第111話 バインバイン計画発動!!
あれ・・・話が進まなかった??
ビスチェもどきのホディースーツを前に唸っているラン。
いったい何が気に入らないのか…
“う~ん…こう…もう少しバストを強調したいな…”
君はどこの下着職人だ!と突っ込みを入れたいところだか…。
しかしなんだな、その下着ラン君には大きくないか?
みたところもっと背の高い人が着るような感じの大きさなのだが。
“とりあえずはこのあたりでいいか…さてとモルモット1号さんを呼ぶとするか♪”
そんな事を呟くとテル機能を使って誰かを呼び出し始めた。
“カナ~、今話して大丈夫?”
「あ~、お姉ちゃん!
3日前ひどすぎるよ!!
私が話している最中にテル強制遮断した上に全部の会話機能シャットアウトにしてるし…」
“あ~、ごめんね。
それで今時間大丈夫かな?”
「大丈夫だけど…」
“どうしたの?”
「お姉ちゃんが私達にやさしく女性の言葉遣いで話するときは大抵なんかあるからやだな…と…」
カナちゃんもさすがによくわかっているようで(笑)
“皆の携帯に世界地図の写真を送られるのとモルモットにされるのとどちらがいい?”
にっこり笑ってなにやら黒い脅しをかけるラン…怖いですよ…
「はっ!モルモットのほうでお願いします!!」
声だけなのに直立不動で敬礼しているカナが見えるような気がする返事が即座に返ってきた。
“よろしい、それではお店のほうにきてね♪”
「すぐに向かうであります!!」
どうやらランの脅しは効果的であったようだ。
ランに弱みを握られているカナちゃん…
すこし同情します…
“よし、これでモルモット1号は確保♪”
黒い炎をあげるラン…まだあげてたのかい!!
「ただいま到着いたしました!!」
店の入り口で叫ぶカナ。
お客さんは何事か思ってカナを見ている。
どうやら隣のギルドハウスからとはいえ全力で走ってきたようだ。
息を必死に整えていた。
“あ~、来た来た。
カナ、奥に入ってきて。”
言葉に誘われ奥に入ってきたカナはかなり顔色が悪い。
それを見たランは苦笑いをする。
“大丈夫、写真は公開しないから。
あと変な実験に付き合わせるわけではないから。
今度のファッションショーに関連したものでね。
こればっかりは男性陣に頼めなくてカナに頼んだんだ。”
その言葉にホットするカナ。
もっともランがこのあと呟いた声は聞こえていなかったようだが…
“胸ちっこい組は私の周りにはカナぐらいだもんね…”
聞こえてたらカナ泣くぞ…
ここで少し説明。
ゲーム開始時に作られるアバターは基本プレイヤーの姿を使うが体型等は多少はいじれるようになっている。
当然胸が小さい方は大抵弄るわけですよ…
大きさを…
そんな訳でこのゲームでは胸は大抵それなりにある方が多い。
そんなの気にしませんというような方だったり現実ではかなり大きくて仮想世界ぐらい普通のサイズがいいという他のない女性が聞いたら怒る様な事をいう人意外は大抵それなりにあるものだ。
ただ物には限度というものがありペッタンコを巨乳化することなんていうのはできない、せいぜいワンランク上か下になるくらいである。
まぁ、ゲームの世界でもそれなりに悩んでる方はいるということで…
そしてカナもそこまで大きくならなかった組であるわけです…(哀れ)
“それにしても小学1年生の時の写真でそこまで慌てるかね?”
「黒歴史よ黒歴史!」
それを聞いて再び苦笑いするラン。
「それより1ヶ月も準備期間あるのにもう出来たの?」
“いや、服のデザインなんてまったくできてないよ、これからよこれから。”
「ならなんで呼ばれたの?」
頭にいっぱい『?』をうかべてかわいく首をかしげながら聞くカナ。
なにげに自然にこういうことが出来るから昔から周りの男性どころか女性にも人気がある。
本人はまったく気がついていないのだが。
“うん、服は決まって無いけどテーマは決めたのよ。
そのテーマに必要な物があったから先にそっちを作って最終確認のためにカナ呼んだんだ。”
「テーマ?」
“うん、『バインバイン』ということで。”
「?」
カナには通じなかったようだ。
年の差2回りはさすがに違う。
というか『バインバイン』は古すぎないか?
ランは自分の胸の前で腕を組み揺するようなしぐさで…
“バインバイン。”
顔を真っ赤にするカナ、どうやら理解したようだ。(笑)
「それは私へのあてつけ?」
カナなかなか鋭い!
たしかにその気も少しはある。
が、それを感じさせずにランは首を横に振る。
“うんにゃ、むしろ私服の時ぐらい体型補正ができないかなと思って前から考えてたんだ。
俺の胸こんなんだし…”
そう行って自分の胸を見るラン。
つるペッタンが実に似合う体型だが…そんなことは後付けの理由だとは読者も知っている!
どっちかというと新藤社長の目論見の斜め上を行きたいだけなのだが。(笑)
“というわけで体型補正計画、名付けて『プロジェクトバインバイン』なのだーー!”
「他に名前なかったの?」
“この名前がいいの!”
力尽きかけているカナを引っ張ってビスチェのそばに行く。
“で、これが試作第一号の初号機”
そしてカナを指差てこう言った。
“初号機装着者、モルモット1号……もといテスト者1号”
思わず本音が出たようです。
ぐは、装着して機能説明まで行かなかった(笑)
どうもランはこの章は黒ラン化しまくりです(^^;
11/30 誤字脱字訂正




