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13.求める気持ち

13.求める気持ち


 新学期が始まった。新しいクラスも祥生と一緒になった。並んで教室に入る。

「如月君。高神君。おはよう!」

 祥生狙いなら、俺にまで媚びるな。

「おんなじクラスになれて嬉しいわ!」

 俺は別に嬉しくない。というか興味ない。

「春休み、何してたの?」

 お前等に関係あるか?!

「今度どこかに出掛けようよ!何処に行く?いつが良い?」

 何処へでも勝手に行けや。

やっぱり女どもは鬱陶しい。

 こうして脳味噌がふやけている女どもに追い掛けられていると、優実がかなり異質な部類に入る少女だったと思わざるを得ない。最初はケーキひとつ、俺にはくれようとしなかった。『キスしても良いか?』と言った時も、『本気じゃない』と、表情ひとつ変えずにあっさりスルーされた。俺を見つめる時間があればオーヴンを覗いているし、俺に手紙を書く暇があればケーキにデコレートしている。

 つまり俺は完璧にスイーツに負けているのだ。

 なのにそれが悔しいかというと、あの頃はそうじゃなかった。というのも、そのスイーツが俺の口に入ると判っていたからだ。いや、俺の分じゃなくても、強引な手で俺の腹に収めたんだが………。

 今は、他のヤツの為に彼女はスイーツを作る。勿論奥手な彼女のことだから、それが好きな男だとか恋人だとかそういう相手だとは思えない。家族なり兄弟なり友人なんだろう。それでも、もらえるヤツらが憎らしい。彼女の身内にまで嫉妬してしまうとは、自分でも相当ヤラレているとは思うが、もうどうしようもない。彼女が恋しい……。彼女に、逢いたい………。


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