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22.約束

22.約束


 憂いが無くなって気分が軽くなった俺と、軽くなった雰囲気を敏感に察知した優実は、掌を恋人繋ぎにしたまま、ゆっくりと館内を回った。

 優実はどうやら水中に生息する生き物を見るのは好きらしく、女の子が好みそうな綺麗な熱帯魚類は勿論、グロテスクなウツボや奇妙な動きを見せるタコ、何の変哲もないアジやイワシなんかも、瞳を輝かせて見つめていた。

「楽しいか?」

 尋ねると、瞳を輝かせたまま、俺に振り返る。

「はい。」

 その笑顔に、俺も嬉しくなる。

「またいつでも、来たい時に連れてきてやるから。」

「はい!」

 彼女は益々嬉しそうに頷いた。

 最後に売店に行くと、色とりどりの土産物が溢れていた。お菓子やストラップは勿論、Tシャツや文具、ぬいぐるみまで、あらゆる魚柄の物が並んでいる。

 優実は瞳をまんまるにして、ぬいぐるみの一つを指差した。

「雅之さん!あの魚、可愛いと思いません?水玉模様ですよ?!」

 並んでいたのはジンベイザメだ。綺麗な青色の背中に白い水玉のような模様がある。この水族館にはジンベイザメはいないが、土産物は揃えてあるらしい。

「ジンベイザメだな。」

「ジンベイザメ?」

 聞き返しながらも、優実の瞳はジンベイザメのぬいぐるみとストラップを行ったり来たりしている。どうやら欲しくなって、どちらにするか迷っているらしい。

「ああ。サメの一種だが、穏やかな性格で、人を襲ったりすることはまず無いらしい。確か大阪の海遊館や石川県ののとじま水族館、沖縄の美ら海水族館にいた筈だ。」

 言いながら俺は優実の手を離し、ジンベイザメのぬいぐるみとストラップを手にした。

「いつか連れて行ってやるよ。海遊館ものとじま水族館も美ら海も。」

「まっ、雅之さん!」

 俺がぬいぐるみとストラップを持ってレジに向かうのを、焦ったように優実が追い掛けてきた。が、さっさとお金を払ってしまう。そして、品物が入れられたビニールの袋を優実に差し出した。

「これ、約束の印、な。」

 驚いたような瞳を見せた後、本当に嬉しそうな、幸せそうな笑顔が零れた。そんな優実に、俺は益々愛おしさが溢れてくる。

「雅之さん!ありがとうございます!」

 俺の方こそ、そんなに嬉しそうな、可愛い笑顔をありがとうな。

 そう思いながら頷いた。



先日のとじま水族館に行ってきました。

海遊館よりも水槽が小さい(多分)為か、ジンベイザメがすっごく間近で見れました。

皆様も機会がありましたら是非行ってみられたら如何でしょうか。

因みに私は、ぬいぐるみでもストラップでもなく、ジンベイザメのステンドグラス風ブックマークを買いました。

(おみやげ屋さんに超でっかいジンベイザメのぬいぐるみがありましたが、あれは飾りでしょうか、それとも売り物なのでしょうか?)

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