第12話 再建のスタートライン
榊原仁斗新監督の着手により、チームはどう変わるのか?
その後、チームに残ったのは、1年生全員と、上田、広岡、千石、佐伯だけだった。その日の練習メニューは、高強度の練習の予定だった。しかし、
「今日は10000mの記録会だよ。」
サラッと榊原が言い放つ。驚く部員を一瞥し、
「だって10000m34:00以内で走んないと、君たち選考会に出られないよ。」
その通りである。チーム内最速が、隼の30:18、次いで佐伯が30:25、広岡32:30である。だか、
「実は、10000mのベスト31:53です。」
と、主務であるはずの千石龍矢が言う。
「千石さん、そんな速かったんですか?」
次々と驚きの声が上がる。だが、「10000m34:00以内、つまり出場資格を持つ選手が4人しかいない。全日本大学駅伝地区選考会では、詳しいルールこそその地区によって異なるものの、基本は同じ。1組に2人×4組、計8人以上が資格を持つチームが出場できる。そして、その合計タイムが速いチームが全日本大学駅伝の本戦の出場権を獲得できる。残りの4人になるのが、君達一年生だよ。」
榊原監督が説明する。
「今回出るのは、1年生全員です。榊原監督が32分のペースで引っ張ってくれるそうなので、着いてください。」
千石が話す。
「え?監督も出るんですか?」
驚き半分で質問したのは光亮だ。そして、レースが終わった。32:39。失速してしまった。いや、最初からペースが上がらず、本来の走りができなかった。
「今日の記録会、タイムトップが河合で31:43、次いで谷崎の31:47、その後、岳本の32:26、森野の32:39、安藤の33:09、柏木の33:18、泉の33:51までが出場資格を得ました。そして、櫻井、、あと1秒、足りなかった。榊原監督からお願いします。」
千石が話し、榊原に振る。
「みんな、10000mの洗礼みたいなのを浴びた感じかな?こっからバンバン距離踏んでくから、そこんとこ覚悟しといて。まぁ最初はそんなもんだ。及第点ってとこだと思います。あと、一つ伝えることがあります。」
そこで榊原が口にしたのは、衝撃的な一言だった。
最後の榊原の発言は、めちゃくちゃ衝撃的って訳ではないですが、榊原監督の特徴が滲み出るような感じです。




