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One in the WORLD  作者: 黒鷹
第4章 遺跡都市ミルシャ
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第102話 敵遭遇

ついに戦闘です。

突然だがただいま敵と戦闘中である。

敵はハイゴブリン3体。

しかもランが見事にパーティ戦では初めてのタンク役をしている。


ことの起こりはアライアンスの中の1名が高度な【隠蔽】スキル持ちのハイゴブリンアサシンに襲われたのが始まりである。

ランの 【感知】のスキルがかなり高く現時点で62ある。

これは紳士(へんたい)との日々の騙しあい探りあいの結果異常なスピードでスキルが上がったせいだ。

そして今までこの望まぬ結果であるとはいえ高スキルのおかげでモンスター達の【隠蔽】スキルより常に高く不意打ちを食らうことがなかったのだが今回はついにモンスターの【隠蔽】スキルのほうがランの【感知】スキルを上回り感知することが出来ず不意打ちされてしまった。

しかもハイゴブリンアサシンは不意打ちの1発が決まるとすぐに仲間を呼びハイゴブリンヘビィファイターとハイゴブリンナイトがすっ飛んできた。

この2体が異様なほど硬い。

しかもこの2体を盾に隙間からアサシンが攻撃してくる。

このアライアンスでもっとも強固な防御力を誇ったのがラン続いてルミナス。

したがってこの2名がすぐさまタンク役として前に出て防御を始めた。


“重戦士とナイトのゴブリンは私とルミナスさんで足を止めるから皆はアサシンを先につぶして!”


ランの指示で他のメンバーが集中的にアサシンを狙う。

しかしアサシンの回避力が高くなかなか命中が得られない。


一方ランとルミナスのほうも膠着状態が続いていた。

ルミナスの相手のナイトは攻撃力は低いが(それでも今までのエリアよりはるかに高い)防御力が高い、というより鎧がものすごく硬くてダメージが通らない。

ランの相手してる重戦士も鎧がものすごく硬い、しかもこちらは攻撃力もかなりある。

ランのずば抜けた防御力を誇る装備でないとダメージがかなり抜けているところだ。

かといって『通常状態』のままでは【炎魔神の剣】の攻撃力でさえ僅かしか抜くことが出来ない。

心底スキルあげをもっとしておけばよかったと思うが今すぐに上がるわけでもなし。

いや・・・剣が命中するたびに【剣】と【両手剣】のスキルが面白いように上がってきてはいるのだが・・・。


アサシンには13人がかりで攻撃してもなかなか命中しない、タンクの2名もこれといって決定打が出せないため完全に膠着状態。

これは時間がかかりそうな雰囲気になりそうになったとみんなが思った時、ランが動いた。


ランは攻撃をしたり攻撃を受けながらもゴブリン達を観察していた。

ここのエリアのゴブリンの装備は前のエリアまでの敵獣人装備と比べても細やかな改良が施されているらしく以外に止め具部分が継ぎ目から見えない。

どうやら丈夫な物に代えられている上に指などを突っ込みにくいように隙間が出来にくい構造になっているようだ。

それでもランにしてみたら付け入る場所がいくつも発見できた。

さらによくよく観察すると僅かながら止め具の位置も判明した。

思わずニヤリとわらうラン。

少なくとも敵獣人には付け入る隙がありそうだ。


左腕を正面に構え盾を前面に押し出し盾のWS(ウェポンスキル)の【シールドバッシュ】でゴブリン重戦士を吹き飛ばす。

そしてゴブリンが体勢を立て直す隙を使って剣を左手に持ち替え右手を強く握り右手で特定の動作をする。

すると右手の手甲部分にドラゴンの爪に似た形の爪が飛び出してきた。

両手装備のアースナックルガードの第一ギミック、ドラゴンクローである。


いくらレベルが高いゴブリンで丈夫だろうともその防御力のほとんどが装備している防具の防御力だ。

その防具を引っぺがすとどうなるか・・・。


ランの右手の爪を今まで観察して止め具があると思われる隙間めがけて差込み一気に引っ掛けて止め具を破壊する。

指で引っ掛けるように装備を固定しながら引っぺがすことは出来ないが爪で部分攻撃すれば威力は指の数倍のため止め具の完全破壊は可能だった。

そして止め具を破壊された装備はいくらでも指の入る隙間が出来上がる。

その隙間に指をいれ一気にゴブリン重戦士の胴装備を引っぺがす!


“剥ぎ取り御免!!”


案の定引っぺがす勢いに負けた残りの留め金がほぼ破壊され胴装備が剥がれ落ちる。

ランはすかさず左手で持っていた【炎魔神の剣】を突き刺す。

この一撃で簡単に重戦士が落ちた。


重戦士を落とした勢いでルミナスと対峙していたゴブリンナイトにも同じ手で胴装備を剥がしに掛かる。


“ごめんね~、あんたの装備も観察させてもらっていたから・・・”


そうつぶやくとランはゴブリンナイトのわき腹の継ぎ目めがけて一気に爪をつきたてそのままナイトの胴装備を剥がし壊した。

ルミナスもそんなスキを見逃さない。

そのまま無防備になった胴に剣を突き刺しナイトも撃破する。

ランはさらにこちらに背を向けているゴブリンアサシンめがけ手加減なしの精霊魔法の【炎の矢】を発動する。

基本的には魔法というのは『必中』である。

たた正面から魔法を受けるとある程度ダメージの軽減を行う敵もいる。

獣人はその筆頭だ。

しかし背後からの強襲、しかもランの非常識なチート威力の魔法を食らうと・・・。

常識では考えられない高威力の白熱した【炎の矢】が背後から命中するとその一撃でゴブリンアサシンのHP(ヒットポイント)の1/3が削れ動きが鈍くなった。

そこを13人が一気に踊りかかりタコ殴り。


巨大なコブをたくさん作ったゴブリンアサシンの体が砕けて消えた。


・・・最後のはいじめにしか見えないような気がするが気にしないでおこう・・・。


戦闘が終わり全員がその場に座り込み息を整えている中ランは自分で剥がした重戦士とナイトの胴装備を回収して調べていた。

どちらの装備の素材もランの知らない物で出来ている。


“ごめん、この装備両方とも私がもらってもいい?少し気になるので調べたいんだ。”


そういうと皆は快くランにその装備を譲ってくれた。


(【鑑定】でもわからないし見たことも無い。新鉱物ならともかくもしかしたらこれ合金では?)


合金の出来る可能性は鍛冶士の間ではささやかれていた。

しかし今のところ合金に成功した者はいない。

ランも挑戦しているがいまだ成功せず。

【鍛冶】スキルのレベルが単に足らないのか、【鍛冶】ではない他のスキルが存在するのか、もしくは複合スキルか・・・。

今は結果が出ていないがこれを調べればヒントは出るかもしれない。

いやラン一人で調べるよりもファンファンさん達あたりを巻き込んだほうがいいのかもしれない。



ともかく・・・前回は遭遇しなかったゴブリンに少々戸惑いながらも気を引き締めなおすランであった。

ランの得意技で何とか勝利。

ついでに職人としての伏線も登場。

回収は出来るのか?

作者もちょっと自信が無い(笑)

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