第53話 コボルト村
前話の続きです。
今私は桃源郷にいます。
そこで私は・・・縛られて椅子に括りつけられています。
エリーシャ北西フィールドの草原で道迷った私はいつのまにか足元の谷間にモフモフな桃源郷の村を発見してしまったのです!
そして私は桃源郷に向かって突撃していってしまいました!
そして捕獲され今の状態に・・・。
ゴブリン・オークの件で反省したのにまた欲望に身を任せてしまいました・・・。
でも今回は反省はしても後悔はしていません!
なぜなら私にとってここは桃源郷なのだから!
中身おっさん?今は無視だ!私の今のアバター的には問題ないはずだ!!
と、一生懸命妄想たくましくさせて暇つぶししていたのですが・・・そろそろ誰か帰ってきて話し相手になってくれませんかね?
もう誰か呼びに行ってくると言われてから1時間たつのですが・・・暇です・・・。
『ギィ・・・』
おや、扉がきしむ音が・・・誰かが来てくれたのでしょうか?
扉の隙間に光る2対の目・・・怖いのですが・・・。
『バタン!』
「ヒューマンだ!」
「女の子だ!」
「「モフモフだ!!」」
なぬ?モフモフとな??
君達のほうがモフモフでしょうに!
入ってきたのは若い犬型獣人の男女らしい人たち2人です。
「「モフモフ~~!!」」
なんと私にめがけて突撃してきました??
あっ!イヤ!そこ触らないで!!
首筋なめたらダメーー!!
頭クンカクンカしないで!!
ヒャャハハヒャハ!!そんなとこ撫で回さないで、こそばゆい!!
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30分ほどなめ回され、まさぐられ、コチョコチョされ・・・・
精魂ともに尽きました・・・。
もうHP残ってませんよ・・・。
獣人の2人はやり遂げた顔をしていますが・・・。
私がいつもしていることってこんなことだったのですね・・・
・・・今度からはもっと盛大にしてみよう・・・
え?自粛しろって??
なんでこんな気持ちいいことを??
私には自粛する気持ちがわかりませんよ?
私の悲鳴が聞こえたのか他の方々が部屋に入ってきました。
「「おじいちゃん!私達モフモフした~~♪」」
見ると他のかたがたより年を召された獣人の方が入ってこられました。
「あ~、孫達がすまんことをした。」
いえ、私も門番の方にしてしまったことですしかまいませんよ。
ちょっと気持ちよかったのは極秘のスタンプはって心の奥に片付けておくことにしました。
「あ~、こんな形で聞くのもなんだかのう、おまえさん何用でこのコボルトの村にきたのじゃ?」
なんとこのモフモフ達はコボルトさんでしたか。
私の若いころとイメージが違いますね。
昔はコボルトといえばゴブリンとならぶ冒険者初期の獲物でこんなかわいいものでなくて小憎たらしい犬の獣人扱いたったのですが。
そういえば10歳くらいの魔法少年が女子中学の教師をする漫画でもコボルトはかわいく扱われていましたね・・・いつからこういう扱いになったのでしょう。
まぁ、よいです。
ファンファンさんところのギルドではないですが『可愛いのは正義』です。
えっと、背の高い草原で迷子になってマップも機能してなくて気がつけば村の近くまで来ていました。
さして皆さんのお姿を見かけたらそちらのお孫さん達と同じ状態になってしまって・・・。
正直すみませんでした・・・。
おじいさん苦笑いをして他のコボルト達に縄を解くよう指示してくれました。
縄を解いちゃっていいのですか?
「かまわんよ、お前さん悪い者ではないようでな。」
「ほれ、このはずした装備も返しておくでな。」
そういってポーチと帰還の腕輪を返してくれました。
いつのまにかはずされていたのですね・・・気がついてませんでしたよ・・・。
「お姉さんどこから来たの?」
さっきの可愛い女の子のコボルトが聞いてきました。
たぶんこの村の南のほうになると思うけどエリーシャという街から来たんだよ。
「いいな、あそこ身分証明するものがないと獣人の人は危険だから入っちゃいけないといわれているのよね。」
危険?街が??
おじいさんに目を向けると補足として教えてくれた。
「あそこはいわゆる人族の街じゃ。獣人族は身元保証人がいないと襲われる可能性があるのじゃ、なにしろ冒険者の街だからのう。」
まぁ、こんな可愛い子を襲う馬鹿がいたら私がボコボコにするけどな。
【獣人】族というカテゴリーでみたら確かに危険だよね。
「だれか身元保証人になればあそこの領主が街の中で身を安全にしてくれる結界魔法のかかった身分証明書を発行してくれるのだがな、わしらもあの街に入れるものがいるといろいろ助かるのだがなかなか難しくてな・・・。」
街の外はどうするのですか?エリーシャからここまでではゴブリンも徘徊していて危ないでしょう?
「なに、この村にもコボルト族のみ登録してある転移ポータルがあるのじゃよ、エリーシャは街で登録してありさえすればどの種族も使えるからのう。」
なるほど・・・
そういう訳なら誰か保証人さえいればいいわけですね?
保証人はどうしたらなれるのですか?
「あの街で働くのが条件だから自然と保証人はその職場の責任者ということじゃな。」
ほうほう、ならば私にも資格ありますね。
「ん?」
いや、私あの街で近々アイテムショップを開く予定なのですよ。
店舗も確保して売る商品もほとんどそろっています。
ただ私か開くのズルズル引き伸ばしていたために店員の手配して無くてまだ開いてなかったのですよね。
そういうと目を輝かせるお孫さんのコボルト達。
うちで働く?
そりゃもう首がもげるかというほどの上下運動。
(よっしゃ!モフモフ店員ゲットだぜ~!)
もうちょっと店開きには時間かかるからその間家族とよくそうだんしてから決めてね。
準備できたら登録してもらうついでに一度家族にも職場見てもうことにしましょうね。
もう輝かんばかり目の輝き・・・
ちょっと罪悪感が・・・
おじいちゃんも仕方なさそうな顔で苦笑しています。
そういうわけで一度私は街に戻るとします。
あっと、この村くるのになんか目印無いですかね。
草原の中突き進むと迷子になるので・・・。
そういうと道を教えてくれた。
なんと海岸の砂浜と通ってくると普通につくそうで・・・。
あははは・・・・
あのマップ白紙地帯はいったいなんだったんだ・・・・(悩)




