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One in the WORLD  作者: 黒鷹
第4章 遺跡都市ミルシャ
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閑話 カレーライスへの道 その3

ついについに・・・!!

エリーゼにポータルで跳ぶとその足で前回来た時市が開かれていた港の広場に向かう。

そこには前回市で使われていた小型のテントはほとんど消えその代わり大型の倉庫代わりのテントが数基建っていた。

広場を見渡して前回のおっちゃんを探してみる。

いまさら気がついたのだが『おっちゃん』としか言ってなかったので名前を知らなかったりするので人にたずねることすら出来ない。

大いに反省すべきだろう。


困ったなと考えていると中央の大型テントからおっちゃん登場!

ご都合主義だと思わないでも無いがこの辺は偶然に感謝しておっちゃんに声をかけることに。


“おっちゃん!頼まれて【スタミナ薬】もってきたよ!”


『お嬢ちゃんもうできたのか?まだ3日(ゲーム内時間)しかたってないんだが。』


どうやらもっと遅くなると思っていたらしい、もっとも早く納品できるものならしたほうがいい。

評判にもかかわることだし。


【スタミナ薬】をおさめた木箱24箱(1箱50個)を取り出し確認してもらう。

ついでにHO品の70個の『あれ』も無料でわたすことにした。

名前が『あれ』過ぎて置いておくのもいやだったためなんだが・・・。


『お、お嬢ちゃん・・・レベル10の最高品じゃないかこれ・・・』


『だ、団長・・・こっちは伝説級の品ですよ・・・【スタミナ薬】の高位版の薬です・・・』


おっちゃん【スタミナ薬】のレベルを見て固まり部下らしい人は『あれ』の入っている箱を見て固まっている。


“私が作ったらそのレベルになってしまって・・・価格はこの前言った値段でいいですから。それと『それ』は無料で差し上げます。どちらにしても【スタミナ薬】系統はこちらでは冒険者相手には今のところ需要が無いのでおいておいても処分するしかないので差し上げます。”


(本当は名前がいやだからそばに置いておきたく無いんだけども・・・)


『コアではこんな高級品おめにかからんのだが・・・よくてレベル5くらいだが・・』


おっちゃんかの呟きによると『コア』とはインノ大陸にあるいくつかある王国のひとつ『ビブルージャ王国』の首都で船舶交易が盛んな街らしい。

この船団はその『コア』から2ヶ月かけてここまで航海してきたらしい。

さらにおっちゃんの話によると『コア』どころかインノ大陸全体を見回しても【ハイポーション】作れたら大天才の扱いらしい・・・。

ということは・・・【中級錬金術師】の初期クラスがいいところと・・・。

大体が【初級錬金術師】どまりだとか・・・。


もしかしたらまた俺やっちまったかもしれない・・・。

思わず冷や汗たらり・・・。


そんなことも気にせずおっちゃんはしばらく考え込んでいたが・・・


『お嬢ちゃん、どうだここの交易連合会に登録してみる気は無いか?』


“交易連合会?”


『あぁ、正確には海上交易多国籍連合連絡会の略なんだがな、海上交易の連絡を一手に率いてる組織だ。このエリーゼにも支部がある。ここに登録してあると船が入るときに知らせを受けることも出来るし優先的に割符も発行してくれる。ましてやお嬢ちゃんみたいに船乗りにかかなせないものを作れる職人や交易品を大量に取り引きする商人なんかは登録者の中でも優遇されて真っ先に割符とかを発行してくれるようになるぞ。』


どうだ?という顔のおっちゃんに少し考えて了承を出す。

どう考えてもさほどデメリットが思い浮かばなかったからである。

その場で紹介書をもらいとりあえず登録することにした。


のちにレベル10の【スタミナ薬】はNPC船員達に知れ渡りいくつもの船や船団から注文が舞い込み『アルカナ』でのNPC相手の一大主力商品になる。

また大量の注文をこなすためには大量の【スタミナ草】が必要となりギルドやNPC店の在庫だけではまかないきれなくなり『アルカナ』には常時『スタミナ草買い取ります』の看板が店前に置かれるようになり冒険者達の小遣い稼ぎや初心者冒険者の重要な資金稼ぎになるようになるのだがそれは少し未来のお話。



登録の手続きが終わったランは今倉庫代わりに使われている大型テントの中にいた。

ここにあるのは商売が何らかの理由で成立しなかったものや売れ残りのいわば在庫品である。

船団としては損をしない価格ならある程度値引いても売って帰りはこちらで仕入れた商品を船に詰め込んで持ち帰りたい。

ただ誰にでも安く売るわけにも行かず信頼できるものになるとなかなか捌き切れないのも事実だった。

幸いランは今回の取引である程度信頼を得ることが出来たため売ってもらえる。

そして今ランの目の前には宝の山があった。


金銀細工(モノは高価でもランにとってはどうでもいい)もあればこっちでは手に入らない象牙まである。

だがなによりランを喜ばせたものは香辛料の中にあった『マスタードシード』を発見したことだ。

『マスタードシード』は粉砕すれば『イエローマスタード』になる。

これを水で溶けばホットドック等でおなじみのマスタードになる。

あげくに『ココナッツパウダー』だの『パプニカパウダー』だの先日にはなかった商品がゴロゴロある。


そしてこんな香辛料の強力なにおいの中ふと現実でいつもかぎなれているにおいに気がついた。

においをたどってみると木箱の中に厳重に麻袋に入れられた物がある。

ふと、おっちゃんにあけてもいいかと聞くと良いと答えてくれたので中を見てみる。

そこにはゲームが始まって以来多くのプレイヤーたちが捜し求めていた『米』が籾米の状態で入っていた。

あわてて中身を確認してみる。

間違いなく『お米』でありしかも形は短粒種。

長粒種ならインディカ米の一種かもしれないが短粒種はジャポニカ米にしか存在しない。

問題は陸米か水田米かだが・・・

かじってみると普段食べなれたお米の味がする。

間違いなく日本の水田栽培のお米と同種のものだと思われる。


“これ、なんていう種?”


念のためにおっちゃんに確認を取ってみる。


『おぅ、短いほうだな、それは【ミズライス】といって水田といって水を張った畑で育てる植物だ。ほかにもそっちには【リクライス】といって【ミズライス】より長い形のライスがあってそっちは普通の畑で作られてる植物だ。』


“へ~・・・”


(間違いない、おそらく現実でいうところの湿帯ジャポニカ米とインディカ米だ)



『それ、今回始めて持ってきたんだがな、買い取る予定だった奴が船団が入る直前に破綻して夜逃げしやがったんだ。かといってこっちでは始めてみるものらしくてなさっぱり売れなくて困っていたんだよ。』


おっちゃんがぼやくぼやく。

おそらくプレイヤーの冒険者に見せたら皆買ったと思うぞ。

まぁ、それがなかったのは幸運だったのかもしれない。


“おっちゃん、このライスどれくらいある?”


『【ミズマイ】が60トンに【リクマイ】が40トンの計100トンだ。本当に売れないと持ち帰りだからまったくまいっちゃうよ。』


“ちなみにいくらで売る予定だったの?”


『あぁ、全部で4000万Gの予定だったが・・・』


“買った!!”


『なぬ??お嬢ちゃんが買うのかそれ?』


“うん、私が全部買う!4000万でいいから売って!!”



こうして俺は他人に先駆けて『お米』の確保に成功した。

しかも籾米で手に入れたのでうまくいけば栽培して増やせるかもしれない。

香辛料も一部では同じ手が出来るかもしれない。

苗の入手はできなかったが取りあえずは家庭栽培規模で栽培できるか試してみることが先決だろう。

また交易連合会に入会したために他国からの品はいち早く情報が得ることも出来そうだ。

そうそうおっちゃんの名前だが入会するときに知ることが出来た。

『ジャハーンギール』というそうだ。

なんか昔のインドのムガル帝国時代に同じ名前の王がいたような気が・・・。

突っ込むのは禁止だよな・・・(悩)


そうそう米以外にも香辛料の在庫の大部分を値引きしてもらったとはいえ俺が買い取った。

なんであまったのか俺的には謎だったが残り物には福があるということで俺的には良かったことだ。


これだけの商品を買ったために香辛料用に設置型のアイテムボックスの増設をすることに決めた。

リアルマネーを使って運営から買うことになるが一緒くたに他のものと一緒に入れると何がなんだかわからなくなりそうだし仕方ないだろう。


とりあえずこれで『カレー』ではなく夢に見た『カレーライス』が作ることが出来る。

が、そのまえにまずは『おにぎり』が先決だよな♪

できれば『味噌汁』も再現したいものだ。

材料はそろっているから出来そうなものなんだがな・・・。

やっぱり『米麹』だろうか?

お米も手に入ったしそっちも研究してみようか・・・。

やっとライスをゲットです!

これでカレー『ライス』が作れます。


07/11 誤字脱字修正


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