表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
One in the WORLD  作者: 黒鷹
第2章 地下迷宮の謎
47/130

閑話 社長の暗躍

ランの戦闘方法が運営でも問題に・・・。

【ソリッド社】


ここはソリッド社OWO中央制御室。


「だめですO-01AI群全員再出動拒否しています。」

「しかたない、しばらくはプログラムで代理させておけ。」

「了解です。」


僕は必死に後ろで笑い声を上げるのを堪えている社長を睨んでため息をついた。


「どうします?しばらくオーク達のAIはあの状態だと出動できませんよ?」

「いや、しばらくはロジックプログラムでいいじゃないか、種族全員でAI使うと難易度高くなるし。」

「それにしてもランさんの行動はこちらでは想定していませんでしたよ。」

「剥ぎ取り御免・・・ウハハハハハ(大爆笑)」


ついに社長の新藤は堪えきれなくなって大爆笑しだした。

人間、効率を重視するものは徹底的にするのだが・・・確かに装備品からの分解は他の鉱石類からのインゴット化より難易度は低く設定してあったが敵装備の入手そのものはドロップ率が低いので問題にならなかったはずだった。

そう、「問題にはならない」はずだったのだ。

それをこちらのシステムの隙をつくような攻撃でほぼ100%の確立で入手して行った者たちが現れた。

いや、正確には「それを実行できる」リアル側のスキル持ちがいたということだ。

装備の隙間に手をかけ留め具をシステムの部分破壊という作用を利用して力任せに破壊して装備を奪い取るという事をできるものが現れるなんてこちらは想像もしていなかった。

そりゃ、偶然でそうなることはあったかもしれない、いや最初この現象を見つけたものは偶然だったのだろう。

しかしそれを意図して行える者が出るなんて誰が想像できようか。


「全面的にシステムの見直しを行ったほうがいいですね・・・。」

「アハハハ・・・うんシステムの見直しは必要だが手直しする必要はないよ。アレを工藤以外に意図して行えるものはそうはいないだろう。」

「しかし、それでしたら新しい人型モンスターは全部あの手で彼にやられますよ?」

「そうだな・・・新しく用意する種族は鎧のデザインをああいったものが使いにくいデザインに一部変更するかそれが難しいようだったら留め具の耐久力を少しあげたらいい。まったくできなくなるのも面白くないしな。」


「それにしてもフェンリルに続いてゴブリンAI群・オークAI群と3つのAI達にピンポイントでトラウマを植えつけて大きく影響を与えていますね。」

「低レベルAIである妖精群AIにも多大な影響与えてるからな・・・確か4~5才レベルまで成長してるとか報告あったな。」

「はい、こちらはいい意味で成長していますね。本来ならば街外のフィールドだけのところを街中まで常に一定の数の精霊がついていってますから交流の見聞きでずいぶんレベルがあがっています。」

「こちらは工藤に感謝だな、そういった意味では工藤をはずすことは考えられない。かといって工藤にあわすと他のプレイヤーが勝てなくなるしな。」


どうもこれは会社内で会議を開く必要があるようですね。

良い解決策があると良いのですが。



【喫茶店:スノーウィンドゥ】


「そういった訳でお前の隔離処置をとることになった。」

いったいなにがどうなったのか突然会うなりそう言われても俺はエスパーじゃないからわからん。


俺の店に昼の忙しい時間が終わったと思ったらいきなり新藤のやつがやってきて先の言葉を言い出した。


「つまりはだお前の現実でのスキルが高すぎるのだ、全員がそうだとは言わないがあの手のゲームのプレイヤーは基本貧弱といわなくてもアスリートではないということだ。」

そりゃそうだが・・・高いか俺?

「正直言えば体の能力もアスリートクラス、ましてやお前は普通の日本人では考えられんほどの経験者だ、そういった者と普通のプレイヤーではVRにすると思いっきり差が出ることがわかった。」

そんなもの最初からわかってなかったのか?

「ある程度はな・・・お前は差がありすぎだ。」

では俺にゲームで手を抜けと?

「そんなことしたらお前はゲーム辞めるだろうが、だからそんなことはいわん。代わりに特殊戦闘用のバトルフィールドを設置する。」

特殊戦闘?

「そうだ、それぞれのレベルにあわせたモンスターが現れるシミュレーションフィールドだな。お前みたいなゲームのレベルに合わないリアルスキル保有者も毎回倒すことに敵のレベルが上がるのでそれに見合った敵まで簡単にすることができる。」

ふむ、それはうれしいがただのシミュレーションでは普通のプレイヤーが参加しないのでは?

「それに関しては一定以上クリアする毎に賞金やアイテムで対応する、またスキルも一般フィールドほどではないがレベルもあがる、ただドロップアイテムはなしだ。」

ふむ、俺個人ではそれで文句はないな、強いやつ相手に思いっきり体が動かせるし。

「どこかの格ゲーみたいな台詞を言うな。」

しかし俺のゲーム参加目的はもともとそれだからな、廃坑みたいに逃げられると余計にストレスがたまる。

「あれはお前が悪い、うちの技術者やGM連中頭抱えてたぞ。」

でもな・・・ルール違反したわけでないし・・・。

中の人も演技しすぎだ・・・ちょっとぐらい付き合ってくれても・・・。

「(中の人って・・・AIなんだがな・・・)普通の人なら警察に通報の行為だ。」

うっ・・・・

「まぁ、近々追加のVerUPで追加するのでそれまであの行為は控えてくれるとありがたいよ。」

うっ、わかった自重する・・・。

「おぅ、わかればよろしい、少なくとも子供達の前でやる行為ではない。」

それは反省してる・・・カナからも同じ風に怒られた。

「当然だな・・・ではまたな!コーヒーうまかった。」

おぅ、またよりにこい!


店の扉が閉まり新藤が駐車場のほうに消えて行った。

本日早朝大きな地震が関西でありましたが皆さん大丈夫でしたか?

うちではご近所中がいっせいに飛び起きて外に飛び出していましたよ。

阪神淡路大震災の記憶があるものには今日の地震はたまげました。



04/13 誤字脱字訂正

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ