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第二話 自らの惨めさ
第二話 自らの惨めさ
悔しがる澪に、ある二人が声を掛ける。それは果たして...?
「...澪。」
レース後、汗が冷えるようなときに声をかけてきたのは、今回3位に入ってインターハイ出場を決めた、同じ黎明高校の同期で主将にしてエースでもある橋岡琉志だった。どうやら琉志は、かける言葉が見つからなかったようだ。琉志は県大会も優勝しており、通過はほぼ確実だと澪も思っていた。その後、一言も発さなかったのは、琉志なりの配慮だろう。しばらくして、
「ごめん...俺、先に行ってくる」
謝ってきたのは、よくレースで競り合っていて、今回5位でインターハイ出場を決めた、谷崎優太だ。優太はお人好しだから、きっと彼も自分に気を遣っているのだろう。実際、県大会でも、琉志が優勝、優太が2位、澪が3位だったが、その時も、「二人とも本当に強いね」と言っていたのだから。ああ、琉志に気を遣わせ、優太に謝られるなんて、自分は、どれだけ惨めだろう。
第二話は第一話の後編みたいな位置付けですね。実は自分も陸上の中長距離をやっていて、中2の夏の中体連は、それこそ15秒差くらいで負けたので、澪には感情移入してしまいましたね。




