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One in the WORLD  作者: 黒鷹
第1章 GW
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第2話 混乱のうちに・・・

仲間と合流です

思わず水面を覗き込んだまま呆けていたがはっと約束を思い出す。


(いかん、待ち合わせを忘れていた・・・。)


相手はうちの喫茶店の近所にある電気屋の娘で彼女が高校生時代はうちでアルバイトをしていたことがある。

まぁ、その程度の知り合いだ。

【One in the WORLD Online】をやるとどこからか聞きつけたらしくサービス開始日にPT(パーティー)を組もうと誘ってくれていた。

ちなみに彼女とその友人はオープンβ時代からのプレイヤー。

初期の狩場などならよくわかっているので案内してやると上から目線で言われたんだよな・・・。

歳も俺の半分もない小娘に上から目線って・・・屈辱じゃ・・・。


確か待ち合わせの場所は北区の旧教会前と・・・・

おっ、いたいた聞いてたとおりの名前のキャラが他数人とたむろしている。


「おぅ!【カナ】待たせたな!!」


そう言ってカナに手を上げるとポカンとこちらを見たままガン見している。

うん、どうしたこいつら???


「えっと、お嬢ちゃんどちらさまかな?私はお嬢ちゃん知らないと思うんだけど。」

首をかしげながらかわいく問い返された。


「なにいってるんだ、工藤(くどう)だよ。」

「え・・・・・お兄ちゃん??? 嘘だ!!!」

「言うと思ったよ・・・」


ため息をつきながらとりあえず運営に教わった嘘の【言い訳】を教えた。

いわく、運営側のトラブルらしいということ。

いわく、どうやらこれはイベントNPC用に用意されていたアバターではないかということ。

いわく、急ぎ修正するがいつになるかわからないということ。

などなど噛み砕いて説明した。


「すると【ラン】さんは修正がすめば元の製作したアバターになるわけですか?その際それまで上げたスキルレベルはどうなるのでしょう?」


カナの友人だろうグランという名のヒューマンの男性が聞いてきた。


「正直その辺はアナウンスされてないからわからない、たぶんスキルはそのまま移行してくれると信じたい。」


まぁ、俺は【被験者】だから変わることなんてないだろうがな。


「え~~!元に戻すの?私はこのままの方がいいと思うけどな、もったいないよカワイイのに。」

「おまえね~・・・」


あきれ返りながらため息をつきつつ反論をしようとしたが・・・


「私は【お兄ちゃん】より【お姉ちゃん】のほうがいい!」

「男の俺の存在全否定!?」


思わず全身脱力状態。


「えっと少し気になるので失礼と思うのですが【ラン】さんってお歳どれくらいなのですか?」

「おう!リアルでは【カナ】の倍はあるぞ。(笑)」

「うそ・・・私たちの倍???」


カナのβ時代の仲間の一人であろうルカという子が質問してきたが俺が答えると皆あっけにとられていた。


いや、そうだろうな・・・分かるよなんとなく・・・

アバター製作時に気がついたのだが見た目年齢はある程度左右出来るのだが身長まではいじれないのよな。

また、このゲームの推奨年齢が18歳以上ということもあってアバター自身が見た目が高校生かそれより少し上といた感じにまでしか若くできない。

まぁ、小さな餓鬼が剣を振り回しつつモンスターを追いかけるなんてシュールな映像あまり考えたくはないわな。(苦笑)

でだ、現在の俺の姿はというと身長140センチ程の少女姿。

外見どう見ても小学生の高学年、ようは12~13歳ぐらい。

女性アバターは交換条件として了承したのでしかたないとしてもこの容姿どうにかならなかったものかね?

周り大人ばかりで子供はNPCぐらいだろうに・・・。


「にゃははは・・・そういえばお姉ちゃん初期スキルなにとった?」


話を捻じ曲げるようにカナは話題を変えたが【お姉ちゃん】はすでに決定済みか?

そういや、俺スキルとっていなかったがどうなっているんだ?

ステータスウィンドウを開いて【スキル】欄を見ると・・・。

マジですか???


このゲームは職業レベルがない代わりにスキルのレベルがそれの代わりをしている。

ようはジョブがない代わりにこの人はどういったことをどれくらいのレベルでできるかで判断するのだ。

それでゲーム開始時は初期スキルといわれる120のスキルから3個選んで自分のスキルとしてセットできる。

残りのスキルはセットしたスキルのレベルがあがればスキルポイントがもらえるのでそれを消費してそのスキルを教えてくれるNPCの元で習う。

ただし上級スキル等は一定のスキルレベルまで上がると開放されその場でとることができるようになる。

プレイヤーはスキルツリーと呼ばれるものを育てて強くなるというわけだ。

でだ、【ラン】の初期スキルは・・・メインセットにこそセットされていなかったがサブセットにずらっと120個全部並んでいやがる・・・。

うっ、運営さん・・・サービスしすぎでは・・・。


「あ、うん、【剣】と【感知】と【錬金術】だよ。」


あわててそういいながら無難そうなのを3つ選びメインにセットした。


「ほえ、お姉ちゃん生産職は錬金術するつもりなんだ」

「確かに鍛冶等は初期は鉱石集めるだけでも大変ですからね」

「でもポーションなんかは店でも安くいくらでも買えるよ」

「まぁ、βの頃はさほど錬金術は用事なかったですけど正式になると高レベルモンスターも相手しなくちゃいけないでしょうしそのころにはポーションも店売りより高性能なのが見つかっているでしょうから悪くない選択だと思いますよ。」


「なぁ、それより町の外出て狩しないか?正直周りの視線がいたい・・・」


そうなのだ、実は会話の間ずっと周りから見つめられてヒソヒソ話されていたりする。

しかもなんか鼻息あらくしているやつもいるし・・・。

身の危険を感じるんだよ!!


「あはは、確かに・・・では北区の門を出たところの草原でカブト狩りでもしましょうか」


よしグランよい意見だ!すぐ行こう!早く行こう!!

男なのに貞操の危機を感じるのはいやだ!!!

スキル

【剣】

剣スキルのすべての大本となるスキル。Lv.50以上になると専用スキルの出現あり。


【感知】

自分周囲の敵を感知することができる。レベルが上がるにつれて感知範囲が増大する。


【錬金術】

ポーション等を作れるスキル。


3/28 誤字脱字修正

4/06 誤字脱字修正

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