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One in the WORLD  作者: 黒鷹
第4章 遺跡都市ミルシャ
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第95話 コロシアムレベル1

「それではレベル1のモンスター受け付けいたしました、ご武運をお祈りいたします。」


ミッション関係も含まれる個人競技をコロシアムで受けた。

選手通路を案内されたまたま次回があいていたのでそのまま競技場に案内される。

反対の扉からは【サーベルタイガー】が檻の中にいるのが見える。

【観察】で見てみても名前以外は全部『???』。

すなわち最低でもモンスターレベル50以上というわけだ・・・。

50なら正直何とかなるんだが・・・60以上になると正直きついな・・・。


コンバットナイフを両方とも逆手に持ちとりあえずはナックル部分を使った格闘戦で様子を見ることにする。


『今回の挑戦者は冒険者のラン、先日この街にたどり着いた新人の挑戦者だ~!』

『見事勝利で飾り、勝ちのりを受けるか、はたまたいつものようにボロクズになるかはこいつ次第!』

『コロシアム名物の新人の腕試しの始まりだ~~!!』


なんともいやなアナウンスをする奴である。

まぁ、賭けもされているから客をあおる意味でもあるのだろうが聞いてるほうは腹が立つな・・・。

審判の合図とともに正面の折の入り口が開放されのっそりと虎が出てくる。

こちらも装備に魔力を流し込み【プロテクトII】・【プロテクトマジックII】・【肉体強化】をそれぞれ発動。

構え?

腕を両手とも軽く曲げた自己流の格闘用の構えだよ。

ボクシングスタイルというのは意外に下半身に弱点多いので使わないな・・・。

そんな構え取られたら俺なら即ローキックで下半身つぶしにかかるしな。

足止めてしまえばあれほどつぶしやすいスタイルもない。

ボクシングは手だけでするスポーツだからなりたっているのだよ。

もっとも技量が離れていたらボクシングスタイルでもいいが同じくらいなら間違いなくつぶされるよ。


さて、それではじっとしてるのも性に合わないしアリアリルールなんだからこちらから攻めるとしますか。


【ファイア・ボール】


あえて避けやすいようにこちらから見て相手の左半分を狙って撃つ。

当然右によけようとするところに移動して殴りつける!


スカ!!


げっ!

軽くよけられた??


そのあとはもう大乱戦!!

噛まれるは、引っかかれるは危うく喉を噛みちぎられるところだった。

とりあえず巴投げの要領で相手を蹴飛ばし起き上がり体勢を立て直すのに成功。

【ヒールIII】の連発でなんとかHPは維持しているが正直分が悪い。

武具にHPやMP回復の追加効果をつけていたおかげで何とかなっているが通常の武具なら正直持たんぞ・・・。


というか・・・やたらと俊敏なんだよな・・・絶対モンスターレベル50じゃないよな・・・。

下手したら60前後あるんじゃないか・・・。

ただ【格闘】・【剣】のスキルは面白いように上がる。

ついでに【回避】・【受け流し】・【体力】も・・・。

どんだけレベル離れてるんだか・・・。


15分ほど乱戦していたが相手のHPは1/4も削れてない。

そもそも魔法は自動命中のはずなのにほとんど被害ない程度までよけるのは正直納得いかん。

いや、プレイヤーなんかは避けれるんだけどさ・・・。


・・・それにしても周りから聞こえる『白い魔王』様の声は・・・もしかしてプレイヤー達が到着しだしたか?

あんまり格好悪いところ見せられないしな・・・。

仕方ない・・・格闘戦闘だけで敵の強さ試すつもりだったけど恥はかきたくないのでこうなりゃ魔法戦闘に持ち込んでやる!!


回避行動をとりながらも呪文詠唱を始める。

やるなら最初から最大火力をぶつける!


古の竜の咆哮よ すべてを焼き尽くす炎よ その力わが手に集いて力となれ!!

古の誓約に従い 我が前の敵をすべて食らい尽くせ!!


一瞬の隙を突き距離をとったランは力ある言葉を開放する。


炎竜火炎陣(サラマンダー・ハウル)】!!


サーベルタイガーを中心に巨大な赤い魔方陣が地面に出現し魔方陣から巨大な炎が立ち上がる。

ランは虎が悲鳴を上げているところにまだ炎が治まっていない魔方陣に突入!

首筋に左手のコンバットナイフを突き立てて再度距離をとる。


すべての力の源の母なりし大地よ 永久に吹きし一陣の疾風よ 天空で荒ぶる 雷よ

古の盟約に従い 我が手に集まり我が力となれ


これでどうだーーー!!!


地霊雷撃陣(アーク・ハウル)】!!


地上に紫の魔方陣が出現しその魔方陣めがけ多数の雷撃が落ちる。

しかもランが虎に刺したコンバットナイフが雷を誘導するようにコンバットナイフに雷を集める。


これでくたばったか?


しかしランの予想とは違い未だHPを1/3程残してサーベルタイガーは生きていた。


嘘だろう・・・どんな防御力誇ってんだあいつは・・・まさしく化け物だな・・・。


ランは呟きつつも再び戦闘態勢の構えを取る。


(こいつレベル1の最弱対戦相手だろう・・・このコロシアムレベル高すぎるぞ・・・)


お互いにらみ合ったまま一歩も動かない両名。

その時ランは気がついた。


げっ・・・嘘だろ・・・こいつ自動HP回復の能力がありやがる・・・。


思わず言葉にしたそのことがコロシアムに無事ついたプレイヤーの耳にも入り驚きの声が上がっていた。


(絶対レベル1対象じゃないよ・・・厄介すぎる能力をしょっぱなから持たせるなよ・・・)


思わず愚痴るがこうなれば時間を置くほどこっちが不利になる。


(ちっ・・・未完成な上にあまり人前で使いたくなかったが奥の手使うか・・・)


右手のコンバットナイフを腰にしまうと大声を上げて叫んだ。


地獄に行くか天国に行くか好きなほうを選ばしてやる!!


ランの叫び声とともに右手に【ファイア・ランス】が左手に【ウォータ・ランス】が発動直前状態で止まり魔力の光に包まれる。


ふたつの力をひとつに・・・・


ランの呟きと同時にまさに力任せに両手の相反する属性の魔力をひとつにする。

両手が合わさると同時に無理やり融合させた魔力が渦となりサーベルタイガーを絡めとる。


【ジェット】


ランの掛け声とともにブーツに仕込まれていたスターエメラルドが発光し属性魔法【ジェット】が発動しランを無理やり前方に吹き飛ばす。


くたばれーーーー!!


ランが掛け声とともに両手をサーベルタイガーに押し付け魔力を開放すると同時に巨大な爆発が起こった。



爆発が収まったとき残っていたのはランひとり。


『おっとーーー!番狂わせだ!!生き残ったのは新人のランだ!!』


司会者の声と同時に審判の勝利宣言がなされランはかろうじて勝利をもぎ取る。

最後の爆発に巻き込まれたランもHPは残り1/4をきっておりHPバーは真っ赤になっていた。


レベル1でかろうじてかよ・・・こりゃレベルあげもそうだが武器防具本気で対策練り直さないとだれも前に進めないぞ・・・。

あとでファンファンさんに相談してみようと思いつつ選手控え室でひっくりかえっているランであった。

勇者王様の必殺技の未完成版でした。

というより自己防御の方法がなくてランの技はほとんど自爆技。

最初は闇属性と光属性のまほうにしようかと思ったんですがね・・・。

頭に魔法融合といえばダイの◎冒険の極大消滅呪文のほうが印象強く火と水に変更してしまったと(笑)


さて他のプレイヤーにもモンスターの強さを見せ付けたしランもファンファンに相談するつもりです。

これでどこまで改善できるか・・・


モンスターの設定強くしすぎたかもしれない・・・(苦悩)



06/12 誤字脱字修正

06/15 誤字脱字修正

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