!
・・・4・・・ご『『ドカーーン!!』』
2個の【簡易手榴弾】が爆発、同時にランは部屋の中に踊りこみ腰のベルトから鉄の弾を取り出しレーダーの反応に向けてひとつにつき3連発の指弾で発射。
そしてそのまま正面の反応に向けて突進!
煙が消える前に正面のオークを襲撃。
数発のパンチと蹴りで相手を沈黙させ、そのまま次の敵に向かおうとしたら・・・
残り3匹はうめいて倒れていた・・・。
まとめて使うと相乗効果でもあるのか?
思ったより威力が大きく部屋の中のオークは大ダメージを受けていた。
とりあえず丁寧に3匹に止めをさし再び通路奥をレーダーで確認。
残り2つの部屋も手榴弾こそ使わなかったが魔法の一撃で部屋の中を混乱状態にして各個撃破の戦法で突破。
さてさて・・・この奥は階層ボスの部屋のはずなんですが・・・。
以前はいなかったのでどんな敵がいるのかもわからないんだよな・・・。
そっと覗き込んでみると通常のオークの倍もあるオークが一匹・・・。
でか・・・。
とりあえず両手にコンバットナイフを装備してゆっくり部屋の中に入る。
『よくここまできた、わしはハイオーク!オーク達の部隊長を務めるものだ!!』
こ、声もでかいよ・・・。
とりあえず戦闘前にひとつ忠告を。
『?』
部下を部屋に置いておくのはいい、ただ入ってくる場所がわかっているなら囮役ぐらい軽装備ではなく重装備の者をいれてやり数発ぐらいは持ちこたえるようにするべき。
持ちこたえている間に魔法か弓で攻撃したらそれなりに相手に嫌がらせができる。
『そ、そうか・・・次回から貴様の忠告を取り入れた配置を考える。』
うん、では・・・殺し合おうか♪
開始と同時に懐にもぐりこみローキック連発。
体制が崩れたところでむき出しの部分をナイフで攻撃。
激戦の末、ランがオークの首筋にコンバットナイフを突き立てる。
そのあいだに2発ほどいい物をもらったが常にランが押す感じで戦闘が進み最後は首筋に突き立てられたコンバットナイフに属性魔法の【サンダー】を叩き込まれて撃破。
『貴君は強いな・・・。』
それを最後の言葉にハイオークは砕け散って消えた。
さて、次は14層目ですかね。
もっと強い敵はいるのかな?
うれしそうに奥の階段を下に降りていくランの姿があった。
完璧にランがバトルジャンキー化してますね・・・。
これが悪化してバトルモンガーにならなければいいが・・・。
ちなみにバトルモンガーとは戦闘になると猿のごとくそれしか考えられなくなる末期状態の人だと思ってください(笑)
今回の呪文ネタはスレイヤーズの呪文を参考に作ってみました。




