第3話 狩場にて
北門を出るとどこかに続く道とその両側に広がる大草原、しかも草の背高くねぇ?
なんか俺の腰ぐらいまであるのだが・・・。
グラン君の説明によると本来なら南門の草原 (こちらは芝生程度の高さで見晴らしがいいらしい) が初心者最初の入門となるらしいが基本ソロ活動向けとのこと。
北門は南門より3~4ランクほど敵が強いがPTを組むならこちらのほうが効率がいいらしい。
南門のほうも俺個人としては非常に気になるがMMORPGの時は上げれるときにレヘル上げておいたほうが楽だしな、南門はあとでソロで行ってみればいいだろう。
そういや、薬草なんてどうやっって見分ければいいんだ???
何が取れるのか分からないと拾いようもないな・・・。
そんなこと考えてついていってたら狩場に着いたようだ。
「タンクは俺と【ジェイ】とでします、【カナ】と、【ラン】さんは俺たちがタゲ固定したら背後から遠慮なしに敵をたたいてください、【ルカ】は回復、【シンジ】は釣りをお願い。」
グラン君の指示にみんなは
「「「「了解!」」」」
と答えて散る。
「ターゲット【ヒトツノビートル】確認、釣ります!」
シンジ君の報告がパーティチャットで入る。
なんか地響きが聞こえるな・・・って、デカ!!
体高が俺よりわずかに高くて全長が俺よりでかい・・・。
てか、こんなの倒せるのか???
見るからに巨大カブトムシ・・・ただし体の色は緑だが・・・。
「お姉ちゃん、後ろからやるよ!」
「おっ、おう!」
VR生生しいな・・・パソコンでしていたリアルといわれるMMORPGと大違いだよ・・・。
思わずひびってしまった・・・。
ブロードソードを握って言われた通りカブトムシの背後から叩く叩く!!!
カンコンカンコン!!キンコンカン!!
うははは、音だけ聞いてたらまったくダメージ与えてる気がせん。(笑)
一応【ヒトツノビートル】のヒットポイントバーが減っていっているのが分かるためダメージは与えてるんだ・・。
全然甲羅に傷がついているように見えないのだが・・・。
てかカナの攻撃は傷がついてるから俺のはただ当ててるだけ???
まさか腕力まで子供補正なのか???
【『【剣】スキルがLv.2にあがりました。』
なぬ!まだ一匹倒していないのにもうあがったのか!?
うぉ、それと同時に初めて甲羅に傷が入った~~~~!!
嬉しい~~~~!!
叩け叩け!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・
・・
三時間ひたすらカブトムシ叩きまくりました♪
【剣】スキルLv.11
うは、楽勝じゃねぇ?
一度休憩しようということになったとたん再びアナウンス
『称号【馬鹿の一つ覚え】を得ました!』
「・・・なぁ、カナ、称号ってなんだ?」
「称号ってスキル以外にステータスとかいろいろなことにボーナスがつくんだよ。称号そのものは何らかの行動を起こしたときに条件を満たしたときにランダムでもらえるものや特定のクエストやミッションを成功させるともらえるんだよ」
「そうです、基本的に称号はいくつももらうことができますからいろいろプラスアルファ得るために積極的にとるといいですね。」
「ほぅ、そうなのか・・・。」
「もしかしてお姉ちゃん何かもらったの?」
「うん、【馬鹿の一つ覚え】というのもらった」
「「「「「は???」」」」」
【馬鹿の一つ覚え】
取得条件
同じスキルを間に他のスキルをはさまずにただ一つだけ使い続けるともらえる。
効果
同じスキルを使い続ける限り経験値+5%、成功率+10%あがる。
称号を押すと説明が出たので読むと
「新しい称号みたいですね、β時代に報告はないみたいですし、それにしても名前はばかばかしいですが生産行動にはかなり有利な効果ですね。」
確かに、同じものを大量生産するときやスキル上げにはいいのかもしれないな・・・。
「とりあえず、一度解散して落ちましょう、そろそろ皆さんも夕食の時間でしょうし。」
グラン君の宣言で一度町に戻って落ちることに。
一度WIKIあたり見に行ったほうがいいかもしれないな・・・。
知らないことが多すぎる・・・。
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